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設計を担当
ご主人は「この家に、母と同居してくれないなら結婚できない」と言ったそうだ。同居する奥さんが、その距離感を「5段くらいが丁度良いのでは」と言った。友達が来ていても気を使わない。かと言って、寂しくもない距離。絶妙の距離感と愛情を感じる。
言葉の通り、リビングから5段下がったところに母専用の畳のリビングがある。
家の中を明るく、人の集まる家にしたいという相談だった。
環境を大きく変えようとするなら、屋根上部分から直接の光を取り込むしかない。2階部分を減築し、光庭をとるプランを考えた。
この計画は、若いご夫妻がのセンスを、形にすることに拘った。
レンガ、タイルの貼り方なども、奥さんが響き、選んでこられたものを尊重した。
全体のバランスを私が取ったという感じである。
クライミングウォールのホールドも「カラフルは止めて、淡色のグレーで行きたい」というのも、クライアントからのアイデア。1も2もなく賛成した。
こういったところで、少し主張を抑えると、空間のまとまりがとても良くなる。
1階には水回りと各寝室。中2階に母専用のリビング。光庭に開かれたLDKは、子供室を兼ねるロフトと繋がる。また、元界壁にはボルダリングを施した。奥さんは「おもちゃがリビングに広がらないのが何より嬉しい」と言っている。
洗濯干しはお母様たっての要望だったが、半分は月見台とさせて貰った。そこから見るハルカスはなかなかのもので、都会に住むなら、空を望む価値はさらに大きい。
こだわりがある分、外壁、タイル、家具の仕上げを決める際、迷うことも多くあったが、一緒に考え、アドバイスし、答えを出して行くのが私達の仕事。無理強いはしないのが私のポリシーでもある。
ご家族は本当に明るく、現場打合せでもいつも笑いが絶えなかった。その人柄がそのまま表れた健康な家だと思う。
建築は、クライアントだけ、設計者だけで創るものではないと確信している。
■2年後の感想 - 2017年10月 ご主人より -■
住みやすい家・使いがってのよい家・住みたい家・早く帰りたい家、私たち家族の思いはたくさんありました。
全部を詰め込みたいところですが、費用や5年後10年後先のことを考え、別案を私たち家族の思いに極力すり合わせ提案していただけました。
また、写真を見ていただいてもわかりますが、ガスメーターなど計器類やガス管・エアコンの室外機や雨どいなど、外観美も考え外壁にとけこむように設計してくださいました。
それらが存在することに違和感を感じなかった私が、今や、ハウスメーカーさんや新築された家を見るたび目がいくようになりました。
最後に、皆さんに必ずお伝えする事があります。
光熱費です。生活が始まれば相当重要ですよね。
長屋でフルリノベーション、隣の家と切り離すことなく松虫の長屋は風通し・日の光、春夏秋冬に対応してくれるようになりました。
”気づくより気がきく”(上から目線のようで、生意気で申し訳ありません)、
建築家・守谷さんたちに出会えて本当によかったです。
2013年の3月。「住之江の元長屋」が、大阪の「リフォーム・リノベーションコンクール」で最優秀賞を受賞した。
イベントの一環でオープンハウスを開催したのが9月。かなりの雨の中、夫妻は小さなお子さん2人を連れてみえた。ご主人のお母様も一緒で、その5人がこの家の住人である。
築44年、四軒長屋の中央二棟をリノベーションして住んでおられた。光を求め塔屋ができ、洗濯干し場が屋根上に出来る。非常に良く乾くはずだ。その洗濯干しは残しつつ、家の中を明るく、人の集まる家にしたいという相談だった。
「こうしておけばよかった、という所は全くありません」と言ってもらいました。
北向き四軒長屋の中央二軒に光と風を導いたフルリノベーション。
私も、ほぼやり切ったという気持ちです。
2016年10月29日 毎日放送『住人十色』-部屋を減らして光と風を! 三重苦を克服した長屋-
2016年2月23日 フジテレビ『みんなのニュース』
2016年5月 『住まいの設計7.8月号』掲載
2017年11月 『ESSE12月.1月号』掲載
リビングのボルダリング。グレーでまとめ空間を引き立たせる。上部はキッズスペース。 リビングにおもちゃが広がらず、目も届く位置にある。 奥は減築により採光と通風、また屋上テラスへの階段がある。
エントランスに寄り付きがあると、街への印象はぐっと変わってくる。 アイアン製の程よい格子からなる門はモダンなデザインでありながら防犯対策にもなる。
キッチンとダイニング間に設けた木製のカウンターごしに調理をしながらでも会話がはずみむ。配膳を楽にするだけでなく、何かと増えがちな食器やその他の生活用品をたっぷりと収納できる機能性も持ち合わせている。また天井を剥がし、小屋組を見せることで開放的な空間に変わった。
キッチンの奥には洗面所を配置。キッチンのカウンターやフローリングと色調を合わせ、洗面所の家具がコーディネートされている。テラスへのガラス戸の手前の床に設けられたアクリル板は下階に光を送り届ける役目をはたす。
天井まであるガラス戸を開けると減築によって生まれたテラスと繋がり、さらに開放的なリビング空間になる。採光と換気が十分確保できる。またこのテラスは屋上へのアクセスでもある。
天井まであるガラス戸を開けると減築によって生まれたテラスと繋がり、さらに開放的なリビング空間になる。これで採光と換気が十分確保。またこのテラスは屋上へのアクセスでもある。 夏はバーベキューやプール遊びの場となる。
クライアントのお母様が希望された屋上の洗濯干場。十分な広さを確保し、二世帯家族全員の洗濯物が一気に干せる機能的かつ気持ちの良い外空間。透明の波板シートで屋根を設置してあるので、多少の雨の日でも洗濯物が干せる。
母専用リビング 友達が来ていても気を使わない。かと言って、寂しくもない距離。絶妙の距離感と愛情を感じる。
キッチンから気配を感じることはできるけど、散らかっていても気にならないリビング階段からつながるロフトは子供部屋
リビング階段でつながるロフトは子供部屋
減築によりできた中庭からの光が差し込む
クライアントが送ってくださったテラスでの一コマ。カニを炭火で…いいですね。 長屋をリノベーション。減築によりできたテラスで外との一体感が出ました。
減築によってできたテラスを最大限に利用されています。長屋のリノベーション。
リビングにつながる減築によってできたテラス。夏は室内から見守りができますね。