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近くに公園もある落ち着く空気感の住宅地。
実家の建て替えによる二世帯住宅。
家庭菜園や季節によっては山菜採りをするため、外部スペースの計画も盛り込んだプランニング。
二世帯特有のゾーン分けや共用とする部分の整理など、心理的なことにも配慮しながらヒアリングを重ね、1階は親世帯(一部子世帯)、2階は子世帯の二世帯住宅(三世代住宅)です。
「実家の建て替えを考えており、家族の意見を形にするにはハウスメーカーではなく設計事務所なのかなと、自分達に合った設計士を探している」とのご相談から、打ち合わせを重ねてきた木の家づくり。
主なご要望は、
・家事動線に配慮 ・隣地環境が厳しく、採光を確保 ・駐車スペースと玄関アプローチのしやすさ ・庭の利用(家庭菜園) ・薪或いはペレットストーブ ・物干しスペース ・収納力 など。
各世帯(上下階)でどのような空間構成とするべきか。
似たような空間なのか、違うタイプの空間なのか。
同じつくりだと使い勝手も慣れたもの。
メンテ更新という観点からの将来性、つくり方によって建築費にも大きな影響を生じます。
本住宅は、上下階でほぼほぼ同じプランニング。
上下階を変えることによる空間の魅力UPという期待がある一方で、例えば、1階寝室の上階をリビングにした場合の音問題や、1階の大きな空間の上部に個室を複数配置することへの構造上のデメリット、上下階を変える、或いは、変えずに同タイプとすることの合理性の有無を考えた上で、全体の構成は、ほぼほぼ同じ間取りの上下階となりました。
打合せの中で説明を重ねてきたプランの特徴が実際の空間となり、
「生活しながら新田さんの顔が浮かんでくることがあります」と。
空間の使い方、収納の使い方、動線の意味、インテリアレイアウトなど、
意見交換をしてきたこと、その説明を受けたことが実際の暮らしになっているとわかった時、新田さんの顔が浮かびました、と。
とても嬉しいお言葉。
ご相談をお受けし、敷地関係の調査~プランニング〜複数回のプラン検討~詳細設計~住設ショールームの立会~ペレットストーブショールームの立会~見積説明と金額の調整など、
月に1~2回程度のペースで、トータル20回程の打合せを積み重ねました。
キッチンなどの水回りの設備もご納得いくまで、複数回ショールーム同行して決めていきました。
具体的にこうしたい、あぁしたいと考えがまとまっている方もいれば、
イメージがぼんやりとモヤモヤっとしている方もいらっしゃる。
初期のスケッチ段階では、たたき台プランをご提示しながら方向性を見つけること、自分達が望んでいる空間を一緒に探していく進め方としました。
複数のご要望を整理し、可能性をご提案しつつ、優先度の確認、
ほしいもの、あとでいいもの、ライフスタイルのイメージ、
生活時間の整理・把握、家族間の心理的な配慮、
インテリアのイメージ、温熱環境のシミュレーション、
近隣環境の読み取り(視線・見下ろし)、日照・日陰、
道路からの玄関までのアプローチがもたらす物理的・心理的な配慮、
生活の動きや時間をイメージしながら暮らしの風景を共有して進めることができたこと、とても印象深く有難い気持ちです。
敷地は北と西の二方向に接道し、東と南は2階建住宅、南東角は3階建住宅に囲まれ、午前中の日陰、日照を得られるかが懸念でした。
隣家を見渡すと、引き違い窓が多く、見る見られることへの配慮も、住空間にはとても大事。目隠し用の板塀やシェードの提案をしつつ、全体コストとの調整をとりながら最善に寄り添ってきました。
南側は隣家の影の影響があり、隣棟間隔を確保すること、日照を得やすい窓配置の検討と軒の出の調整、将来、「南側隣家が3階建に建替」なんてことになったとしても、吹抜からの採光を確保できるような計画。
その他、プランニングの際、自分がどこに居て、そこから見える内外環境、レイアウトでできる配慮など、そのイメージの共有を大切に進めてきました。
二世帯住宅の特徴に、
玄関別々のタイプもあれば、共用タイプもあり、
リビングは共用、それとも別々、水回りはどう?等々、
家族構成、敷地条件、ご予算等によって、出来ること出来ないこと様々です。
そこで本住宅は、玄関のみ共用のタイプとなりました。
1階が親世帯(一部子世帯)、2階が子世帯。
どちらの親と同居なのかによっても、プランニングって変わってきます。
細かな(心理的な)ことにもアンテナ張りながら、ヒアリングとプランニング。
一般的な冷暖房設備といえば、代表格のエアコン。
夏の冷房にはエアコンに頼るものの、
冬の暖房にはエアコンの気流が体に合わない、とのご相談。
暖房熱源を各世帯に設ける方法も可能性のひとつですが、
その分の設備コストUPとランニングコストを考慮した時、
暖房は共用部分に熱源を置き、その熱を分かち合う二世帯があってもいい。
共用の玄関土間にペレットストーブを設置し、シーリングファンとストーブのファンによる対流。環境に優しいペレットストーブによる暖の共用。
上下階の暮らし方でコントロールです。
各世帯に分けることも、ゆるくつながることも、その時その時で可変できる暮らし方、優しくつながる二世帯住宅。
二世帯住宅の課題のひとつに生活時間帯の違いがあります。
早寝早起き?夜は遅くまで起きてる家庭?
親世帯、子世帯でどんな違いがある?
子供のイベント(ex.受験期)、仕事の出勤・帰宅時間など、生活のリズムを大事にしたプランニング。
二世帯住宅のタイプにもよりますが、各部分が二つずつあるため床面積的にコンパクトにしにくく、全体のボリュームが大きくなりがち。それは予算に大きく影響を受けるところ。
そこで本住宅では、各個室は小さめの空間ではあるものの、別に収納スペースを確保していることによってコンパクトでも充実しており、みんなで使うリビングダイニングは、ゆとりを得やすい空間となるようデザインしました。
作業と収納を回遊動線上にまとめることでスッキリとした暮らしが可能。
「キッチン ⇄ 洗面・浴室 ⇄ パントリー ⇄ 納戸 or サンルーム ⇄ キッチンへ」。ぐるぐる回遊しながら作業が済んでいくようなイメージ。
まとまった収納スペースの確保、ちょっとしたへっこみがあることで物が置きやすくなる工夫。
それらを実際に使ってみて、「あっ!このことだ」と気がついてもらえるクライアントとの打合せ。大事にしていきたい暮らしのカタチ。
バリアフリーに配慮し寝室と水回り、特にトイレを近接していることや、夜間の暗がりの中、トイレに行くまでの転倒防止に配慮するため、就寝時、部屋が暗くなるとほんわり点灯する照明を付けていることも細かな工夫。
(誰にも分からないことですが、)将来の車椅子に対応できるよう、トイレの開口幅を広く取り、トイレ内も介助しやすい広さに計画。
二世帯に特有のメーター類+その他。
電気、水道、ガス。ひとつずつでいいのか、子メーターをつけたりするのか。細かいことかもしれないですが、水道光熱費を各世帯でどのように考えておこう、とか、インターフォンや表札、郵便ポストの考え方も含めて、打合せの段階でヒアリング。
将来を考えた計画としながらも固執しすぎず、
その時にならないとはっきりしないことも暮らしと受け止め、
だからこそバランス、そこに私の役割があるものと。
良きパートナーでありたいと。
個性を共有すべきな家づくり。
ひとつひとつの風景が大切な暮らし。
南側の外観見上げ。玄関ポーチ廻りを木の板張りとし、外壁の色合わせもしながら優しい雰囲気となるようにコーディネートしました。さらに、そこに郵便ポストを埋め込み、写真にはないですが、ポストの上にインターフォンと表札が付きます。郵便物を箱から取り出す位置と玄関庇の位置を調整し、雨がかからないように配慮しております。
南側外観の見上げ。計画通りの陽当たり。日照シミュレーションにて近隣の影の影響を考慮しながら配置や建物のボリュームを計画しました。
木を現しにした勾配天井のあるリビングダイニング。大きな開口からの採光確保と、木と和紙のナチュラルな素材を使った空間です。写真正面の建具の開閉により、吹き抜けを通して上下階をゆるくつなぎ、下階に設置のペレットストーブの暖を共用できる空間構成。
木を現しにした勾配天井のあるリビングダイニング。写真は、12月24日のお昼頃の陽射しの様子。写真中央の腰窓は吹き抜けに面しており、その吹き抜け下部に設置のペレットストーブの熱を取り込む工夫。写真右側の建具を開けておくことで、さらに暖房効果を上げられる。 吹き抜けの南窓も大きな開口部としており、仮に南側隣家に3階建て住宅が建つようなことがあっても採光を得られるように考慮しております。
木を現しにした勾配天井のあるリビングダイニング。正面に見える向こう側が奥様と何度も打ち合わせた対面キッチン。計画当初は独立したキッチンも候補でしたが、リビングダイニングとの関係性も取りたいこと、キッチカウンター廻りをオープンにしすぎない高さとし、実際に高さ関係を確認しながら進めた腰窓のようなタイプ。写真中央には、お勧めさせていただいた丸テーブルを置く予定。ブラケット照明や天井を照らす照明など、時間帯に応じて空間演出を楽しめる工夫。
ペレットストーブのある共用玄関から見上げた吹き抜け。優しい明るさを感じ、ついつい見上げてしまう場所。親世帯と子世帯を優しく、ゆるくつなぐ場所。 左寄りに見えるのが腰窓タイプの障子。その障子から窓を開閉できるようにしており、通風もしやすい工夫。夏であれば、開けて出かけても雨の心配も防犯上も問題なし。 室内空気をかき混ぜるシーリングファンの操作によって、暖気のコントロール。冬の暖房コントロールが、上下階の家族の会話のひとつとして、そんな暮らしが浮かびます。
木を現しの勾配天井のある寝室。狭くて良いからと、強くご要望のあった奥様のお部屋。写真右下に少し見えるのが小上がりの床部分(就寝スペース)。その下部は引出タイプの収納がたっぷり。季節で使い分ける毛布など、嵩張るものを圧縮袋に入れるなどして収納力へのこだわりにお応えしました。建具は基本引き戸タイプのため、開けておけば光と風。写真右の縦長スリットの小窓は、階段・吹き抜けに面し、閉じていたとしてもほんのり明るさを感じられる工夫。
木を現しの勾配天井のある子供部屋。たくさんの本を収納できるようにしてほしいとのご要望。写真右側の本棚は、下部が大型本、腰から上が参考書や問題集、マンガや小説などを置けるようにしつつ、奥行きを利用して前後にも置けるように工夫。写真左側の本棚は、カウンター収納と吊り棚としたタイプ。そのカウンターにはプリンターやノートパソコンが置けるように。 「子供が独立したら自分の書斎にしたい」とクライアント。
1階親世帯のキッチン。上下階でメーカーを変えるほど、各ショールームを複数回に渡ってチョイス。身長による高さの違いも気にしながら。写真左のキッチンは既製品とし、右側に少し見える背面収納は木で造作。ご予算も意識しつつ、オープンな棚の構成としゴミ箱を入れられるように、また、既製品の棚を入れ込めるように、寸法調整にはクライアントと現場の調整をしっかり注意して進めました。 この写真から逆向きに振り返ると勝手口へと続き、日々のゴミ出しや家庭菜園の手入れなどがしやすい外部フリースペースへ。さらに納戸やパントリー、洗面へ回遊できる家事動線。
2階子世帯のキッチン。1階同様、キッチンは既製品とし背面収納は木で造作。ご予算も意識しつつ、オープンな棚の構成としゴミ箱を入れられるように、また、既製品の棚を入れ込めるように、寸法調整に注意して進めたことも1階同様。こだわりの収納力には、とてもご満足いただけております。 写真の左側に進むと洗面室があり、隣接してパントリー、さらに隣接して写真正面のサンルーム、そしてキッチンへと戻っと来られる回遊動線。水回り+収納がコンパクトにまとめられているので家事向上です。 花粉症対策のため室内干しを基本とした生活スタイル、陽射したっぷりのサンルームにも大変ご満足されておりました。
「打合せの時のことを思い出します」と実際の暮らしを通して満足いただいている空間の流れ、QOLにもつながる空間構成。歩く動線上に各作業が連動していると生活しやすい。キッチン家事をしながら洗濯機の様子を感じ、ストック収納が近く、洗い終わった洗濯物を干し、キッチンに戻って来られる関係性。ぐるぐる回遊しながら作業が済んでいくようなイメージ。まとまった収納スペースの確保、ちょっとしたへっこみがあることで物が置きやすくなる工夫。それらを実際に使ってみて、「あっ!このことだ」と気がついてもらえるクライアントとの打合せ。大事にしていきたい間取りの工夫。