注文住宅

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」

手掛けた建築家

設計、監理を担当

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (素焼きレンガの外観 -パリのアパルトマン-)

素焼きレンガの外観 -パリのアパルトマン-

コンセプトはパリのアパルトメント。  その表情を持ち、まねごとにならないよう検討

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (リビングダイニング 人を迎える空間)

リビングダイニング 人を迎える空間

造り付けの家具、床、テーブルや小物まで クライアントがこつこつ探してこられた家具でまとめられたこだわりの空間。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (ご主人唯一のリクエスト「酒部屋」)

ご主人唯一のリクエスト「酒部屋」

僅か3畳の空間に、小さな床もしつらえ、壁は墨色とした。天井は葦簀に海老茶の塗装を施した。躙り口から入ると小縁があり、坊主畳が2枚ある。水屋、酒専用のクーラーも備え、大人がお酒をたしなむ小宇宙なのである。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (外観 ファサード)

外観 ファサード

昼景。黒く塗装されたスチール柵と門扉 スチールは堅い素材なので、同じ強度なら、部材はずいぶん細く済む。 難点は錆びですが、これも時々ペンキを塗る覚悟があれば大丈夫。 メンテナンスフリーも良いが、手を掛けてあげるのもそれ以上に価値のあることだと思っている。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (玄関 南仏アンティーク扉)

玄関 南仏アンティーク扉

この家の玄関扉は、2重になっている。 外側にはスチールの扉でそれを開くと、内側に木製の扉。 南仏からやってききた、本物のアンティーク扉である。この扉を付けたい、というのがクライアントの意向だった。 ただ、法的規制で準耐火建築物以上の耐火性能が必要となる。それで、このような構造を考えた。 そこまでして、取り付けた甲斐があったと思える程、いい色、いい質感をしている。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (南仏アンティーク扉)

南仏アンティーク扉

玄関扉は南仏で100年は使われたであろう物を、クライアントがアンティークショップで購入した。分厚く塗られたペンキが、その年輪を感じさせる。ここがパリであっても何ら違和感のない、本物を目指した。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (ファサード)

ファサード

スチール柵と特注の赤いポスト

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (玄関ホール)

玄関ホール

エントランスを入ってすぐの飾り壁は、古レンガを使っている。 レンガやタイルは職人が、一枚一枚手作業で仕上げるもの。 やはり手の跡が残り、味わいがある。 一般的なクロス貼りと比べると、10倍くらいの費用が掛かる。 それに値するよう、どこに、どのくらいの面積を貼るのか、慎重に考えた。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (階段)

階段

階段というのはとても重要で、繊細な部分。 快適に美しく。 ディティールにこだわりスチールの手すりも鉄工所で曲げてもらった。 照明も昇り降りの邪魔にならず、電球を替えられなければならない。 事務所内で基準値は持っているが、クライアントの身長、誰が交換するかによって、微妙に変化する。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (キッチン イケア)

キッチン イケア

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (酒部屋 雪見障子)

酒部屋 雪見障子

酒部屋の中には小縁があり、その上には半畳の畳が2枚。 壁は消し炭色、天井はよしずを海老茶に塗り仕上げた。 見返すと雪見障子。 茶室を意識して造られた。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (酒部屋)

酒部屋

酒部屋のテーブル 大人がお酒を楽しく空間

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (酒部屋ての入り口 にじり口)

酒部屋ての入り口 にじり口

ダイニングにある酒部屋入り口。 酒部屋の躙り口は高さ80cm。 ここに入る人は、みな頭を垂れる。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (子供部屋)

子供部屋

子供部屋の腰壁は杉板にペンキ塗り。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (ベランダのダストシュート)

ベランダのダストシュート

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (2階バルコニーにあるダストシュート)

2階バルコニーにあるダストシュート

ダイニングにつながるバルコニーにはダストシュートがある。 1階のダストボックスにつながる。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (1階庭につながるダストシュート)

1階庭につながるダストシュート

2階バルコニーからつながるダストシュートとダストボックス。 室内にゴミを溜めたくない、ゴミを階下に下ろす作業を軽減。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (玄関ドアの格子 アンティーク扉)

玄関ドアの格子 アンティーク扉

玄関アンティーク扉の格子。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (トイレのドアノブ)

トイレのドアノブ

奥様の細部にわたるこだわりの一つ。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (トイレ)

トイレ

鏡縁、ドアノブ、洗面台、蛇口 細部まで奥様のこだわりを感じるお手洗い。

-時が経つほど愛しくなる-「Shabby House」 (庭)

エントランスの庭。

写真の説明を固定表示

(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)

いい家!
29

この家がいいと思ったらクリック!

手掛けた建築家

用途

自宅

居住者

家族(子供1人)

所在地

大阪府

費用

設計・施工:3000万円台

敷地面積

7760㎡

延床面積

126.33㎡

階数

3階建て

間取り

4LDK以上

完成時期

2011年11月

間取り

手掛けた建築家のコメント

設計、監理を担当

「shabby」を辞書で調べると、「着古した」とか「ぼろぼろの」とある。
クライアントはこの言葉をインテリア用語として見かけたそうだ。「良いものを長く使い、自然に古びて行く物の美しさ、心地よさ」とでも言えば良いだろうか。そして今回のプロジェクト名となった。

キーワードは「パリのアパルトマンと酒部屋のある家」。

家づくりのきっかけ・施主の要望

初めに上がったキーワードは「パリのアパルトマンと酒部屋のある家」。酒部屋は、造り酒屋を回るのが趣味というご主人の、唯一と言って良いリクエストだった。

 外観は焦げ茶の素焼きレンガで、外構、エントランストにもレンガが使われている。こげ茶のレンガに連続する白い窓。家具やフローリングも使えば使う程味がでるものが選ばれた。
夫妻は友人とワイワイと食事するのが楽しみで、プライベートな部分よりも、人を迎える空間にこだわっている。

この事例の見どころや工夫したところ

敷地は閑静な住宅街にあり、東西に長く東で接道している。23坪の敷地は、隣地が旗竿敷地で、南が開かれている。その恵まれた環境を活かす為、中央部にくびれのような光庭をとった。目線は遮るが、光は取込めるようにルーバーも備え、羽根には50度の角度をつけてある。

2階のLDKを中心に、3階に浴室や個室。1階は来客用の空間となっている。

玄関扉は南仏で100年は使われたであろう物を、クライアントがアンティークショップで購入した。分厚く塗られたペンキが、その年輪を感じさせる。ここがパリであっても何ら違和感のない、本物を目指した。

時が経つほど、愛情が増す、愛しくなる。例えるなら古着のよう……そんな家を目指したのだ。

施主の感想

夫婦ともどもお酒好きで友人たちと集まって食事するのが楽しみです。
 この「Shabby House」はあえて「あばらや」と名乗っていますが、 われわれのできる限りのおもてなしをできる空間に仕上がっていると思います。
 それに素材を大切にしており、時間がたっても味わいのある家になっていくと思います。
 今後も小物など、家に合ったものを探していくのも楽しみです。今はそんな納得のできる家ができた達成感で一杯です。
 本当に私達のわがままに付き合っていただき感謝です。

印象に残っていること

外観のコンセプトはパリのアパルトメント。その表情を持ち、まねごとにならないよう検討を重ねた。

酒部屋

お気に入りの酒蔵を回るのを楽しみにしているクライアントが、静かにお酒をたしなむ部屋。
酒部屋の躙り口は高さ80cm。ここに入る人は、みな頭を垂れる。その姿を美しいと感じれる感性こそが、日本が世界に誇るべきものなのかもしれない。
中には小縁があり、その上には半畳の畳が2枚。壁は消し炭色、天井はよしずを海老茶に塗り仕上げた。
見返すと雪見障子。
茶室を意識して造られました。
何故か小宇宙のいう言葉が浮かんでくる。

メディア掲載

2012年6月『ときめく家づくりの素』掲載

いい家!
29

この家がいいと思ったらクリック!

この事例のコンセプト

この住宅の写真

手掛けた建築家

対応業務

注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)

所在地

大阪府大阪市平野区平野西5-6-24

主な対応エリア

三重県 / 滋賀県 / 京都府 / 大阪府 / 兵庫県 / 奈良県 / 和歌山県

全国対応しています。
遠方の方とはオンラインで対応させていただくことが多くなりました。
近畿圏以外でお伺いする場合は実費をお願いしています。

目安の金額

30坪 新築一戸建て

2,550〜4,500万円

60平米 フルリノベ

1,800〜3,600万円

一級建築士事務所アトリエm | 守谷昌紀さんのそのほかの住宅事例

もっと見る

この住宅事例を見ている人におすすめ

もっと見る

この住宅事例に関連するキーワード