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「空がきれいに見える場所」打ち合わせメモからの一文をイメージに。空中廊下越しの空もですが、月も美しく感動したそう。
(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)
板塀と植栽に守られた庭と、巨木の林立する公園。
二つの緑豊かな外部空間を視覚的につなぎ、インテリアに取り込むことを意図しました。
緑の風景が取り込まれたインテリアは、大きな吹き抜けを介して、家族の気配が分かるようになっています。
吹き抜けを横断する空中廊下は、LEDを内蔵した『面発光アクリル』に覆われており、子供たちのアクティビティを映し出すスクリーンとして、おおらかな空間全体を照らす間接照明としても機能します。
日中は豊かな自然光の下、公園の緑と空の青が透過する空中廊下は、夜は神秘的な輝きを放つ光の架け橋となります。
海外に在住されていたお客様でしたが、帰国の予定に合わせて、元々月極駐車場として所有されていた土地に新居を建てようというタイミングでした。
ご要望については、沢山の使い勝手に関する項目とは別に、“空がきれいに見える場所” という詩的な一文がありました。この一文が、この建物を機能的な住宅としてだけでは無く、芸術的な建築としても設計する原動力になったと思います。
フルオープンのテラス窓で大地と繋がり、そして吹抜のハイサイドライトで空と繋がる、開放的なLDK、そしてそのLDKをダイナミックに横断する空中廊下が最大の見所です。
この空中廊下は、個室に出入りする子供たちをLDKから見守るという機能的な役割がありますが、それだけでは無く、空中廊下自体が発光することで、LDKを神秘的に照らすという芸術的な機能も備わっています。
尚、開放的な空間だからこそ空調、特に冬場の暖房については不利になりがちなのですが、今回は、基礎の下全面に土壌蓄熱式輻射床暖房を設置することで、玄関や水周り、収納も含め、ヒートショックが無い設計となっています。土壌蓄熱式輻射床暖房は、深夜電力で稼働しますので、ランニングコストも抑えられます。
空がきれいに見えるように、と設置したLDKの吹抜ハイサイドライトですが、ふと気がついたときに見えた月、にも感動したというお言葉を頂きました。日中だけでは無く、夜にも効果を発揮していたというのは、嬉しい誤算でした。
ご依頼を頂いた時、お客様が海外に在住でしたので、主にE-mailでコミュニケーションを取りながら、基本設計までまとめました。詳細な設計は、帰国されてから実際にお会いし、しっかり打合せを重ねた上で、完了となりました。
『SUMAI no SEKKEI[住まいの設計]』(扶桑社)
他
北側の道路から見た外観です。玄関の庇は、一枚のステンレス板をオリガミのように折り曲げて製作しました。外壁は味わいのある左官コテ塗仕上げです。
リビング・ダイニングはフルオープンサッシでウッドデッキ、庭と繋がっています。室内の床仕上げは、ホワイトのコルクタイルです。
1階のリビングは、ピクチャーウィンドウから北側に面する公園の豊かな緑を、吹抜のハイサイドライトから遮るもののない空を、それぞれ借景としています。吹抜を2階の子供部屋へと通じる空中廊下が横切っています。
庭に面したウッドデッキとフラットに繋がるリビング、ダイニング、キッチンの風景
リビングとダイニングは、南側の広いウッドデッキを介して、緑の丘をイメージした庭と繋がっています。
吹抜を横切る空中廊下は全面が透明なアクリル板で覆われているので、空の明るさや外の風景、家族の気配も遮ることはありません。
日当たりの良い南側には、ウッドデッキと庭を配置しています。山から海へを流れ出る河の情景を、豆砂利と岩で表現しています。モダンな枯山水といってもよいでしょう。
ダイニングから見た、キッチンとリビングの風景です。 対面式キッチンのカウンターにはハイスツールタイプのセブンチェアをコーディネートしました。サービスや片付けが便利なので、ちょっとした軽食やティータイムが楽しくなります。
キッチンの調理台は設備ではなく、インテリアと完全に一体化する“家具”としてデザインし、製作しました。人工大理石で製作されたワークトップ(天板)とシンクは継ぎ目がなく滑らかに一体化していますので、メンテナンス性と美しさを兼ね備えています。
リビングから玄関ホール越しに客間を見ています。 玄関ホールの一角にタタミを敷いたコーナーを設けて、客間としても使えるようにしています。
玄関ホールの一角にタタミを敷いたコーナーを設けました。 普段は玄関ホールと一体の空間として広く使えますが、引き込み襖を閉じて囲うことで、コンパクトで落ち着いた客間が出現します。
客間からは地窓越しに坪庭を見ることが出来ます。
リビングから玄関ホールへと、布を挟み込んだガラスブロックを通して、障子越しのような柔らかい光が差し込みます。
玄関ホールの2階です。“空がきれいに見える場所”のために、造り付けのベンチを設置しています。
ネイルアートを施術するためのアトリエは、公園の緑と切り取られた青空が背景となっています。
アクリル板に覆われた空中廊下の先には二つの子供室があります。 空中廊下は、LED光源からの光を面全体で発光させる特殊なアクリル板で覆われています。昼間は光を通すアクリル板が、夜は光を放ちます。 (画像左)日中の風景 (画像右)夜の風景
面発光アクリルの壁から柔らかな光を放つ空中廊下『ひかりの架け橋』
面発光アクリルの壁から柔らかな光を放つ空中廊下は、リビングの間接照明としても利用できます。
リビングの夕景です。黄昏時には、外部の風景も取り込んだ光の空間となります。
南側の庭から見た夕景です。ウッドデッキに張り出した奥行きの深い庇は、ハイサイドライトを通してリビングの天井と連続しています。
北側の道路から見た夕景です。公園の緑を見るための窓と、空を見るための窓が、各所に配置されています。