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設計、インテリアを担当
名古屋市内のローカル駅近くに建つ住宅の建て替えです。周辺は低層の商業ビルや戸建住宅が入り混じるエリアで、1日中人の往来があることに加え、深夜まで営業する店舗も近接しており、時に騒がしいエリアです。一方で、駅へ人々が往来する光景は施主一家にとっては馴染みのある風景でした。
生まれ育った実家でお父様と二世帯で暮らすための建て替えというご要望で、「予算はない、土地も狭い、環境も良くない」ということを不安に思っておいででした。話し合いの中で、3点とも設計の力でコントロールできるとお伝えしての設計スタートでした。
敷地は小さく、境界からの十分なセットバックすら難しかったため、敷地形状に合わせて2階の床を計画し、床の2/3程度を居室空間、残りの1/3程度を屋外階段を備えた外部テラスとしています。住宅内部へは、周囲のビルや駅プラットホームのように屋外階段を使い、2階からアクセスします。立体的な動線を描きながら、道の延長のように2階へ導く屋外階段と中空の小さな広場のような2階テラスを通り、やがて住宅エントランスへたどり着くしかけです。住宅エントランスへ至るまでの動線を長く縦へ延ばすことにより、周辺の喧騒から適度な距離を保ち、2階のテラスを介することにより街との間に「ちょっとした余白」を設けています。
こんなに開放的な空間を街中で獲得できるとは夢にも思っていなかった、と嬉しいお言葉をいただきました。2階のテラスには屋外シンクを設けていますが、お父様の趣味である釣った魚をそのまま捌いてご近所に配ったり、アウトリビングのように使われていたりと様々な使い方を楽しんでみえます。
だいたい2〜4週間に一度の打合せを行いました。図面ではなかなか想像できない部分については、模型、CGを駆使して空間イメージを共有していきました。什器などについてはショールームへ直接見学に行くなどして選定していきました。
完成した時のご家族の嬉しそうな顔は忘れることはありません。建て替えだったため近隣の方も楽しみに待ってくれていたようですが、途中までカフェ付きの住宅ができると思い込んでいたようで、そんな噂が出ていることに少しびっくりしました。
極めて狭小な住宅ではありますが、LDKを屋外テラスと連続したワンルームとすることで狭さを感じない、かつ開放的な明るいLDKを獲得しています。
極めて狭小な住宅ではありますが、LDKを屋外テラスと連続したワンルームとすることで狭さを感じない、かつ開放的な明るいLDKを獲得しています。ただし、敷地周辺からの視線を配置計画などによりコントロールしているため、駅前という騒がしい環境においてプライバシーを最大限確保しています。
小回りのきく使いやすいII型のキッチンです。リビングダイニングに面しているので家族との会話をしながらお料理タイムを過ごすことができます。極めてシンプルな素材で構成しており、全てオープンな収納とし、お気に入りの食器などをディスプレイする感覚で並べるとともに、使う時にすぐ取り出せる使い勝手の良さを備えています。
平面構成が縦長の浴室です。一般的には正方形形状の多い浴室ですが、むしろ長方形の形状に計画した方が広々と設えることができる場合もあります。この住宅では限られた面積から長方形の浴室という設計をしています。浴室内はカビの生えない白FRP防水表しの壁材などに加え天井の高い空間となっており、落ち着く空間になっています。
4.5帖のミニマム和室ですが、屋外への出入り口に格子戸を設けて直接アルミサッシを見せないなど光と影が美しく演出する和モダンな空間となるよう設えています。
秘密基地のような場所として設えたリビングダイニング上部のロフト空間です。トップライトから明るい光が注ぐ6帖の広々とした空間です。
リビングダイニングと地続きになったテラスです。開放性に加えて床を汚れのつきにくいFRP防水の白としており、この床に反射した光が室内を照らします。テラスには屋根付きの屋外階段があり、それが内外に対して視線のアイストップとなり、プライバシーを確保しています。また、屋外シンクを設けることでアウトドアリビングとしての使い方も提案しています。
南向きに大きく開かれた2階のテラスが特徴的な外観の住宅です。狭小住宅ながら、広いリビングダイニングに加えて、ガレージも庭として使えるテラスも屋外物置も全てを実現しました。