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施工、プロデュース・コーディネート、インテリア、土地・物件探しを担当
浜口ミホ氏の貴重な意匠設計をリスペクトしつつ、
現代の生活にフィットした住まいになるよう設計のアトリエ・ワンさん、お施主さんと話し合いを重ね、工事を進めていきました。
基本的には、以前のオーナーさんと同じ間取り・使い方のままお使いいただくことになりました。
築55年の住宅にも関わらずこのような継承ができたのは、経年変化を楽しめる素材使い、住む人の生活に焦点を置いた彼女ならではの住宅計画など、表面に出てくる工夫とともに、
地階がRC造で1階2階が木造かつ、GLレベルから1m上がったところが1階の床になっている、いわゆる高床式のつくりになっていました。
木造住宅の大敵である湿気の影響を受けづらい、建物が長くあり続けられる構造となっていたのです。
貴重なタイルやレンガ、サッシは受け継ぎ、ある意味改修前との印象は大きく変わりません。
築年が経っていることもあり、耐震、断熱性能の改修工事は必然的でした。
地下のRC造部分は既存の開口部を塞ぐことなく2枚のコンクリート壁で耐震補強を行い、木造部分は構造用合板張りや金物補強で現行基準法レベルを満たす壁量と耐力を確保。発泡ウレタン吹付工法で建物全体の断熱、気密性も高めた。着工前の近隣挨拶は住まい手とともに行いました。
壁面にはPORTER’S PAINTSを多く採用いただき、リビングの特徴的な採光・素材使いを引き立てるテクスチャ・カラーをセレクトしました。
住まい手は入居後しばらくして、近隣の住民さんからこの景色が続くことに感謝を伝えられたそうです。継承はハード=建物だけでなく、ソフト=その土地に生きる人、街並みをも守りつないでいくものだと、改めてそう感じました。
キッチンの後ろは家族団らんのダイニング。既存を残した素焼きのタイルも印象的
奥の造作棚は既存利用
既存の意匠をそのままに活かした外観