戸建てリノベーション

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小茂根の家

手掛けた建築家

設計、監理を担当

小茂根の家 (図書室のような食堂)

図書室のような食堂

居間より食堂を見る 食堂の床を1段下げてタイル貼りとして、空間のバリエーションをつくっています。 床の間だった下屋部分に造作工事で本棚を設けたので図書室のような食堂になりました。

小茂根の家 (居間と食堂)

居間と食堂

南側の開口部は、開口面積を抑えて床から建具を上げて、アルミサッシの枠が見えない隠し框の納まりとして、その内側に戸袋に納まる木製建具を取り付けています。

小茂根の家 (陰影のある居間)

陰影のある居間

窓は掃き出し窓とはせず、空間にたまりが生まれるように床から少し上げています。程よく壁に囲まれたニッチな居間になっています。

小茂根の家 (食堂からキッチンを見る)

食堂からキッチンを見る

キッチンと食堂を隔てる壁を大きく開口したことで、キッチンと一体的に使える食堂になりました。 また空間に合わせて別途家具工事でナラ無垢材のダイニングテーブルもデザインして設置しました。

小茂根の家 (食堂より居間を見る)

食堂より居間を見る

居間と食堂の間は壁で分けながら、開口を大きく取って居間と食堂のつながりをもたせています。 食堂側に見付の大きな木枠をまわして大きな引き戸が引き込めるため、適度に分けて使うこともできます。

小茂根の家 (居間より中間を見る)

居間より中間を見る

中間は家の中心にあって、つなぎの間としての役割をしています。天井高を2100㎜と抑えて、小さな空間から各室が広がるように意図しています。上部の下り天井には壁掛エアコンを設置して木製ルーバーでカバーしています。

小茂根の家 (多目的室 (子供室))

多目的室 (子供室)

玄関横にあったトイレを廃止して居間の一角を間仕切り多目的室としました。 天井と床に入れた無目を当たりとして将来的にカーテンやパーテンションなどで2つに分けた子供室にもできます。

小茂根の家 (キッチン)

キッチン

独立した位置にあり閉鎖的なキッチンから明るく開放的なキッチンになりました。 勝手口の内側に木製建具を設け見えにくくしてあります。またトップライト部分には木製ルーバーと透明アクリルを設置してあります。 システムキッチンは既存品を流用していますが、収納量があるので吊り戸棚は廃止しました。

小茂根の家 (洗面所)

洗面所

水回りの位置はそのままに設備と内装を刷新しました。天井材はヒノキの羽目板張り、洗面カウンターは主にナラ無垢材を使用した家具工事で製作しています。

小茂根の家 (浴室)

浴室

水回りの位置はそのままに設備と内装を刷新しました。天井材はヒノキの羽目板張り、浴室の床と壁にはモザイクタイルを使用しています。 浴室の換気がしやすいように天井ラインにつけた高窓のアルミサッシを新設しています。

小茂根の家 (寝室)

寝室

寝室として落ち着きのある内装としています。 天井や建具にはラワン合板を使用。また天井高さは2190㎜と低めに設定しています。 フローリング材はすべて飯能市の材木屋さんから杉材(西川材)フローリングを購入して施主支給品としています。

小茂根の家 (玄関より中間を見る)

玄関より中間を見る

家の中心にある空間を中の間と名付け、玄関から居間や食堂や寝室に至るバッファーゾーンとしての機能をもたせています。

小茂根の家 (玄関)

玄関

ガラス引戸の向こうに中間があります。玄関から居間やキッチンに至るまでに、バッファーゾーンとしての中間を経由する間取りとしています。 大きな下足入れは家具工事で製作して、耐力壁の合板を利用して吊り固定しています。 玄関の床には大谷石を張っています。

小茂根の家 (多目的室 (子供室))

多目的室 (子供室)

アルミサッシの内側には、網戸の機能がある障子と雨戸が入っています。

小茂根の家 (陰影のある居間)

陰影のある居間

アルミサッシの枠が見えないよう納まりを工夫しています。内側には障子網戸と雨戸(框組の板戸)が入っています。

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手掛けた建築家

設計、監理を担当

用途

自宅

居住者

家族(子供1人)

所在地

東京都板橋区

費用

設計・施工:3000万円

敷地面積

304㎡

延床面積

284.41㎡

施工面積

133㎡

改修規模

フルリノベーション (スケルトン・リノベーション)

階数

2階建て

間取り

2LDK → 2LDK

築年数

32年

期間

設計:14ヶ月 、施工:7ヶ月

完成時期

2023年08月

施工会社

草野工務店

間取り

リノベーション前

リノベーション後

手掛けた建築家のコメント

設計、監理を担当

1990年 (改修時 築32年) にハウスメーカーによって建てられた2世帯住宅 (建築基準法上の用途は長屋) の1階部分の改修事例です。
建築時は1階に祖母、2階に親世帯が住む2世帯住宅でしたが、介護施設に移った祖母と入れ代わるかたちで、2階で育った息子さんが結婚後に戻ってきて夫婦 (2人とも30代前半) で住み始めていました。

家づくりのきっかけ・施主の要望

1人暮らしであった祖母に合わせた以前の間取りは、南面に大きく開口部を取った広い居間と和室があり明るく日当たりは良いが、壁面が少なく家具の配置にも困る状態で広々としているがどこか落ち着かない印象でした。逆にキッチンは壁に囲まれて独立した位置にあり薄暗く、北側の浴室からは湿気がまわりの部屋に広がっていました。これらを改善し性能向上した快適な住まいとしたいという希望で計画がスタートしました。

この事例の見どころや工夫したところ

そこで水回りなど生活の基本構成は既存住宅の配置を踏襲しながらも、光の入り方や壁のバランスを改善することで空間の質を整えることを試みています。南面に大きく取られていた開口部は、開口面積を抑えて同じ大きさで均等に配置して外観を整え、床から少し上げることで窓辺をつくるような開口部としました。その内側には網戸の機能がある和紙張りの障子戸と、光を遮る板戸がそれぞれ戸袋に引き込まれるかたちで設けてあり、光の抑制とプライバシー保護の機能をもたせています。
もとの和室は床を下げてタイル貼りとした食堂に変更し、キッチンと食堂が一体的に使えるように間の壁を大きく開口しました。広々とした居間は多目的室と食堂で間仕切ることで程よく囲まれ安定感のある居場所となるように変更し、もとの食堂についても中間に変更して家の中心にあって各室へのつなぎの間の役割をもたせています。

築32年の2世帯住宅を改修して世代を超えて住まいを受け継ぐ

この改修は事前調査で既存住宅を詳細に調査して性能や劣化や耐震性能を定量的に把握する住宅医の手法を取っています。既存建物をしっかりと診断し把握した上で予算と検討しながら、耐震性能や温熱性能の不足をどこまで向上させるかというところまで提案することができました。

また性能面だけでなく、壁を追加したり天井高や動線を工夫することで空間のバランスを整えたり、開口面積を抑えて建具や納まりを工夫することで光の入り方を調整したり、素材を吟味したりといった小さな変更の集積によって陰影や静寂さを宿した心安らげる住まいとなりました。

1世代分のサイクルを向かえた築32年ほどの住宅ストックをショートサイクルで建て替えるのではなく、既存建物と注意深く素直に向き合った改修を施すことで、世代を超えて住まいを受け継ぐことができました。

新築が当たり前ではなく、直して永く住む、住まいを受け継ぐことがこれからの暮らしにつながる新しい流れとなり、もう一つの定番になっていくことを期待しています。

リノベーション前の写真

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この事例のコンセプト

この住宅の写真

手掛けた建築家

対応業務

注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)

所在地

東京都品川区旗の台6-14-3

主な対応エリア

全国

目安の金額

30坪 新築一戸建て

3,000〜5,400万円

60平米 フルリノベ

1,200〜3,000万円

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森 孝行

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