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オーナー様ご家族はご夫婦2人とお子様お2人の4人家族。
2Fがオーナー様の住居スペース、地下と1Fがメゾネットタイプの賃貸スペースという空間構成です。家族の絆がとても強いオーナー様が作り上げた住宅の特徴はその間取り。大きなワンフロアを、壁で仕切らずにスペースを使い分けるワンルームスタイル。バリのヴィラのような開放的で明るい空間が実現しました。
都市における広々とした住空間や、家族とのコミニュケーションの促進を叶える、「0(ゼロ)LDK」という新しい住宅の概念が誕生しました。
お仕事で海外生活を経験されていたオーナー様ご家族。その土地に住む人が、日々の暮らしを満喫し、生活そのものを心から楽しんでいる様子をみて、「自分たちもそんな気持ちの良い空間で生活を楽しみたい」と思ったことが家づくりに至る最初のきっかけだったそうです。
それを実現するために、キッチンを中央にした広々としたリビング、家族で食事のできる広いバルコニー、気持ちの良いバスルームなど、具体的な要望が見えてきたと言います。
今回の家づくりでの最大の特徴はその間取り。
現在の都市空間で住宅の間取りを考える時に、家族の共有スペースと個人のプライベートスペースが存在する間取りが一般的です。
開放的な空間の実現のために2Fの住居スペースをあえて大きなワンルームとして使用する間取りが採用されました。LDK、寝室、書斎、子供部屋、、、どれも独立した空間としてあることが当たり前のように感じますが、そのご家族の仲の良さから潔く全ての空間を繋げることを選択しました。
ただ空間を繋げるだけではそれぞれの過ごす空間が心地よいものにはなりません。室内に高低差をつけたり、スペースによって使用する素材を変えたりするとこで、繋がった空間ではあるものの、各スペースが役割を明確にした空間が構成されました。
もう一つ、今回の家づくりを語る上で外せないのが、「素材」です。もともとカジャデザインでの家づくりを検討されていた当初から、オリジナルで扱う天然石材に大変興味をお持ちだったオーナー様。本物の素材が実際にどのようなことろで生まれ、使用されているのかその目で確かめるため、カジャデザインと共にインドネシアへ石材を巡る旅に出たほどのこだわりよう。
1Fのエントランスから吹き抜けになっているリビングの壁一面には、ライムストーンをモザイク状に組み合わせた石材が惜しげも無く張り上げられています。そのテクスチャーと天井の高さをさらに引き立たせる大型の植物とオブジェを大胆に配置しました。
黒、茶、ベージュ、グレー。アースカラーで構成されたキッチンの背面に使われている素材は、木が化石化してできた木化石(ぼっかせき)です。重厚感のある素材とモザイクの軽やかさが住空間のアクセントにぴったりの素材とデザイン。
この素材が入ることで、部屋を構成するカラーにどんな色が来てもしっくりと馴染みます。キッチンや天井のダークブラウン、ダイニングセットのオーク、床や壁のグレイやベージュ、それぞれ異なる色が見事に一つの空間で融合しています。
LKDから大開口で繋がるバルコニーの中庭もまた、オーナー様のこだわりが詰まった空間です。特に注目すべきは、中庭の中央にそびえる滝。ボーダー状に溝の入った石材を静かに水が滴り落ちます。こちらも、実際に現地の工場で石材を選び、日本の技術を駆使して住宅に採用できるようフルオーダーで造られています。
バリのリゾートホテルであるように、中外のはっきりと分けない空間構成はオーナー様の理想でした。それを実現するために、壁材や床材を室内外で同じもので連続させたり、インドネシア産の建材をリユースしたオブジェを屋外に配置したりと、様々な手法が用いられています。
今回のスタイリングを手がけたデザイナーが、撮影中にこんなことを話しました。「住宅は暮らしの背景となる器と言えます。表情豊かな天然石を壁に大胆に使うことで、建物と家具や小物がより馴染みやすくなると思います。そこに大型のオブジェや味わいのある小物、植栽が加わることで、さらに建物の印象が和らいで、温かみのあるおおらかな空間が生まれたと思います。建築だけでなく、自然素材を背景に住み手の個性を表現する家具や小物が加わることで家になることをこの家を通じて改めて実感しました」
イタリア製のミノッティのソファや、リーヴァのダイニングテーブル、北欧家具の代表格でもあるYチェアなど、モダンなインテリアをベースに、KAJAオリジナルの個性豊かな小物を織り交ぜることで、他にはないモダンアジアンスタイルが確立されました。