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設計、施工、監理、土地・物件探しを担当
できるだけ木造の雰囲気の中で暮らしたいという4人家族のためのマンションリノベーションです。
木造の雰囲気と言っても内装に木をたくさん使うということではなく、プロポーションやディテール面で在来木造の要素を取り入れています。
今回は物件探しからお手伝いさせていただいたワンストップの事例です。
二人目のお子様を授かり元の住まいが手狭になったということで新居を探されておりました。
マンションでありながらも木造戸建ての雰囲気を求められており、小さなお子様と明るく楽しく過ごせる空間をご希望されておりました。
マンションでも戸建てのような雰囲気を求められていたため、ご紹介したこちらの物件はRC造ではありますが、柱型のない壁式構造で壁厚もあり窓枠の見込みが大きいため比較的木造の雰囲気は出しやすく、しかも住戸内にはRCの間仕切りがないため間取りの自由度も高めでした。
2階で隣地の木などが見えるのも戸建てっぽい雰囲気づくりにプラスに働いています。
プランとしては水回りの位置は大きく変えず、将来二人のお子様の部屋にできる家族寝室をリビングを通ってアクセスできる位置に設け、ダイニングとリビングの間にワークスペースを挟んでL字型にして少し距離感を持たせました。
L字の入隅部分には角の見切りとして檜の柱を入れ、サッシ枠は雲杉の無垢材に変更し木製の内窓を入れて、いわゆるマンションっぽさを消しています。
玄関は上がり框の間口を当初より広げ戸建て並みの1200mmとすることで出入りの際のストレスを軽減させ、廊下部分との幅の差を活かして手洗いを設置しています。
ご夫婦ともに建築関係のお仕事をされていることもあり、欲しい物が明確だったため設計はかなりスムーズに進みました。
希望を叶えつつコストをいかに抑えるかという点が一番時間をかけた部分です。
ダイニングは家族寝室の奥にあるため直接窓からの採光はありませんが、欄間からの採光で暗くはなく、家族寝室の入り口の引き分け戸を開放するとさらに明るいダイニングとなります。
テレビ下の収納、本棚、ダイニングのカウンターといった水平の要素と檜の柱や側板といった垂直の要素を散りばめて生成りベースの室内に柔らかめのアクセントを加えています。
テレビ下の棚と正面の本棚はタモ集成材で造作しています。 家具工事ではなく大工工事とすることでコストを抑えています。 サッシ枠の見込みが大きいため、内窓を入れてもまだ枠がしっかり見えて木サッシを入れた木造の雰囲気が感じられます。
リビングに面した奥の部屋は将来的には夫婦寝室になりますが、当面はキッズスペースとして活用されます。
リビングダイニングに囲われるように位置する家族寝室は、建具の上を欄間にしてダイニング、キッチン側に天井からの光が反射するようになっています。 リビングの窓際にはハンガーパイプを設け、床は塩ビタイルとしてインナーテラスのようにしています。
ワークスペースは窓から離れ落ち着いたコーナー部分にゆったりと設けています。
本棚は両面から使えるたっぷりサイズで、スタンディングデスクとしても使いやすい高さになっています。 机、棚共にタモの集成材です。
フローリングは無垢のナラにクリアオイル塗装になっています。 リビングの奥は床を塩ビタイルにしてインナーテラス的な用途になります。
家族寝室の入り口は将来二部屋に分割できるよう引き分け戸となっています。 扉の上はガラス欄間で奥のダイニングに光が届くようにしています。 火災警報器も2室になることを想定した設置になっているので、分割した際に防災工事を入れる必要はありません。
リビング入口は引き込みの引き戸で開放時は存在感がなくなり、通風のコントロールがしやすくなります。
キッチンパネルはホーローで床は塩ビタイル。 壁付きのI型キッチンですが、開放感はあるので家族の雰囲気は感じられます。 キッチンバック収納は既製品のカウンタータイプですが、周囲を建築側で壁を作り既製品感を軽減させています。
キッチンの奥には引き戸がありますが、開放するとウォークインクローゼットの窓までつながりじゅうぶんな通風が確保できます。
玄関ホールの手洗いはある程度しっかりした大きさのものを選び、水しぶきが気になりにくくなっています。 水栓は壁出しでカウンター周りのメンテナンスもしやすくなっています。
上がり框の幅を1200mm確保し、スムーズな出入りができるようになっています。 入ってすぐのトイレのドアは周囲の壁と同じシナとして目立たなくしています。
シンプルな作りの玄関収納はコンパクトながらもしっかり容量があります。 可動棚を施主支給とし、オイル塗装もDIYとしてコストを抑えています。
窓のあるウォークインクローゼットは日中は明るく、キッチン側の引き戸を開けておくと風通しも良いです。 この部屋だけ床は既存のままになっています。
もともと1620サイズのユニットバスだったのを1416までコンパクトにして、その分洗面脱衣室にゆとりを持たせています。