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海に面した住宅兼旅館のプロジェクトです。日本庭園を設けて母屋と離れの2つの建物を設計しました。旗竿敷地の奥まったアプローチを活かして庭を創り込み、四季の草花が楽しめるように計画しています。また、奥の部屋からも建物を貫通して由比ガ浜を臨む眺望を工夫したのもポイントです。
計画敷地は住宅密集地の奥まった変形敷地だったため、海側の眺望が取れるか要望を満たした設計が可能かを相談されました。また当初お住まいだった古民家の移築などもご検討されていたためそれぞれのメリットデメリットを整理させて頂き、現代的なライフスタイルや機能を満たした現在の提案に落ち着きました。
建物は周辺のスケールに合わせて分棟とし、庭園を挟んで奥を母屋、海側を離れとしています。客間間の移動には外部を介するようにする事で庭と海が交互に現れる計画としています。また以前お住まいだった古民家の調度品や灯篭などを再利用することが当初からご希望としてあり、それらと新しい建物との組み合わせに苦心しました。
ご相談を受けてから、複数案提案させていただきました。CGや模型を作って都度都度、ご意見を伺いながら進めさせていただきました。見積もりも複数社の相見積もりをお願いして時間をかけて着工まで漕ぎつけました。着工してからは粘り強く対応して頂いた工務店のご協力もあり、難易度の高いデザインを実現して頂きました。
敷地にはじめて伺った時のことを思い出します。
海に面した立地の良い土地でしたが、奥まった敷地形状だったため工夫が必要だと思いました。
難易度の高い条件の中、不安と期待の入り交じるスタートでしたが、逆に創作意欲を駆り立てられた事を良く覚えています。
日本庭園から離れを見ます。 和室のその先に、海が切り取られたピクチャーウインドウが。 敷地置くまで海への眺めを引き込みます。 写真:DAISUKE SHIMA
アプローチの門をくぐると、庇の張り出した「離れ」が迎え入れます。右手の引き戸は「離れ」の玄関扉。 写真:DAISUKE SHIMA
「離れ」の軒下より「母屋」への眺め。手前の土間は薄水水盤。灯籠は以前お住まいだった日本家屋から移設したもの。
海沿いの通りから「離れ」の外観を見ます。屋上には眺望テラスがあります。 写真:DAISUKE SHIMA
畳敷きの和室から海を臨む。 眺望カウンターを設え、食事もできる様に計画しています。 右側にあるのは、古い建具を組み合わせた大建具。 左には古民家より移設した古木をあつらえた床の間。 写真:DAISUKE SHIMA
「離れ」の1階の畳敷きの和室より「母屋」を臨む。縁側の先は、中庭として日本庭園を計画しました。庭園の土間は薄水水盤で、その向こうに枯山水として白河砂利を敷き込みました。 写真:DAISUKE SHIMA
「母屋」1階のダイニングより「離れ」を見る。キッチン越しに「母屋」からも海を望める様に計画しています。
「離れ」1階の厨房です。長期滞在可能な様に宿泊ゾーンにもキッチンを設けています。右手の組み合わせ建具で仕切る事もできます。写真:wald
「離れ」2階のバスルームです。丸いモダンな檜風呂が印象的です。防水障子を開けるとその先には海が見えます。 写真:DAISUKE SHIMA
「離れ」2階の寝室越しに「母屋」を見る。 また右手の違い棚をイメージした造り付け家具は、カウンターデスクを兼用しています。 写真:DAISUKE SHIMA