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ご夫婦と、ご主人のお母様の3人のための家。奥様がステンドグラス教室として使う部屋、音楽好きのご主人が将来ジャズバーを開くためのスペース、お年を召したお母様のための住宅用エレベーターと、限られた敷地の中で必要な部屋を確保するために3階建てとしました。
又アウトドアも楽しめるように、屋上に緑化スペースを設けました。
一人住まいだったお母様の将来も考えて、3階建ての住宅にして、息子さんご夫婦が同居するために、実家を立て直すことを考えていました。少し足の悪いお母様のためにエレベーターがほしいこと、自分たちの趣味の部屋を充実させたい、車を一台止めたい、奥様が制作したステンドグラスに合わせて、様々な大きさの窓を設けたい、などいろいろな要望がありました。
敷地は防火地域に入っていて、耐火建築が要求されていました。コストとの兼ね合いも考えて、車庫と将来ジャズバーになる倉庫のある1階をRC造、2階以上を木造耐火で設計しました。木造耐火は構造体となる柱梁を石膏ボードで被覆するのですが、木造らしさをなるべく表現するように、構造体でない柱、壁をなるべく見せるようなインテリアとしています。
庭を取る敷地的余裕がないため、屋上を緑化して、アウトドアライフを楽しめるようにしました。
家の中に、いろいろなスペースがあって、それぞれが違った雰囲気を持っているので、その違いを楽しんでいるということでした。
食堂には、ペレットストーブを設置して、冬の暖房時には炎を見ながら部屋の暖かさを楽しまれています。断熱性能が高いので、このペレットストーブ1台で、天井扇を回せば家中が暖かくなるそうです。
25年ほど前に設計したクライアントからの紹介で、ご家族がとてもフランクな雰囲気なので、お互いの意見を率直に出し合って、とてもスムーズに設計を進めることが出来ました。
4か月ほどの基本設計の中で、打ち合わせを重ねて、ご要望に合わせてプランを練って行きました。実施設計は、木造耐火でRCと木造の混構造ということもあり、技術的な問題点を詳細にわたって詰めながら、普段より時間をかけて進めるようにしました。
設計中は、20坪ほどの敷地の中で、趣味の多いご家族のための部屋のレイアウトに苦労しましたが、結果的にうまく収めることが出来たと思っています。竣工してから何度かお尋ねしていますが、それぞれの空間の違いを楽しんでいただいているようです。
オリジナルで作ったキッチンも気に入ってもらっているようで、料理のお得意な奥様の手料理をいただいて、設計者冥利に尽きる思いです。
この家の階段は各階ごとに構造、仕上げが異なっています。
1階から2階へは土足で登ることもあり、RC(鉄筋コンクリート)の階段です。
2階から3階へは木造で、耐火仕様の階段、そして3階から屋上へはなるべく部屋の広がり感を出すために鉄骨の軽快な、スケルトン階段としています。
屋上は決して広くはありませんが、全面にデッキを敷き詰めて、木製の塀を回すことで、風を遮り、囲われた感じにしています。その真ん中に小さな庭を設けて、人口土壌と7種類ほどの草花を植えこみました。
引っ越してすぐに、ここからの夕焼けの眺めを写真に撮って送っていただいたことが印象に残っています。
防火地域内にあり、耐火建築にする必要があったため、1階はコンクリート造、2階以上を木造耐火仕様として、外壁には耐候性の高い、ガルバリューム鋼板スパンドレルを使用しています。
車庫の横にある玄関の扉は、米松材で作り、奥様手作りのステンドグラスをはめ込んでいます。 車庫の奥に、エレベーター、さらに奥に現在は倉庫で、将来ジャズバーを開業するためのスペースがあります。
3階にあるリビング・ダイニングルームは広さが限られている分、天井を吹き抜けにした高く取り、開放感が出るように考えました。屋上への階段も鉄骨の軽快なスケルトン階段として広がり感を感じるようにしています。 対面式のキッチンは、シナ合板で制作して、ほかの建具家具と素材を揃えています。床にはアッシュ無垢フローリングにオイル塗装、壁はドイツ製の漆喰、天井に杉板を張り、なるべく自然素材で温かみの感じられるインテイリアとしています。
ダイニングルームは天井が高く、天井扇を設けました。高いところにある窓は、電動で開閉が出来るので、暑い季節には暑い空気が上に抜けて、風通しが良くなるように考えられています。 階段を上ると屋上へ行くようになっています。
ダイニング・リビングと向かい合う対面式のキッチンは、カウンターを人造大理石、扉を食器棚と共にシナ合板で、特注で家具屋さんに作ってもらいました。
ダイニングの角にペレットストーブを設置しました。天井に取り付けたシーリングファンとの併用で、これだけで家中が暖かくなる性能があります。 廃木材から作られた、2cmほどのチップ上のペレットをスコップで上から入れるだけで、後は自動でタイマーで自動着火もでき、取り扱いは簡単です。 後ろから外部に飛び出した2重管で排気、給気を行うので換気の必要もなく安全に使用することが出来ます。
2階にある玄関には、奥行きを生かして前後2列にたっぷりとした量の靴を収納できる靴箱と、コート収納を設けました。 階段とは別ルートで、エレベーターで上がってきた場合も、ここの玄関に出ることが出来ます。
スペースをなるべく有効に使うために、廊下と寝室との間仕切壁の厚みを利用して、本棚としました。天井いっぱいの高さに、かなり多くの本が収納できます。
ステンドグラスとガラス細工を趣味として、又近い将来お弟子さんを取ってステンドグラス教室を始める為の工房です。 作業用の大きなテーブルと、作品、材料を収納するためのカウンターを2方向に回しています。 窓は、ステンドグラスの大きさに合わせて、全て寸法を調整しています。
敷地の関係で庭を取る余裕がなかったので、屋上を利用するようにしました。 全面にサーモウッドという耐久性の高い木材を使ったデッキを敷き詰め、真ん中に人工土壌を入れて、7種類ほどの草花を混植しました。 周りに木の塀を回すことで、風をやわらげ、安心して使える庭としました。 3階の上の屋上なので、眺望も抜群です。