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北海道新篠津村の郊外に立つ小さな平屋です。子育て中の家族が3人で暮らします。周りには田畑が広がる自然豊かな環境で、四季を通じて美しい景色が広がる一方で、冬は豪雪、強風といった過酷な環境になります。広大な田園風景を眺めつつ、暖かく過ごせる住まいを計画しました。
お子さんが生まれるタイミングで家づくりを考えられた建て主さん。美しい風景を見ながら暮らしていくための、小ぶりな住まいを望まれました。
窓の外に広がる田園風景が眺められるのが最大の見どこころです。深い軒と柱で切り取られた四季折々の風景が室内から楽しめます。
建物は桁間7間、梁間3間のコンパクトな矩形で、一尺間隔で登り梁と垂木が棟木にかかるシンプルな構造です。登り梁、垂木にはツーバイ材を使うことで、コストを抑えながら意匠にも配慮しています。特徴は、建物を守る深い軒、自然落雪を促す3.5寸勾配の切妻屋根、冬の西風対策を兼ねた水回り、隣の旧家(主に収納用)と行き来しやすい建物配置、将来の間取りの可変性です。室内の仕上げは道産カラ松材、霧島シラスの左官塗り、屋外には道産トドマツ板押縁貼(木酢液ドブ漬け)と経年変化する自然素材で構成しています。
一冬過ごしてみて暖かく、とても過ごしやすかったです。とても住み心地の良いコンパクトなお家で、どんどん愛着が湧いてきています。最近は窓から白鳥が飛んでいくのが見られます。雪解けもだいぶ進んできて、秋に撒いた麦がでてきました。大きな窓から季節を楽しめるのが良いです。春になって雪が溶けたので、引き続き、アプローチを整えたり、家づくりを進めて行きたいと思ってます。
ご相談を受けてからはオンライン打合せを重ね、タイミングを見て直接お会いして打合せを行いました。夏にご相談をいただいたため、秋から冬にかけて実施内容を詰め、雪解けを待って着工しました。
家づくりに積極的に参加してくれた建て主さんご家族。木部の塗装作業の後には、実際に手を動かすことで、より愛着が湧いてきたと嬉しそうに話してくれたのが印象的でした。つくる過程を知ってこれからどう住みこなしていくのか、期待しています。
窓からの景色を眺めながら過ごせる居間と台所です。欄間越しに寝室と繋がります。将来の間取りの変化は中央の柱を頼りに分割できます。床材はカラ松、壁は霧島シラスの左官塗りです。
深い軒と柱で切り抜いた風景。田んぼや畑が広がっています。現しの登り梁と垂木は1尺間隔でかかっています。カウンター下には暖房器具として温水式ファンコンベクターが組み込まれています。
前面道路側からの眺め。写真右は冬の西風を防ぐための防風林のナナカマドの樹です。秋から冬にかけて赤い実をつけます。外壁は道産トドマツ板押縁貼(木酢液ドブ漬け)と経年変化する自然素材で構成し、風景に馴染むように配慮しました。
厳しい環境から建物を守るよう、深い軒の切妻屋根としました。3.5寸勾配とし、自然落雪を促します。写真左の旧家とも行き来しやすいようにしてます。
横並びのアイランドキッチンとダイニング。間にはカラマツ三層パネルの小上がりがあり、1.7m幅の食事用ベンチとしても利用できます。
ダイニングテーブルには吹きガラスのペンダントライトを設置、優しい光が灯ります。小上がりの小窓からは西日が差し込み、霧島シラス壁の柔らかい表情を照らします。
居間に面した7.5畳の寝室です。家族が川の字になって寝られるゆったりサイズで計画し、写真反対側には収納を配しています。将来は子ども室への分割を見据えています。