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角地に立つ3階建ての木造住宅です。
主に生活するのは2階と3階で、1階は駐車場と、将来賃貸化も視野に入れたスペースとなっています。
敷地は台形で、角から奥に行くにつれて広がっていくような形状になっており、平面形状も敷地に合わせて台形となっています。
容積率には余裕があるものの、ワンフロアに必要な要素から、敷地いっぱいの建物になるということもあり、通りに対しての圧迫感を少しでも軽減するために角地に来る部分は曲面として、3階部分をセットバックさせています。
かなり交通や人通りの多い道路に面していますが、ノイズの少ない内装と断熱材の吸音効果が相まって一歩建物に入ると静かな空気が流れています。
以前弊社で手掛けた「YK HOUSE」の施主がこの場所に移住することに伴い建て替えとなりました。
1階は駐車場と将来的に賃貸でも使えるように玄関と区分けしたスペース、2階は将来的には1フロアで生活が完結できるように、3階に当面の寝室とリタイア後の生活までを見越した計画となっています。
内装は左官と木をメインにナチュラルな素材感を用いながらもすっきりした印象になるように計画しています。
高さの制限から1フロアの天井高さはあまり取れませんでしたが吹き抜けや勾配天井を活かして抜け感のある空間となっています。
性能面では、構造的には耐震等級3、省エネ性能は外皮性能は0.39W/m2K(等級6)、BEIは0.6を達成し、東京ゼロエミ住宅の水準3を取得しています。
断熱は壁/屋根ともに外断熱(アキレス ジーワンボードt30 / キューワンボードt100)+ 充填断熱(池田コーポレーション シュタイコゼルt100)としています。
やや変形気味の敷地を目一杯使い切るようなご要望だったこともあり、平面的にはある程度条件から決まってくるような部分がありました。
その上で、人通りの多い場所でいかに静かに暮らせるかという点を重視しながら開口位置や高さ関係、素材の検討を重ねていきました。
自らリノベーションに携わった築古の戸建てを解体しての新築ということもあり、以前立っていた建物以上に長く使われるものになるようにしなければという使命感を強く感じながらの設計となりました。
リビングは天井高さ2300と高くはないものの、手前の吹き抜けに落ちる天窓からの光と吟味して位置と大きさを決めた窓から取り込む近隣の緑などで落ち着きと開放感を両立させている。
吹き抜けに面する階段にトップライトの光が落ちる
光が落ちる場所を厳選して明るい場所と暗い場所のメリハリをつけている。 決して広い空間ではないが、幅240ミリのオークフローリングと大雪山のナラのゆったりとした木目が空間のおおらかさを演出している。
大きな通りから駅への通過点に建つ住宅です。角を曲面にして通りに対しても柔らかい印象を与えています。
玄関ドアは断熱仕様の木製造作ドア。道路から離隔を取り延焼の恐れのある範囲を逃げている。
玄関を開けて正面は羽目板張りとして駐車場へのドアを馴染ませている。
駐車場への扉を開けた様子
玄関収納は壁、天井ともに桐を採用しています。
玄関ホール。階段の奥にはクロークと将来賃貸スペースへの扉があります。
敷地の変形を吸収する玄関。玄関収納の入り口はアール状に加工して印象を和らげています。
階段1段目の手すりは玄関でも利用できる位置に設置している。階段はタモ無垢板のオイル仕上げ。
2階への階段は上階からの光で徐々に明るくなっていく。 踊り場部分は変形敷地の吸収場所にもなっている。
変形形状を吸収する階段の中央部には収納を設けている。
大きな壁面に吟味して開けた開口は光と外部の緑を取り入れ、室内の左官仕上げ面には光のグラデーションによるゆらぎが生じる。 必要な明るさは確保しながらも大きな壁面が空間に落ち着きと静けさを与える。
周囲の環境もありLDK全体に対して壁面の窓はほとんど開けておらず吹き抜けとキッチンの天窓で明るさを確保している。 籠もった安心感を持たせながら要所に爽やかな光が落ちる。 キッチン周りで使用した大雪山のナラの突板が空間のスパイスとなっている。
吹き抜けの天窓からの光で壁の曲面にグラデーションが生まれ徐々に暗くなってきたところに設けた開口は外部への意識をより一層強める。
吹き抜けに面して3階への階段があり、登りきったホール部分に大きな開口を設けて壁面に反射させて2階に光を落としている。
絞られた開口から見える全面の緑は少量ながらも強い印象を与える。
キッチンは天窓からの光で明るく。大判のタイルが光を優しく反射する。
キッチン奥のパントリーは高窓で壁面の収納スペースと採光を両立している。
朝、寝室から気持ちよく下りてくることができる明るい階段。
エアコンの存在感を軽減するように考えた階段周りの造作。
階段から吹き抜けのトップライト側を見る
勾配天井を活かした寝室は壁、天井ともに桐合板を採用。
寝室のドアは大雪山のナラの突板。全面の桐でやや単調になるところにちょうどよいアクセントになる。
寝室の奥のスペースは道路斜線で天井が低くなっていくためウォークインクローゼットとして有効活用。
ウォークインクローゼットは一番奥の天井が低い部分にハンガーパイプを設けて有効活用している。壁天井は桐。
洗面カウンターはモールテックス仕上げ。高窓で採光を確保。ニッチの棚はアルミの薄い板として高さ方向を有効活用している。
トイレのちょっとしたスペースに350φのしっかりとした手洗いを設けている。