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設計、施工、監理を担当
購入後、9年間住んだマンション。これまで自分にフィットする家具やインテリアを取り入れ、自然と収まるべき位置が決まった。でも、モノは部屋に、部屋はわたしにフィットしているだろうか―――
古くなった設備を交換するためにリフォームを検討していたU様の脳裏に浮かんだのは、そんな素朴な疑問でした。玄関にある自転車は、カーペットフロアを汚さないように板を敷いて置いている。統一感のある家具を置いているのに、引いた目線で見渡すと、どことなくつながらない……
「せっかく変えるのなら、もっと私らしい部屋にしよう」
こうして、U様のリノベーションが始まった。
わたしたちは、間取りには大きな変更を加えない方向で、お施主様にも積極的に関わっていただきながら仕様を決めていった。玄関は、自転車をすんなり置けるよう土間スペースを拡大。モノトーンの花柄をあしらったタイルは、「アメリカのアイスクリーム屋さんの床」をヒントにU様自らがパターンを手がけた。壁には、自由にアレンジして使える有孔ボードのパネル。趣味の手芸で作った小物や、日用品を自由に飾って使うことができる。
LDKでは、セミクローズだったキッチンを、空間を広く見せるⅡ型のオープンタイプに変更。腰壁や壁面のタイルや吊り戸棚のデザインなど、随所にU様”らしさ”が表現されている。
リビングで一箇所だけビビッドな黄色が使われ、浮いた印象だった収納扉は、キーカラーとしてそのまま活かし、洗面室の扉を鮮やかなブルーに変更。空間に連続性とコントラストをもたせた。窓際天井には、ガス管を加工して造作したハンガーパイプを取り付け、お気に入りのグリーンが吊り下げられるようになっている。
リノベーション後、ほぼすべての家具やインテリアが元の場所に、しかし以前よりもずっと部屋に馴染んで収められています。9年をかけて熟成させた大切なライフスタイルはそのままに、「人・モノ・部屋」が、リノベーションでひとつなぎになったのです。
オープンタイプに変更したキッチン。腰壁にはブリックタイル、壁面には六角形のホワイトタイルを使用。左手・洗面室の扉は既存を活かし鮮やかなブルー塗装にすることで、空間にコントラストをもたせた
既存の間取りを活かしたリビングスペース。家具やインテリアは元の場所ながらも、以前よりずっと部屋に馴染んでいる
もともとクローゼットの扉はイエローだったので、キーカラーとして他を合わせた。窓からの光もしっかり入るため、より明るいリビング空間となった
景色の良い出窓の前にはリビングと一体の主寝室。上部にはガス管で造作したハンガーパイプを設置し、お気に入りのグリーンを吊るしている
シンク台上部にある吊戸棚は造作したもの。金物部分は差し色にグリーン塗装し、柔らかい印象に仕上げた
セミクローズだったキッチンの壁を取り払い、視界が抜けるオープンなⅡ型キッチンへ。無印良品のワイヤーラック下部は、備蓄品もゴミ箱もスッキリ収納でき、使いやすさも抜群
自転車もすんなり置ける拡張した土間スペース。有孔ボードパネルには、雑貨屋さんのように日用品や作った小物を飾っている
キッチン腰壁には、レンガ調二丁掛けタイルを使用。色彩を抑えたグレー色を用いたことで柔らかい印象となった
ヘキサゴンモザイクタイルで花柄模様を散りばめた土間スペース。どこか懐かしいレトロな雰囲気がお出掛けをより楽しくさせる
グリーン色のクロスで明るく爽やかな印象のトイレに