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「適度な距離感で助け合ってゆく」二世帯住宅。共用の玄関や水まわりには、2つの動線で世帯の生活時間に配慮しました。
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設計、監理、インテリア、エクステリア(庭・外構)を担当
親世帯が長年営んでおられた店舗付き住宅を建て替え、孫のできた子世帯夫婦と暮らす二世帯住宅へ。敷地は雑多な用途の建物が混在する準工業地域にあり、敷地は北側と南西側の2面が道路に接する変形敷地です。
ご両親が長年営んでいた青果店の閉店後、リフォームを経て、次男夫婦との二世帯住宅に建て替えることに。
「帰ってきたくなる、家族との楽しい思い出が生まれる空間、二世帯のほどよい距離感と交流」が家づくりのテーマ。
スペースと工事費を抑え、玄関と水廻り(お風呂)を共有した二世帯住宅として計画。
北側に駐車・駐輪スペース(車3台・バイク・自転車3台)とアプローチ・ポーチを設け、建物は変形の敷地形状に沿わせて「への字」型に配置することで、南西側に大きな庭を確保。
玄関や水廻りには2ウェイの動線を設けるなど、お互いの生活時間に配慮し、ほどよい距離感を保って生活しやすいように、建築的な仕掛けを組み入れています。
旧宅から庭に育つミカンの木は、住まいの各所から目に入り、世代を繋いで育っていくこの二世帯住宅のシンボルにもなっています。
<OZONEの取材記事から抜粋>
1階が親世帯、2階が子世帯で、ともに空間が緩やかに折れ曲がって連続する開放的な構成です。「間仕切りがないので動きやすく、子どもに目が届くため安心して家事がこなせます」と奥さま。
H邸ではキッチンは二世帯別々で、1階にある玄関や浴室は共用。共用といっても玄関も浴室も2ウェイの動線があり、どちらの世帯も使いやすい設計になっています。「要望は、お互いに干渉しすぎないで暮らせること。適度な距離感を持ちながら交流し、助け合っていけたらと思います」(ご主人)。
2方向の建物に囲まれた庭は、中庭のように落ち着ける雰囲気。玄関近くのガラスドアから出入りしやすく、子どもたちの安全な遊び場所であり、二世帯のコミュニケーションの場にもなっています。庭の南側に見えるのはミカンの木。「苗木から育てて20年近く。今、家族みんなで収穫を楽しんでいます」とお母さま。
敷地形状を生かし、庭を大きく確保した「へ」の字型のコンペのプランを気に入っていただき、一緒に家づくりをしていくことに。
旧宅の庭にあったミカンの木を残すことをご提案しましたが、その木に育ったミカンを一緒に収穫したこと。
半年点検に伺った時、建て主の方が庭に植えられた青々とした芝生の上で、二人の子供さんがシャボン玉を作って遊ばれていたこと。
道路側からは、室内のプライバシーは守られています。 北側の道路側はアプローチと駐車スペース。屋根のかかるポーチにはバイクと自転車をおきます。
庭側は風を通し視線を遮る木格子の塀で囲まれていて、プライバシーが守られています。
中庭は木格子の板塀で囲まれていて、安心して子供さんや愛犬を遊ばせることができます。1階には縁側のようなテラスが、2階には屋根のかかるデッキテラスがあります。
玄関は二世帯が緩やかに分かれ、それぞれの世帯へ上がれるようになっています。中庭に出ることができるガラス戸から、ミカンの木が見えます。
共有の玄関はそれぞれの世帯で分かれていて、水回りにはそれぞれの世帯から行けるように動線が工夫されている。
親世帯のLDKは庭につながるテラスに面しています。奥には引き戸を引き出して閉じることができ、客間として使える和室があります。
壁の中から建具を引き出せば、客間として独立させることができる和室。
天井までの大きな開口で、面積以上に開放感のあるLDK。外には段差無く出ることができる縁側状のテラスがあり、庭に降りることもできます。
ロシアンバーチの優しい色合いの木の天井が、柱のないLDKの一体感を強める。奥にはデッキテラスが見える。
三角形の開口が空を切り取る。壁は、道路側からの視線を防ぐとともに、強い西日を防いでくれる。
柱のない「への字」に折れ曲がった、広々した空間。
キッチンの背面収納は造作。デッキ側にはパントリーと洗濯機置き場がある
キッチンからは子供室のスペースまで見通せる
将来の子供室にはロフトを設けることができ、電動で開閉できるトップライトも設置している。
「への字」のプランは、1、2階の視線が斜め通り、お互いの気配を感じることができる。
2階デッキテラスの三角形の開口から光が漏れて、個性的な外観になっている。左側が玄関ポーチ。