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設計、施工、監理、プロデュース・コーディネート、土地・物件探しを担当
生粋の鎌倉っ子であるお施主さま。
室内からの緑や空の見え方、周辺環境のあり方などは、
非常に強いこだわりをお持ちでした。
この物件は、マンションでありながら4面に開口部があるという、
中々稀有な物件で、風通しに関しては、内見に行く前から
非常に期待値が高かったです。
ですが、旧所有者の時代はそれを全く活かしきれておらず、
風の通りも決して良い状態とは言えず…。
しかしながら、そこはリノベーションをはじめから考えていた事と、
空間構成に精通している我々のスタッフが同席することで、
改善できるポイントだと捉えていただく事ができました。
実際に現地で感じたこと、それは、駅からのアプローチが遠いながらも、
その道程は品のいい店ばかりでワクワクしたり、
体育館や図書館を併設するめぐろパーシモンホールという、
街中に有益なスペースが存在したりと、道中は時間感覚よりも
気持ちよさが強く感じられるものでした。
また、室内の東側敷地内には綺麗に手入れされた緑地帯が、
まるで自邸の庭のように存在し、2Fという高さのメリットも
十分に感じられる状態であり生活のイメージが出来ました。
さて一方、空間イメージはというと、完全に当初から決まっていた訳ではありませんでした。テーマは、時間軸の切り取り方を「今」のみではなく、「子供の成長」と「それにおける自分たちとの関係性」を考えて、 「可変性を持ちながら、将来に余地を残す」というものでした。
家にいる時間の長いママを中心に、 幼少期はその周辺を子供が走り回り、< 義務教育期は程よい距離感を持ちながら勉強を行えるようにし、 同時に必要に応じてその空間の一部を囲い、セミプライベート空間とすることが出来るように。そんな構成にしました。
また、最もプライバシー度の高いベッドルームだけは完全にクローズド空間とし、 パブリックとの距離を置きました。ベッドルームは畳を敷き、壁は目の粗い石英の粉末を混ぜたPORTER'S PAINTSならではの独特の質感を兼ね備えた、 ダークな陰陽の陰の空間としました。
パブリックとプライベートがシームレスに交わりながら、家族の気配を感じたり、少し閉じたり。 それが家族の成長に合わせて行っていけるという、とても息の長い家です。