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設計、施工、監理、プロデュース・コーディネート、インテリアを担当
築47年の壁面構造のマンション。構造上、間取りの変更に制約がありつつも、現代の暮らしに合わせたプランとしました。古さと新しさが混ざりあう、少し非日常的な雰囲気のある住まいへと生まれ変わっています。
以前の間取りでは、ダイニングスペースから直接バスルームに入るようになっていたため、脱衣所は絶対につけてほしいというのが一番の要望でした。
また、建てられた当時のまま残っていた独特な表情のあるガラスや、雰囲気のある建具はできるだけ生かしたいという希望もお持ちでした。
新たに洗面・脱衣スペースを設けるため、もとはダイニングキッチンだった場所を区切り、ゆったりとした脱衣スペースを作りました。
廊下と脱衣スペースを分けているのは奥行約1メートルほどの収納棚。廊下と脱衣スペース、どちらからも使えるようにあえてオープンな収納としています。こうすることで、脱衣スペースにある窓からの風が廊下まで抜け、調湿もできるように。カーテンをとりつけることでプライベートもしっかり確保できます。
注目してほしいのは、新旧入り混じった素材使い。例えば、バスルームの床タイルは47年前のまま使用していますが、それが新しくなった空間とうまく馴染むよう、脱衣スペースの床にも近いニュアンスのクッションフロアを採用。タイル張りではなく、タイルを張ったようなクッションフロアを使うことで、雰囲気を出しつつコストを抑えています。
また、トイレは木製の便座とペーパーホルダーなどのアクセサリーのみ新調。これだけの変化でも、清潔感のあるアンティーク調な空間となりました。
今のマンションでは珍しい広縁は、オリエンタルな雰囲気のタイルを床に張り、非日常的な雰囲気に。リゾート感のあるインナーテラスで、ゆったりとした時間が楽しむことができます。
47年前のまま残っていたガラスや建具はこの物件ならではのもので、印象深かったです。リストラルM(チェッカーガラス)などが建具に使用されており、それらから全体のインテリアのイメージを組み立てました。
とは言え、内装はあくまでシンプルにまとめ、趣味やライフスタイルの変化に合わせられるようにしています。家具や照明などのインテリアが入ってはじめて家が完成するように心がけました。
どの物件にも共通して考えているのは、インテリアでその人らしさを出してもらいたいということ。
お客様の要望+シンプル÷2 くらいがちょうどよいと思ってプランを考えるようにしています。
壁の一面にベニヤを市松模様に張ってアクセントウォールにしています。フォーカルポイントになるだけでなく、空間を締める役割も。ダクトレールをぐるりと設置し、照明も印象的に作れるように。くつろぎ感のある空間になりました。
ボルドーパインの無垢材がインパクトのあるリビングスペース。引き戸は既存を使用していますが、白くペイントして新しい空間に馴染ませています。
広々としたバルコニーにはリビングと高さを合わせてウッドデッキを張りました。木目をリビングのフローリングと合わせて張っているので、視覚的にもひろがりを感じられます。梁についている収納棚は既存のまま。今のマンションにはないユニークなデザインです。
既存をいかした和室とつながるのはダイニングルーム。”無垢床”と畳という全く雰囲気の異なる床材でも、色をまとめることで違和感なくおさまっています。
レトロモダンな雰囲気に合わせつつ、コストを抑えるために和室は既存のまま使用。畳は新しくベージュのタイプを採用し、上品な印象で空間に馴染ませました。テラスとの間仕切りはもとは障子戸でしたが、紙を取って使用。和室とテラスをゆるやかに仕切ります。
和室の押し入れは襖を張り替えてイメージを一新。新しくポールを取り付けてクローゼットとしても使えるようにし、コストを抑えつつ現代の暮らしに合わせた仕様に変更しました。
広縁はレトロな柄のタイルを貼り、リゾート感のあるテラスへ。景色を見ながら、ゆっくりとした時間を楽しめる空間になりました。タイルは名古屋タイルを使用。
キッチンはEIDAIのゲートスタイルキッチンを使用。既製品ながらシンプルで男前な雰囲気になりました。照明はあえて部屋の中心には付けず、必要な場所に灯すように点けられるようにダクトレールを配置。植物をひっかけることもでき、インテリアをより楽しむことができます。
キッチンの壁にはグレーベージュと深緑のタイルを張り、アクセントにしました。張り方にもこだわり、スッキリとした印象に。壁につけた棚は、このマンションをスケルトンにした際に床から出てきた野地板。古びた雰囲気で置くものを引き立てます。
もとはダイニングキッチンだったスペースを洗面室に変更。壁で仕切るのではなく、奥行の深いオープン棚を間仕切りにしています。廊下側からも洗面室も使えるだけでなく、風の通り道になっているため湿気をため込みません。カーテンをつけてプライバシーにも配慮。
トイレ(右)はドアも含め既存のまま使用しました。新しく設置した洗面室のドア(左)はトイレのドアに合わせ、ベージュかかったグリーンに。床や壁の色も含め5~6色で抑え、まとまりのあるインテリアに。
バスルームの位置は変更せず、元はダイニングキッチンだったスペースに新しく壁を建てて、洗面脱衣スペースに。バスルーム内は既存のまま使用しているので、床はそれに合わせたクッションフロアを選び空間につながりを持たせています。
タイル張りの床と壁がレトロな印象のバスルームは水栓を新調したのみでほぼ既存のまま使用しています。波打つような表面のFIX窓も47年前のもの。今のガラスにはない独特の雰囲気を醸し出しています。
アンティーク調のトイレもほぼ既存のまま。タイルの床と壁が引き立つよう、トイレの便座は木製に交換しています。ペーパーホルダーなどのアクセサリーも新調し、雰囲気をまとめました。FIX窓のむこうはバスルームになっています。