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設計、施工、監理、プロデュース・コーディネート、土地・物件探しを担当
このプロジェクトが始まった当初、お施主さんがポロッと言った「カフェの様な部屋でありたい」という一言。それは素材感があってカッコいいという表面的なカフェ風の部屋ではなく、「機能としてのカフェ」が、お施主さんの本当に求めたご要望でした。
「機能としてのカフェ」
それは、家族に混じってリビングに友達が寛いでいたり、いろんな人がそれぞれ思い思いに寛いでいる自由な空間。違和感無く景色として、溶け込めるようなイメージです。
この家は、旦那様が積極的にキッチンに立ちます。時には寿司を握ることさえもあるくらい、料理好きでもてなし好きなご家族。ゲストへの「もてなし方」を考えたとき、この「機能としてのカフェ」は、とても自然に仕立てられました。
この家のもう1つの特徴、それは「回遊する」ということ。ここでの回遊とは、「歩くたびに景色が変化する」ということです。そんな空間が、この家には創られています。
本棚を空間のコアに鎮座させ、その周りを歩くことで、足を踏み込むごとにプライベートの深度が深まっていく構成になっています。パブリックとプライベートの中間領域には、この物件の一番気持ちいい空間である旅館の広縁の様なインナーバルコニーが存在します。
よく、「猫は一番良い場所を探し出す」と言いますが、ここのお宅の猫ちゃんも、やはりインナーバルコニーがお気に入り。この空間は、人によっては「無駄な空間」と映るのですが、むしろ空間には少しの余白的なスペースがあった方が、豊かに使いこなす事が出来るのです。
そして、ここのお宅の大きな特徴は、なんと言っても本棚が斜めに配置されていること。これは、決して広いとはいえない60㎡の空間を、最大限広く見せるための視覚的効果を狙っています。一旦空間を絞ってから大解放することによって、余計に奥行きを感じる仕掛けです。
夫婦と子供と猫が、シームレスに暮らすことを想定した、空間を最大限活かした構成です。