二世帯住宅

ふたつの家族と中庭の家

実施エリア:

神奈川県横浜市港北区

延床面積:

145平米

内容:

共働きの夫婦と妻の両親が、協力して子育てを充実させるための2世帯同居住宅です。

細い袋小路の奥にある、周囲を隣家で囲まれた不整形な敷地に建つ建物は、1階はバリアフリーとして親世帯に、2階はスキップフロアの娘世帯として設計されました。
2階の床が南側に向かって段々畑のようにスキップしながら高くなっているのは、ギリギリに迫る隣家の屋根を“乗り越えて”南からの豊かな採光と通風を1階へ導くためです。またスキップする床と床のすきまに設けた小窓は、上下の世帯間のコミュニケーションを豊かにし、空調・換気のルートとしても活用しています。暖房設備は土壌蓄熱式輻射床暖房システムを採用し、ランニングコストを抑えると共に室内のヒートショックを解消しています。
建物最上部に設けたフリークライミングでしかたどり着けない超ミニ展望塔は、登山家の夢の隠れ家です。密集する隣家を超えて360°の景観を、そして富士山の姿を望めます。
建物の配置を工夫して、里山の小径のような前庭と、小さな雑木林のような中庭、お風呂に面した小さなフロ庭をつくることができました。密集住宅地でも外部空間を利用して気持ちの良いくらしができるよう心がけました。

アプローチから見た外観

前面道路から見た建物外観と、前庭の風景です。里山の小道をイメージしたアプローチの左右には、葉の小さいコグマザサをグラウンドカーペットとして、春・夏・秋それぞれに咲く山野草を点景として植えました。

リビングの本棚

天井の高いリビングルームは、ハイサイドライトからの光で常に明るく保たれています。壁の造り付け本棚は、圧迫感を和らげるために上部のボリュームを抑えています。

リビングの書斎コーナー

リビングの一角に書斎コーナーを設けています。
ハイサイドライトでいつも明るく、上部の小窓で2階のリビングとも繋がっています。

リビングから見たダイニング

リビングからダイニングを見ています。緩やかに繋がるリビングとダイニングは中庭に面しています。
天井の高いリビングは、上部の小窓で2階のリビングとも繋がっています。

リビングの吹抜

2階の小窓から見た1階のリビングです。
1階のリビングと2階のリビングは、小窓で繋がっています。
それぞれの世帯の気配がさりげなく伝わる設計となっています。
床の仕上げは持ち込み家具の色合いに調和する焦げ茶のコルクタイルとして、高齢者への安全性も配慮しています。

ダイニングから見たリビング

ダイニングから見たリビングです。
ダイニングとリビングは緩やかに繋がっています。
部屋を閉じることなく、さりげなく場所をつくる工夫です。

キッチンから見たダイニングと中庭

キッチンからはダイニング越しに、中庭の風景が楽しめます。作業スペースに余裕を持たせたコの字形のセミオープンキッチンは、親子での作業もスムーズです。また手元が隠れるカウンターを設置して、ダイニングからの視線の配慮と、使い勝手を両立しています。

中庭の風景

親世帯と子世帯は、中庭を介して繋がっています。

子世帯のリビングダイニング

2階の子世帯は、コンパクトな対面式のオープンキッチン&ダイニングとなっています。

子世帯のロフト

子世帯のダイニングキッチン上には、ロフトを設けて子供部屋としています。
部屋を閉じることなく緩やかに繋げることで、適度なプライバシーと家族の一体感を両立しています。

子世帯のダイニングキッチン

子世帯のダイニングキッチンは、スキップフロアを利用したコンパクトな対面オープンカウンター式となっています。

子世帯のリビングから見たダイニングキッチンとバルコニー

子世帯のリビングからは、ダイニングキッチンと中庭に面するバルコニーの風景を見ることが出来ます。

子世帯のリビングから見た寝室

子世帯のリビングは、ダイニングキッチン、寝室と連続した空間となっていますが、スキップフロアによる段差や可動間仕切り(障子)によって適度に区切られ、また緩やかに繋がっています。
リビングの書院コーナーやダイニング横の障子小窓は、1階のリビングと繋がっています。
二世帯の気配がさりげなく伝わり、必要なときにコミュニケーションをとることが出来ます。

展望塔へと続くクライミングウォール

子世帯の寝室には、展望塔に続くクライミングウォールがあります。
クライミングのためのハンドルは、既製品ではなく木で製作しました。モダンなデザインのクライミングハンドルは、飾り棚としても使えます。

子世帯の展望塔

子世帯の寝室からフリークライミングでたどり着く展望塔からは、隣家の屋根を越えて、360°の展望が楽しめます。
展望塔の窓はオペレーターで開閉できますので、通常は換気塔として使用しています。

子世帯のアトリエ1

子世帯のアトリエです。
専用のエントランスを設けているので、独立して使用することも出来ます。

子世帯のアトリエ2

アトリエは、ベニヤ板を壁仕上げに使用して、工房らしいインテリアデザインとしています。屋根の形に合わせた勾配天井と、北向きに設けたトップライトが、常に部屋を明るく保っています。

子世帯のトイレ

子世帯専用のトイレは、アトリエの来客用も兼ねており、余裕のある広さとなっています。高天井のハイサイドライトとガラス欄間によって、常に爽やかな明るさに保たれています。

風呂庭に面した共用の浴室

2世帯で唯一共用となっているのが浴室です。
浴室暖房乾燥機はもちろん、洗い場にベンチや手すりを設けたり、『冷たくない床タイル』を使用するなど、バリアフリーを意識した設計となっています。
ピクチャーウィンドウから、風呂庭の景色を楽しむことも出来ます。