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設計、監理、インテリアを担当
敷地は神奈川県相模原市の西端、3つの山の間を流れる川の谷沿いに広がる集落の中心付近に位置し、集落全体が西側の川へ向かう斜面の途中にあります。
施主夫婦は都心にもアクセスしやすい、自然が多くアートの街としても知られているこの地に移住することにし、築36年の中古住宅を購入してリノベーションを計画しました。
既存建物は緑に囲まれた場所に位置するも典型的な南向きの住宅で、南側に大きな窓が並び、居室はすべて南側に向いていました。建物の北側には畑として使っていた庭があり、西側には川の向こうにある山並みが望むことができ、また東側の土地も買い足したことで、四方の眺望や抜けを新たに創出することにしました。
主な生活スペースとなる土間を南北の対角に配置することで南側に偏っていた家の重心を変え、北側にエントランス、東西に視線が抜ける開口を設け、人の動きや視線が四方に広がり外部を近く感じられる空間としました。土間から緩やかに繋がるように階段やこあがりをつくり、素材や色に変化をつけることで様々な居場所をつくりました。
中古住宅の購入前の調査からご協力させていただきました。
自然に囲まれた環境、自然の中で遊んだり(キャンプ、サップ等)将来の子育て、大型犬を飼いたい、など考えて自然豊かな地に移住を決められました。また、友人など人が集まる場所、夫婦それぞれの在宅ワークスペースもご希望でした。
西側は隣接する道路と高低差があり、視線を気にせず桜や遠くの山の眺望が得られる環境だったため、構造補強をした上で新たに窓を新設しました。薪ストーブを使用しない時でも過ごしやすいように、土間床には床暖房が埋設されています。 写真:西川公朗
1階の各部屋は床の段差や垂れ壁で緩やかに区切られた一体空間。四方に抜ける開口部により視線が外へ広がり、いろいろな場所を居場所にできます。写真右側はもともと玄関があった場所で、そこを通路として回遊性をもたせ、階段下には犬スペースを確保しました。写真左の扉の向こうは水廻り空間。 写真:西川公朗
リビングからこあがり(もと和室)へ、壁の色を白、淡いグレー、濃いグレーと塗分けることで一続きの空間の中で変化が生まれます。同じ大きさの窓からの光も異なって感じられます。 写真:西川公朗
ギャラリーはリビング、ダイニング、こあがりの3つの空間を繋げる余白空間で、壁に絵などを掛け展示できるスペース。床にアールの段差をつけ、リビング、ダイニングに向かって腰掛けられるようにしています。南向きだった間取りを対角にリビング・ダイニングを置くことで領域の重心が変わり、四方に視線が抜けていきます。 写真:西川公朗
ダイニングキッチンからこあがり、ギャラリーを見る。右側のドアの向こうはパントリー。 写真:西川公朗
写真:西川公朗
北側の土間ダイニングキッチンにエントランスを新設し、畑とつながり人を迎える空間としました。下屋(2階が載っていない部分)の天井を上げてトップライトを設けることで、北側でも明るい空間になっています。 東側(キッチンカウンター正面)には対角にある土間リビングと同じサイズの窓を開け、斜め方向の抜けをつくるとともに、キッチンから来客が見えるようにしています。 写真:西川公朗
土間キッチンは玄関を兼ね、外の畑へも直接出られます。少し幅を大きい引戸にすることで、畑に開けたキッチンとなっています。 写真:西川公朗
写真:西川公朗
庭や畑、緑、眺望といった周辺環境や、和室の趣きや古い素材、屋根の形状といった既存建物がもつポテンシャルを丁寧に扱って内部空間を再構成していきます。 写真:西川公朗
既存の和室の仕上を一部残し、他とは雰囲気の違う落ち着いた空間に仕上げました。 床はサイザル麻に変更し、壁はダークグレーに塗装、天井や柱、長押、造作は既存のまま残しています。 写真:西川公朗
垂れ壁を残し、少し囲まれた空間でありながら、段差部分に腰掛けてダイニングの延長としても使うことができるスペースです。 写真:西川公朗
2階はあまり手を加えず、既存の3つの部屋を連続させたり障子やカーテンで仕切って寝室や書斎として使用します。 階段を南側中央へ移動することで、2階にいても1階の気配が感じられるようにしながら、2階南からの光を1階へ拡散します。 各室の壁、天井のカラーを変えてそれぞれの場所の個性を出し、風景に奥行きをつくっています。 写真:西川公朗
階段は南側中央に移動しました。階段を通して1階奥まで光が入り、上下階の気配を感じられます。2階の階段ホールは室内物干しスペースとしても想定しています。 写真:西川公朗
現しにした柱に空いているほぞ穴(壁の下地の跡)は隠さずにアクセントにしています。 写真:西川公朗
老朽化したバルコニーを撤去し、開口部は断熱性の高いサッシに交換しました。 土間リビングの外にはテラスを新設し、芝生の庭ではバーベキューなどを楽しめるようにしています。 もともと玄関のあった庇の下は、薪やバイクの置き場として使います。 写真:西川公朗
完全に裏となっていた北側に新たに玄関を設け、北側へも開く住宅としました。 北側の庭は以前の住人から畑として使われており、玄関やキッチンと繋げることで日常的に楽しめ、コミュニケーションの生まれる畑になります。 写真:西川公朗
東側から北面に新設した玄関へアプローチします。 アプローチを通る人が見えるようにキッチンの窓のサイズを変更し、シンボリックな窓としました。東側は、今後ガレージなどを整備する予定です。 写真:西川公朗