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建物は諸室の間にコートを配したコートハウス型の低層下屋の中央に2階建ての箱が挿入されたような形態となっている。
縦方向に立体的に移動する猫と平面的に動く犬の特徴的な習性をペット達を愛する建主が観察して楽しむ家にしたいと考え、共用部分や執務室など一日の多くを過ごす場所でそれが叶うようにした。イメージしたのは犬が走り回れるような広いスペースに木箱が何段も高く積み上げられそこを猫たちが上り下りするといったもの。1階がL・D・Kで2階が在宅ワークが行え来客時はゲストルームになる多目的スペース、これをつなぐ吹抜は、このイメージを元に考えられ壁面には多くの箱が設けられキャットウォークとなっている。階段を上ることで人から猫の目線に近づくこともできる。
元々立川のマンションで暮らしていた夫婦だが、ペットたちと伸び伸び暮らせる ここあきる野市に移住を決意した。ペットと遊べるレジャー施設やドッグランまで車を使えばそうかからず、近くには川が流れ散歩の途中にも山々を間近に感じることが出来る環境である。一方、駅周辺は買い物にも便利で、整備された並木道も美しい。敷地は駅付近から連なる住宅地の端に位置し街と自然の両方の恩恵を得ることが出来る。
中央の共用スペースを介して父室と娘夫婦のエリアが接続している。外から玄関へは門扉のあるコートを経てアプローチするようになっており、これはペットの飛び出し対策となっている。またここには犬の足洗い場があり毎日の散歩の後のケアを雨風にさらされることなく行えるようにした。バックヤードは玄関を介さず直接コートから出入りでき、キッチンにも浴室にも父室にも接続しているため導線上、重要な役割を果たしている。