家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討に役立つ機能や情報が満載!
アカウントをお持ちの場合
(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)
メトロポリスの中心で、共働きの夫婦が育児と仕事を両立しつつ、超狭小敷地という困難な条件にもあきらめず、長年住み慣れた場所で生きていくという強い意志を秘めた極めてちいさいながらもエレガントで機能的な住宅です。
摩天楼の森にひっそりと佇む隠れ家のような、家族とともにゆったりリラックスできる、かけがえのないオアシスであって欲しいという願いが実現しました。
お客さまが代々受け継がれた都心の古い戸建て住宅を新たに建て替える計画でした。
効率的な設計で少しでも広く、隠れた多くの収納によりすっきりとした間取りとすること、
両側及び背面を隣家に囲まれている為、光が届きにくいのを解消し、明るくかつ風通しのいい空間であることを希望されました。
その他、具体的な要望としては、リビングから連続する広いベランダ、ドッグスペースを設けることが求められました。
建築地は摩天楼を望む都心の狭小敷地、建主は子育て奮闘中の共働き夫婦、建坪6坪、地上3階地下1階、屋上有りという都市型の超狭小住宅です。
地下室は容積率に算入されない恩恵がある反面、さらに地上3階とした場合は建築基準法により竪穴区画が必要となるため、階段室を設けて各階を防火戸で区切る必要があります。
建坪が6坪しかない上に内部に階段室を設けることは、上下階の空間が分断され、残された居室もさらに狭くなることから、超狭小住宅においては望ましくありません。
そこで今回は、小窓は外壁面積から算定される制限内に収め、大窓は外側に防火壁を設けることで、竪穴区画の設置を回避することができました。その結果、ワンルームで吹抜のあるスキップフロアとし、隣地境界ギリギリに設けた防火壁と建物の間もアウトドアリビングとして活用することで、上下の空間とともに、内外の空間も連続する、物理的には極小でありながら広がり感と降り注ぐ光に満たされた、“ 超気持ちいい ” 超狭小住宅が誕生しました。
構造は木造軸組3階建てですので、建てる工務店も選ばず、鉄骨造やRC造、木造ラーメン構造に比べてリーズナブルということで、都心の超狭小地において一戸建てを持つことへの、より身近で現実的な提案といえるでしょう。
まず、1〜2階のLDKが、朝からとても明るいと仰っていました。
建て替える前は周囲の建物に遮られて日当たりが悪かったのが、今は考えられないくらい明るくなって、満足されているとのことです。
吹抜の天井に設置したこだわりのシーリングファンが廻る様子は、見ていて癒やされるそうです。
お客さまが納得されるまで、プランニングをとことん練り上げました。
最終的に、全て要望が盛り込まれたプランが実現しました。
超狭小の敷地を言い訳にせずチャレンジした結果、機能的で美しく、研ぎ澄まされた建築が出来たと思います。
玄関から入ってすぐは薄暗いトンネルの様な空間なのですが、出口を抜けると一気に光あふれる空間になるというドラマティックな演出になったことは、自分でも驚きでした。
戸建て住宅でありながら、都心ならではの景観が見渡せる360°開かれた屋上は、想像以上に気持ちよかったことも印象に残っています。
『渡辺篤史の建もの探訪』(テレビ朝日)
『突撃!隣のスゴイ家』(BSテレビ東京)
『100%LiFE』(マガジンハウス)
吹抜のらせん階段から見たダイニング・キッチンの風景です。 超狭小住宅だからこそのコンパクトな空間は、壁で区切らずにスキップフロアであるがゆえに、親密さと心地よさを獲得しています。スキップフロアの段差をベンチや収納として活用すし、機能性も抜群です。
黄昏時の外観です。木製ルーバーから漏れる光が建物を美しく装います。
前面道路から見た外観です。外壁は左官コテ塗り仕上げとガルバリウム鋼板のコンビネーションとなっています。
2階のリビングとフルオープン窓で繋がるバルコニーです。バルコニーの木製ルーバーは羽根の角度を工夫することで、道路からの視界を遮りつつ空からの日射を取り込みます。
2階のリビングと1階のダイニング・キッチンはスキップフロアで繋がっています。 リビングのワークスペースからは、ダイニング・キッチンの様子を見渡すことが出来ます。 吹抜のハイサイドライトからは、スキップフロアの一番下にあるキッチンへと光が降り注ぎます。
ダイニング・キッチンには吹抜のハイサイドライトや、バルコニーと繋がるドッグラン(画像左側)から十分な自然光が降り注ぎます。 ダイニング・キッチンから、スキップフロアの上にあるワークスペース・リビングを見上げれば、バルコニーの先に都心の空が広がっています。
ダイニングにはスキップフロアの段差を利用したベンチが2段設けられています。 空間を立体的に利用することで、限られたスペースでもゆとりを持ってくつろげる場所が生まれます。
リビング〜ダイニングのスキップフロアを利用した2段のベンチは造り付けの収納も兼ねており、狭小住宅に不足しがちな収納場所を確保しています。
間取りにジャストフィットするようオリジナルで設計したキッチン家具は、ハンドルの無いフラットなデザインとして衣服の引っ掛かりを無くし、造作のダイニングテーブルにもカトラリーの収納を設ける等、狭小住宅ならではの細かい工夫を凝らしています。
トンネルの様な廊下の階段を抜けると、明るいダイニング・キッチンへたどり着きます。 ダイニング・キッチンとリビングは、スキップフロアでひとつながりとなった、開放的な空間です。
吹抜のハイサイドライトにより、都心の住宅密集地に建つ狭小住宅とは思えない程の明るさを確保しています。 吹抜には遊び心のあるちょっとした室内小窓を設け、家族のコミュニケーションを図る場所ともなっています。 アンティーク調のシーリングファンが吹抜を華やかに彩ります。
シンプルかつ優美なデザインの鉄骨らせん階段は、2階のリビングから3階のキッズスペースを経て屋上テラスへと繋がります。キッズスペースは可動間仕切りで二部屋に仕切ることもできますが、可動間仕切りを取り払って3階をワンルームにすることも可能です。
三階建て狭小住宅の屋上からは、都心ならではのダイナミックな景観が360°見渡せます。 屋上の開放感と景観を活用したアグティビティを豊かにする設えが、可動式のベンチです。ベンチの奥にはシックな夜の雰囲気を演出する屋外用間接照明を設置しています。
屋上の可動式ベンチを跳ね上げて鍵で固定しています。 床を広く使いたい場合や、大人の目が行き届かない時の安全対策として有効です。 ベンチ下には間接照明としても利用する屋外用フットライトが見えます。 屋上には水栓や電源コンセント等、アウトドアリビングを豊かにする設備を各種設置しています。
ウォークインクローゼットを兼ねた寝室は半地下となっており、容積率の緩和を受けられる地下室でありながら、自然採光や自然換気も確保しています。 狭小住宅の居住性と機能性、そして法的なメリットを追求した設計です。 造作の棚には間接照明を組み込み、狭小空間における機能性と演出効果を両立させています。
隣地との境界ギリギリに防火壁を設けることで、空から光を取り込み自然換気も出来る大きな窓を設置することを可能にしています。 防火壁は、外壁との隙間をドッグランとして活用し、また夜間は外部照明の光を窓から室内へと反射させることで間接照明としても機能します。 窓にはカーテン等を設置せず、目隠しとなる防火壁までをインテリア捉え、視覚的な広さを獲得しています。