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設計、監理を担当
1980年築の木造2階建て住宅を購入した建て主。子供たちの思い出に残るような家にしたい!という要望を踏まえて設計がスタートしました。
打ち合わせを進めるうちに、この家の存在を消すことなく住み継ぐという考え方で双方の意見は一致しました。今どきの新築したように見せるのではなく、この家との出会いを大切にし、当初の痕跡を消さないで住み継ぐこと。例えばそれは、柱一つ一つに残された欠き込みの跡や、当時の大工さんが付けた墨の線や文字などをいじらずにそっと残すこと。薪ストーブを置く土間の確保のために約1坪を増築。必要最小限の増築で、多目的に楽しめることが出来る場所をもう一つ増やした。玄関とホールは土間に変化し、暗い中廊下はリビングの中に取り込んだ。下屋部分の天井は撤去し屋根なりの勾配天井に変化させ、空間をより一層豊かにした。古い天井裏からは当時の大工さんの手仕事の跡が見えてくる。壁を撤去して残った柱には壁があったことを印す跡がある。これらはすべてこの家の証。それを見ながら生活するのもいいじゃないか。
隠す必要なんてない。そんな想いを籠めて出来上がったのが「籠原の家」です。
リノベ後の外観。黒い外壁部分を最小限増築。
リノベ前の外観
ダイニングの天井を撤去して出来たデッドスペース。そこを利用して2階子供部屋から繋がるロフトを設けました。お子さんたちの小さな遊び場になっています。ダイニングの上部にあり2階の気配を伝えます。
壁を撤去すると柱が出てきました。そこには壁があったことを印す欠き込みの跡が。当時の大工さんの手仕事が見えてきます。それを隠さずに住み継いでいくことで今と昔を楽しみながら生活しています。
手前にワークデスク、その奥には薪ストーブスペースのある土間空間。間仕切り壁を撤去し引き戸にすることでリビングと繋がり開放感もアップ!
1坪の最小限増築で土間には薪ストーブが入りました。ダイニングからも薪ストーブの炎を楽しむことが出来ます。
土間となった玄関の一角にある見えない収納スペース。珪藻土の壁に埋め込んだ木の枝のフックにはお子さんたちのお出掛けグッズなどが納まっています。
段差があり広がりのない空間
玄関を土間に変化させ、廊下をリビングに取り込み、奥のダイニングとも繋がったリビング。空間は何倍にも広がり生活は豊かになりました。
壁を撤去し廊下はリビングに取り込みました。リビング空間を広げると共に暗い場所はなくなりました。
暗い中廊下
キッチンは造作家具としクライアントの要望を踏まえてスペースに合わせて作りました。白いキッチンは古い梁にもマッチし空間を明るくしています。
閉鎖的なキッチン。光もあまり入りません。
ダイニングからも土間の薪ストーブの炎を眺めることが出来ます。心までポカポカになります。
天井を撤去すると古い梁が出てきました。その梁をあらわしにして勾配天井とすることで開放感もアップ!間仕切り家具をなくしキッチンと一体のワンルームのキッチン・ダイニングとしました。サッシ部分にはコストを考慮し太鼓張り障子を組み込み断熱性を向上させています。
フラット天井と間仕切り家具により窮屈な部屋となっています。当時のサッシは断熱性も低く寒い。