注文住宅

練馬の住宅 / 様々な場所とお互いの距離感を楽しむ住まい

実施エリア:

東京都

延床面積:

184平米

内容:

敷地は多くの木々で覆われ、中には15mを超すクスノキやケヤキもあり、敷地の広さと木々の魅力を計画に反映させることは、ごく自然に命題となりました。住みながらの建て替えであり、一部残した既存建物をうまくよけながら、樹木の間を縫うように建物を配置するスタディを重ねました。最終的には4つの棟を廊下で繋げるかたちとしています。棟ごとにLDK、寝室、和室、子供部屋等の機能を与え、それぞれ違う方向に向いた片流れの屋根を設けることによって、住まい全体に様々な経験ができる場所をつくっています。その上で、お互いに関係性を持たせるように設計しました。具体的には、各棟から別の棟が見えるように開口部を設け、さらにその間に外部空間をはさむかたちとしています。お互いの距離と見え方の角度、外部空間のとりかたを注意深く設計し、四季を通してそれぞれの場所での経験と場所どうしの距離感を楽しむ事ができる住まいにしています。

森吉直剛

クライアントからのご要望として、必要諸室、部屋の大きさ、収納の容量などをお聞きします。これらは重要な「必要条件」です。それに対し私からは理想の住まいについてもお聞きしています。それはクライアントが思い描く生活シーンの中に潜んでいます。たとえば「自然と一体となった」や「家族の気配が感じられる」とか「友人と楽しくすごす週末」などです。私からも新たにイメージを提案して議論していくうちに、クライアント「オリジナルの生活シーン」がみえてきます。それを実現することを「十分条件」として設計をはじめます。まず必要条件を満たしてから十分条件も確保していこうとするのが通常かもしれませんが、逆に十分から必要に戻っていくほうが、クライアントにとってより良い住まいができあがる場合もあります。必要諸室は、子供の成長など時間の経過で変わっていきますが、オリジナルの生活シーンはなかなか色褪せるものではありません。設計中は、必要と十分の兼ね合いを、模型や図面を元に、クライアントと何度も対話し、確認しながら決めていきます。最終的にクライアントとの共作として、必要機能を満たしながら、クライアントオリジナルの生活シーンのための「環境」を、現場監理も通してつくりあげていくことが私の役割であると考えています。