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設計、施工、監理、プロデュース・コーディネート、土地・物件探しを担当
リビングを横断する、直線的なラインが美しいクローゼット。
取っ手を付けずに扉の一部を切り欠いた手掛けで、ミニマルさを実現させました。
ダイニングテーブルを併設したキッチンは、重厚感がありながらも計算し尽くされたフォルムで軽やかな印象に。
無駄な要素を削ぎ落とし、シンプルの美的感覚を追求した3LDKプランです。
東京都町田市に建つ、見晴らしのいいマンションの一室。
ここに暮らすのは、アートディレクターのご主人と奥様、中学生の娘さんの3人家族です。
今まで暮らしていた同エリアの賃貸戸建から、将来的に夫婦2人暮らしになることを見据えて、メンテナンスの手間がかかりにくいマンションにシフトするべく物件探しを始めたT夫妻。
当初は新築を含め物件を見て回ったと言いますが、「元々自分の好きなデザインの家をつくりたいと思っていたので、既製の住宅の内装には中々満足できなくて。それならリノベーションでゼロから家をつくりたいと思い、リノベ会社を探しました」とご主人は語ります。
譲れない条件としてこだわったのは、“眺望の良さ”。
眺望や周辺環境など、リノベで改善できない部分に目を向けて物件探しを進めていったといいます。
家づくりのキーワードは、“line”。玄関からリビングの奥までを一直線に横断する、グリッド状の木で構成された壁はまさにT邸のアイデンティティで、間仕切りとしてだけでなく収納としての役割も担っています。
扉には取っ手を付けず、指のサイズに合わせた幅23mmの手掛けを切り欠いたデザインを採用。扉をストレスなく開けることができ、全体のデザインにも邪魔をしない絶妙なバランスで設計されています。
それから、最も予算を投下したというのがモールテックスの床。「コンクリートの無機質な感じが好きだということをデザイナーさんに伝えた際に、モールテックスという素材を提案してもらって。最初はグレーのタイルもいいなと思っていたんですが、冷たい印象になりすぎるのとタイルは目地が出てくるので。シームレスでミニマルな雰囲気を実現するためにもモールテックスを選びました」とご主人。
一体的に造作されたキッチンとダイニングテーブルの仕上げにもモールテックスを採用しており、「ダイニングにはルイスポールセンのペンダントとYチェアを置くことを前提に、デザイナーさんと話し合いながらデザインを決めていきました。食事をする時以外にも、ここで仕事をしたり本を読みながらくつろいだり。リビングにいる時間より長いかもしれません」と、嬉しそうに話してくださいました。
洗練されたミニマルなインテリアに囲まれて暮らすTさん一家。「ただ持ち物を減らすのではなく、必要なものだけを選び抜くことが大切ですね」と奥様は語ります。無駄を削ぎ落とし、シンプルの美的感覚を究極まで追求した空間に、厳選されたアイテムだけを並べる。ミニマルな空間だからこそ、そこにあるものの美しさが映えるのだということを感じました。これからもミニマルな暮らしが、T一家の日々をより豊かにしていくことでしょう。