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ご両親が住まわれていた築39年の木造戸建て住宅をリノベーションして住み継ぐ計画です。
主なご要望として
・亡くなったお父様の面影を残すために和室の位置と大きさを以前のままにすること
・奥様が料理教室を開催されているためにキッチンとダイニングスペースを対応させること
・教室中に和室を託児所として機能させること
・教室中でもくつろげるスペースを2階に確保すること
などがありました。
そこで、1階の居室は和室とダイニングキッチンに絞り、2階は居間として使える多目的スペースとそれを囲むように各個室を配置しました。
今回は耐震改修も兼ねることもありフルスケルトンリノベーションとなったので、床下の土間に蓄熱暖房を設置し断熱は新基準の等級4をクリア、配管関係も全て刷新しています。外装も壁やサッシは全て新しくして、屋根は元の瓦を再利用しながらも防水層を一新するなど、新築とほぼ変わりない状態にまで生まれ変わりました。
キッチンは以前と同じ場所ですが、元々とても暗かったので明るくすることが課題でした。 そこで、内装全体を白を基調とし、アイキャッチとしてキッチンのベース部分にブルーグレーを採用し程よい存在感を与えています。 白と言っても無垢フローリング、タイル、左官などの自然素材を使っているので寒々しい感じにはならず、気持ちの良い空間となっています。
多目的スペースとなる以前は平天井でしたが勾配天井とすることで空間に広がりを持たせ、高窓からの光も取り入れ奥の階段まで明るさを確保しています。 ロフトを設け、そこに至る壁にボルダリングホルダーを設置してハシゴを使わなくても登れる仕様です。 ハンモック等を吊るせるフックを天井に設けて様々な遊びに対応できるようになっています。
お父様の面影を残すために位置を大きさをキープした和室です。 当初は床板や床柱を以前のまま再利用することも検討しましたが、内法高さの変更と想定以上のダメージがあったため刷新しています。 床の間には仏壇置場として吊り収納を設け、壁は左官、天井には葦ベニヤを採用しました。
玄関ドアはコンシールドタイプのドアクローザーを採用し、すっきりとした見栄えです。色は外装側に合わせています。
キッチンはステージとなる作業台にコンロを設け、洗い物は後ろのL型部で行います。
年月を経た梁はアンティーク家具のような雰囲気で左官の壁と絶妙にマッチしています。
書斎の奥にある玄関上の空間を利用した収納スペースは入口は狭いですが入ると3帖ほどの広さがあり、大人二人がゆったり寝れるくらいです。
共用スペースの大部分の壁は左官壁を採用しました。室内に入り込む光の加減で壁面に美しい陰影があらわれます。
ロフトスペースは天井はかなり低いですが、小さいうちは十分に遊べるスペースで明るさもあります。