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そろそろマイホームを持とうと土地探しを始めたが、なかなか希望する物件に巡り合えずにいたKさん夫妻。そんなとき、妻の実家に戻ってきては…、という話が持ち上がった。 「実家は約20年前に建てた二世帯住宅。一方に私の祖母と母、弟が暮らし、もう一方には叔父が住んでいましたが、昨年叔父が他界し、空き家になっていたので、譲り受けることになりました」と妻。
視点を変えようと、夫の地元で物件探しを始めた夫妻の目に留まったのが和洋折衷なこの家だった。「外観の写真を見て、中も素敵なんじゃないかと…」。 一番乗りで見に行った。妻の予感は当たり、ディテールまで気に入った。「更地にして建て替えるのではなく、この家を活かしたいと話したことを気に入ってくださったようです」(妻)。見に来る人は多かったが、持ち主と気持ちを通わせた原野さんが、この家の3代目の持ち主として住み継ぐことになった。
2階建ての建物は中央で仕切られた完全分離型の二世帯住宅で、叔父の住まいは1・2階合わせて162㎡と、4人家族で暮らすには十分な広さ。そこでKさん夫妻は、子育てしながら快適に暮らせる住まいにリノベーションすることに。設計は、妻の母が経営する店舗を手掛けた縁で、エキップの伊達宏晶さんに依頼することにした。
妻の叔父が住んでいた、実家と隣り合う二世帯住宅のもう一方は、2階に水回りがあったため、1階は広々としたLDKのみ。北側に広いリビングがあったが、ざっくりとしていて使いづらかった。また窓が小さいのでやや薄暗く、風通しもあまりよくなかったという。
間取りはゆったりとした3LDKから、4人家族のKさん一家が使いやすい4LDKに変更。2階にあった浴室を1階に移動し、リビングを中心に回遊できる動線も確保した。2階には子ども室や書斎などの個室を配置。1階には子どもたちも自由に遊べるプレイルームがあり、子どもの成長に合わせてフレキシブルに使える間取りになっている。「回遊できるけれど、引き戸を閉めると個室にもなるので、すごく暮らしやすい」と妻。
インテリアはナラのフローリングをはじめ木を多用し、左官塗りの壁と天井で落ち着きのある、居心地のいい空間に。リビングの石貼りの壁、キッチンのタイルなど随所に使用されたこだわりの素材は、妻が何度もショールームに通って選んだもの。
1階のもうひとつのポイントは、スパをイメージしたという浴室、洗面、トイレ一体型のリラクゼーションスペース。床と壁はタイル貼りで、チーク材の天井もラグジュアリー感を演出。このバスルームは夫も大のお気に入りで、共働きで忙しい夫妻が気分をリフレッシュする空間になっている。
ダイニングの壁面には収納と子どもたちの勉強コーナーを設けた。