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■印象的な土地
隣接する森に住むコジュケイとヒグラシの鳴き声が印象的な緑豊かな住宅地。66坪と充分な広さの敷地。ゆとりある敷地のため可能性にも幅があり、そのひとつひとつを検討し、建主ご家族のこだわりに応えるべく、たくさんのプランニングを積み重ねました。
■多様なこだわり
動線・採光・通風計画に加えて、キッチンから全体を把握できるプランニング、キッチン隣接のパントリー、ゆったりとした階段設計、薪ストーブの位置・煙突の出し方、ピアノの位置、2畳ほど必要とするお雛様スペース、愛犬のおうちスペースの確保、吹抜けに面した2階主寝室の配置、駐車スペースとアプローチの関係、隣接の雑木林の取り込み(借景)など、建主ご家族と共に検討項目を共有できたことは、いつも一緒に打ち合わせに参加してくれた子供達にも大切なことが伝わっていることと。
■多様なデザインと多様な自然素材
薪棚のデザイン、テレビボードのデザイン、洗面カウンターのデザイン、アイアン作家さんと共にデザインした表札兼インターフォン兼郵便ポスト、カーテンレール、ペーパーホルダー、タオル掛けなどのたくさんの手仕事。
自然素材の空間づくり、国産の無垢材(杉・ヒノキ・山桜・オニグルミ)、大谷石、和紙、蜜蝋ワックス、床フローリング塗装もみんなで頑張りました。
建主ご家族と一緒につくった木の家です。
■ふとした時の心のゆとり
吹抜けにあるカウンターで、近所の子供達と一緒に宿題をする風景があったり、散歩途中の園児達が郵便ポストに付けた手づくりのトンボやカタツムリを見て、外から「とんぼー!」「かたつむりー!」と声が聞こえてくること。ほっこりいたします。
■家づくり以外にも
一緒にお米づくりをして、脱穀後の稲わらを使ったお正月飾りのワークショップの場として使わせてもらったり、そのひとつひとつが居心地の良い楽しい暮らしであると。そんな風景でいっぱいのさくらhouseになりました。
引き継いで暮らしていた実家の劣化がひどかったものの、当時は建替を考えていなかったとご主人。そんな時、何かの予定で家族と出掛け、その出先でパッと思い立って住宅会社を訪ねてみよっか、と軽い気持ちだったそうです。ある住宅会社の営業さんに希望を伝えても、その希望を理解してくれない。「Aがほしい」と要望しているのに、「Bを薦められる」。ここではないと感じ探していたところ、お会いするご縁を頂戴しました。
この場では、当然生活に必要なご要望は割愛することとしますが、プランニング上特徴的なものとして、薪ストーブ、アップライトピアノ、2畳ほど必要とするお雛様、愛犬(トイプードル)のハウスといったスペースの確保とそのレイアウト、ゆったりした階段、玄関土間収納やパントリーといった収納スペースの充実、構造的にしっかりした骨組みと基礎。その他、あえて子供部屋の非充実度。居心地の良い子供部屋をつくってしまうと団欒の場に来なくなってしまうから。楽しい場所に家族が自然と集まるように!
どれも大切なご要望でした。
「施主の要望」欄にご紹介した通り、大きなスペースを必要とするその確保は非常に考えたところです。薪ストーブで2畳程度、アップライトピアノで1畳程度、お雛さまで2畳程度、計約5畳はモノを置けるようにレイアウトを考えながら、かつ、全体のバランスを良くしたい。何度も何度もスケッチを繰り返したことを覚えています。トータル8案くらいになったと記憶してます。
写真ではお示しできないのがとても残念ですが、この空間の気持ち良さは、やはり室内に身を置かなければお伝えできないほど、空間もバランスも木の気持ち良さも、モノのレイアウト、ゆったりした階段、愛犬のおうちスペース、キッチンからパントリーへの動線、かつ、洗面室・浴室への動線、収納量と使い勝手、全室引き戸、タテヨコの視線の抜けと採光・通風、あえて非充実にした子供部屋、うちカフェスペースとしても、子供のお勉強スペースとしても、また書斎としても、家事スペースとしても使える多目的カウンター、リビングに集まりたくなるインテリア、大きな開口部とそこへつながるウッドデッキ、シンプルなデザイン、自然体で過ごせる空間素材、空間をカタチづくる構造体の見せ方・見え方など、ナチュラルな和モダン空間になりました。
コストダウンの工夫は、クライアントさんに出来ることは一緒にやりました。床塗装の作業はご家族と、施主支給できるものはそのアドバイスなどなど。
*「この家いいね」が4年経った今でも夫婦の会話に良く出ます。
*「すごーい!この家やばい、別荘みたい」と子供のお友達の驚きの声。
*断熱対策によって冬は暖かい。薪ストーブの熱を蓄えてくれる。
*夏はジメジメした空気をサッパリさせているようで涼しいと感じる。
*本当の木、無垢のヒノキフローリングのため傷は付きやすい。傷が付くからこそ自然素材。愛犬の爪の痕だったり、子供たちが遊びながら付いてしまった痕、その一つ一つが思い出として楽しんでいます。
*欠点と受け取る方がいたとしても、あえて、傷がついたり水回りの手入れ次第では床フローリングの黒ずみにも。冬は乾燥時期のため、床フローリングに隙が生じる。でもそれが普通で、空いた方が掃除もしやすいと、ポジティブに!そう受け止められると木の家は本当に楽しいのです。
*建物を建てるだけでなく、家族の様子やコミュニケーション方法等の要望も確認しながら、当然に美しい家を提案してくれ、生活環境としての「家づくり」を一緒に考えてくれる建築士でした。設計だけでなく完成までの道のりでも、現場に足を運んでもらいながら詳細な打ち合わせができ安心感たっぷりだった。
ご要望を確認して、まずはタタキ台のアイデアと模型によるご提案。そこから「いいとこと違うとこの洗い出し」。(一番と言うと大袈裟かもしれませんが、)注文住宅には、そのくらい重要度の高い「いいとこと違うとこの洗い出し」の時間。クライアントと設計士がここにどれだけ向き合えるかで、結果は全然違ってきます。その繰り返しを何度でもやりとりいたしました。ある程度まとまってきた段階で、まとめとなるゾーニングによる最終チェック。大きなスペースを必要とするモノの配置。それぞれの距離感なども含めて再チェック。そして模型によるボリュームチェック。ここまでが基本的な設計業務でした。ここからは見積もりや工事に必要な図面作成となる実施業務。詳細な図面や各種の仕様決め、衛生設備機器はショールームに同行し、決めにくいことが生じるものなので、その都度アドバイスいたします。必要図面が揃い、見積もりをし、ご予算にたいする見積もり調整作業。それらが満足できると各種の申請手続き。申請完了後の工事着工から現場監理と進捗報告。細部の打ち合わせやサンプルを取り寄せ色決めのコーディネート。DIYによる床フローリング塗装。もちろん私はご一緒し、作業を共有いたしました。完成見学会までやらせていただき竣工を迎えました。
「クライアントであるご家族のあたたかさ」です。
いい家をつくるためには何が必要?満足度の高い家とするためには?
(技術面は当然言うまでもないことで、)
クライアントと設計者とのコミュニケーション量だと思います。
信頼度とも。
初回からは難しいことですが、お互いに話をし、話の意図をきちんと理解できる関係があるかどうかだと感じております。
このおうちのクライアントさんは、わたしの懐にストレートに飛び込んできてくれたことが一番印象に残っていることです。
「わたしのことを知りたい」と。
すごく嬉しかった。
いろんな情報がある現代。その情報を整理できれば良いのですが、なかなかそういかないものだと思います。
だから私はストレートな生き方しかできないし、ストレートなお言葉にお答えしたくなるのです。
家のことだけではなく、人と人、社会とか人生とか、考えてしまうのも家づくり。
そんな印象深い木の家です。
薪ストーブのある暮らしを楽しむ木の家。 薪棚に囲まれた庭。薪割り仕事の休憩にウッドデッキでお茶の時間。 暖房と調理に大活躍の薪ストーブは家族の大切な記憶のひとつ。
完成から約4年経過したLDK。経年美を感じる味が出てきました。 手前がリビング。左がキッチンで右にダイニングテーブル。 写真右にはウッドデッキが続き、広さをなお感じる空間。 写真左に少しだけ見えるのがリビング階段。 床はヒノキのフローリング+愛犬。
リビングからダイニングを見る。 吹抜けのリビング。高窓からの優しい明かり。 手づくりのアイアンカーテンレール。 カーテンはコーディネート。 大きな開口部にウッドデッキが続いた開放的な空間。
レイアウト計画、動線計画、採光・通風計画、薪ストーブの位置と効率、軸線の見せ方、家事動線、ピアノの配置、愛犬のおうちスペースなど、この写真一枚に対して考慮したことがたくさんあります。
薪ストーブの煙突上部と天井面の見え方も設置する上でのこだわりのひとつ。 当たり前のことですが、遮熱壁の範囲や高さも関係法規を遵守。 テレビ台もオリジナルデザインです。 吹抜けの大きさ、見え方、化粧梁の架け方、照明の位置など、全てフルオーダー。
2間半の開口部とつながるウッドデッキ。
大きな開口部とオーダーのカーテン。グリーンを置いてインテリアを楽しむ。
吹抜けに面したフリースペース。 幅3mの大きなカウンターは、洗濯物を整理したり、こどものお勉強机になったり、家族みんなのPCスペースにもなる多目的な場所。
抜き抜けのあるリビングと薪ストーブの煙突。 優しい明りが上部から降り注ぐ。
書斎としても、子供のお勉強スペースとしても、PCスペースとしても、ライブラリーとしても、物干しスペースとしても、家事スペースとしても多目的に使えるフリースペース。大きな造作カウンター。前方は吹抜けを介して外部を感じ、開放的だけど、想いにふけられるスペース。ちょっと一息うちカフェとしても。コーヒ片手に好きな雑誌を!
リビング上部の吹抜けを見上げ。 薪ストーブを上手に使い、シーリングファンも季節に応じて調整し心地良い温熱環境。
写真の奥、丸いのが2つ見えますが、右側のは鏡。その下が洗面コーナー。 その横が玄関への出入り口となっています。視点はキッチンからのアングル。 家族の「行ってきます!」と「ただいま!」、気配を感じて顔を合わせられる。 お母さんがキッチンで家事作業をしているときも、それができたら笑顔が増える。 残業帰りのお父さんに、いつもお疲れ様と迎えられる。 何気ない日常の行動のひとつひとつが暮らしであり、建築設計デザインで大切にしていること。
リビングダイニングから見る視線の先にあるもの。 通行人の目線は遮りたい。 でも木々の緑は取り込みたい。それが上下の窓。 その中間には飾り棚。 家族の思い出の写真を飾ったり、子供が頑張った賞状などを飾ったり。 視線の先にあるもの。 大切なスペースとするために。
玄関を入ると裏の雑木林の緑が飛び込んでくる借景。人通りもあるため、目隠し板を実際に高さを実測して工事。鳥の声、虫の声、とても心地いい。
横長の大きな庇と軒の出。町に対して優しい印象。奇抜過ぎずに、調和のとれた雰囲気にするためには、自然素材がふさわしい。