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【掲載誌】
・住まいの設計2022年8月号
・住まいの設計2022年12月号
長く住んでいた実家を譲り受け建て替えをした木造2階建ての住宅です。当初はハウスメーカーの展示場などを見ていましたが、自分たちの要望を盛り込んでいるが何かが足りない・・・という事からアドバイスをしていましたが、最終的にはSデザインファームにて設計をすることになりました。 「家族が集まる場をどう作るか?」ということをクライアントと話、風呂・LDKの居心地を考えて設計を進めました。
「小学生の息子と一緒にお風呂に入りたい」施主のご主人はインテリア デザイナーをしており、国内海外の高級ホテルの内装設計する仕事をしていました。短い時間ではあるが息子さんとの時間を大切にしたいという思いから「お風呂」が計画に中心でした。日本の石材を使ってプライバシーに配慮したお風呂をどこに作るか?今回は敷地北東側の交差点部分に近い2階に設置しています。
十和田石を使った浴室、十和田石と檜の浴槽、浴室に繋がるクールダウンをするテラスが見どころです。この部分のコストが大幅にかかる事も想定されたので、建物形状としてはシンプルなL字型として内部の廊下が少ない計画としています。また1階は天井高さを2.7mとして広々としたLDKとしました。木材・金属・黒色などバランスを取りながら共存し、モダンでありながら自然感のあるインテリアとしています。
引き渡し後にコロナとなりましたが、テラスでキャンプをしたり、BBQをしたり、おうち時間がとても充実したと話していました。クライアントが作った一年間の思い出をブックレットにして送ってくれましたが、雪の日にお風呂のテラスで遊んでいる息子さんを見ると嬉しい気持ちになりました。
既にお住まいであったので、光の入り方、風の抜け方に関しては住んでいた時の感想を元に設計をしました。コストが厳しい事もあったので、力を入れる部分(LDKと風呂)と力を抜く部分(外壁はサイディング、平面もシンプルにして廊下少なく)などをクライアントとも意識して設計を進め、概算見積もりを取りながらコスト調整をして進めました。
完成後に家でパーティーをした際に「まず風呂を楽しんでよ」とお風呂に入らせて頂いたことが印象的でした。水を含んだ十和田石は柔らかな肌触りに変化し、まるで五つ星ホテルか高級旅館で入浴をしているようでした。あとキッチン横に以前の家の庭で植えていたシナモンの木を乾燥してインテリアに使いたいということで、施主自ら乾燥と皮はがしのヤスリがけをしてきた時にはクライアントの執念に驚きつつも、大工とも悩みながら楽しく設置をしました。