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設計、監理を担当
江戸川区船堀の運河沿いに新築(建替え)した二世帯住宅です。敷地は南側に運河が流れ、春は美しい桜並木が楽しめるものの、建替え前のお宅は1階の奥にダイニングキッチンがあったことから明るさを確保できていない状態でした。
建替え案は2階にメインのLDKを配置し連続した大きなルーフバルコニーでお花見やバーベキューを楽しめる計画になりました。上階にメインの空間がある利点を生かしてLDKは屋根なりの傾斜天井とし、ルーフバルコニーへの大きな開口部に加え、吹き抜け上部のハイサイドライトからも採光を確保できる明るさと開放感が特徴です。
リビングは大きな一枚板のテーブル(掘りごたつ形式)を中心に家族の皆が集まることを想定し、夕方以降は間接照明のあかりでリラックスできる空間となっています。
また1階のお父様のお部屋は可動間仕切りを設けることで多用途な使用も想定しています。こちらも縁側を通じで外部に開いたつくりとしています。
隣り合った敷地にお父様の住宅、息子様ご家族の住宅が隣り合って建っていました。どちらの建物も古くなり採光をはじめいろいろ不満な部分もあったということで2つの敷地を合わせて大きめの二世帯住宅を検討されました。
ご家族の要望は1階にお父様の住まい、1階+2階に息子様ご家族の住まいを配置すること。
1階はお父様はご近所と交流できるような縁側スペース、親せきが泊まれるような畳スペースを要望。
1階+2階の息子様ご家族からは桜並木を望む大きなバルコニーでお花見やバーベキューを楽しみたい、親戚が集まれるような大きなリビング、別の物件で見学して良いと思った大きな無垢のテーブルを検討したい・・ということなどでした。
都市計画的に住環境に配慮した地域であったため北側からの斜線制限が厳しく建物の形状や各部屋の配置をいろいろ工夫しました。
建築主さんの要望の一つであった家族(親戚)みんなで集まれるリビングはタタミリビングという形で多人数が集まっても圧迫感の無い天井の高い場所に配置しました。ハイサイドライトから差し込む光で明るいリビングです。
またもう一つの大きな要望であった桜の見えるルーフバルコニーはLDKと連続したつくりとしLDKにより開放感をもたらすことにしました。南側は川と川に沿った桜並木に面する敷地の為、周囲からの視線はあまり強く意識することはなく南側には開放的な計画としています。
以前のお住まいが北側のやや暗いキッチンとその近くのダイニングで過ごすことが多かったことに比べ、今回の建て替えでは最も長く過ごすLDKが明るく開放的な空間になり喜んでいただけたと思います。
ご相談を受けてから初めの数か月は基本的な間取りとご家族(犬も含む)それぞれの空間の広さや配置のバリエーションを検討しました。その後、実施設計ではキッチンをはじめ様々なショールームに一緒に訪問し、建物内外で使用する材料を吟味しながら検討を進めました。特に建築主さんは和風そのものではないものの和のテイストに親近感をお持ちでしたので、例えばリビングの煉瓦タイルや玄関手洗いの洗面ボール、壁面タイルなどその方向で提案、アドバイスをしました。
ご家族や親戚が集う2階のタタミリビングには初期の段階から一枚板のテーブルを置きたいという希望がありました。御徒町の無垢一枚板や木製家具を扱うショールームに何度か行きましてテーブルに使用するウォルナットの板を選定しましした。その後テーブルの製作過程も工場で見学するなどして重厚感のあるテーブルが完成しました。建主さんご家族にとってとても愛着のある家具になったと思います。またそのテーブル製作過程ででた端材でリビングに飾り棚を作ったりしました。
また傾斜屋根なりの天井の高いリビングは無垢の一枚板の存在感に負けないみんなの集まるリビングになったと思います。
1階のお父様の部屋からは以前のお住まいを継承しLDKから縁側が連続する設えとしています。なじみのご近所さんとの交流の場になっているようです。