マンションリノベーション・リフォーム

T邸 / 風が通り視線が通る、家全体を一日中使える小さな住まい

面積:

58㎡

築年数:

16年

エリア:

神奈川県

内容:

日本の集合住宅はnLDK型画一化の弊害として、風通しと部屋どうしの繋がりを失ってきた。玄関入って中廊下の両脇に個室、奥にLDKとベランダという平面では、角部屋でない限り風の出入口両方は確保出来ず、また各個室は孤立してしまっている。今回の築16年のマンションは、まさにこのプランで、58平米に個室2つと和室を併設したDKに夫婦と子供2人が暮らしていた。今回、浴室と洗面所以外をスケルトンリフォームすることによって、これまで無かったリビングを確保し、さらに風の通り道をつくりながら2つの寝室を設けている。さらに収納スペースを増やすために、クローゼット以外に1つの寝室の床下全面を収納スペースとしている。そこは和室として日中はもう1つの居間となり、また床の上がりを42センチとして和室の板縁をイスとした子供の勉強スペースにもなっている。ここは、子供が寝静まった夜には夫婦の寝室に併設された書斎にも兼用できる。その他キッチン収納に色をつけて空間のポイントにしたり、リビングの壁の一つの面を木として全体が繋がりながらもそれぞれの場所に意匠的特徴をもたせた。

この住宅事例を手掛けた建築家

森吉直剛

建築家 / @東京都

クライアントからのご要望として、必要諸室、部屋の大きさ、収納の容量などをお聞きします。これらは重要な「必要条件」です。それに対し私からは理想の住まいについてもお聞きしています。それはクライアントが思い描く生活シーンの中に潜んでいます。たとえば「自然と一体となった」や「家族の気配が感じられる」とか「友人と楽しくすごす週末」などです。私からも新たにイメージを提案して議論していくうちに、クライアント「オリジナルの生活シーン」がみえてきます。それを実現することを「十分条件」として設計をはじめます。まず必要条件を満たしてから十分条件も確保していこうとするのが通常かもしれませんが、逆に十分から必要に戻っていくほうが、クライアントにとってより良い住まいができあがる場合もあります。必要諸室は、子供の成長など時間の経過で変わっていきますが、オリジナルの生活シーンはなかなか色褪せるものではありません。設計中は、模型や図面を元に、クライアントと何度も対話し、確認しながら決めていきます。最終的にクライアントとの共作として、必要機能を満たしながら、クライアントオリジナルの「生活環境」を、現場監理も通して確実に実現していくことが私の役割であると考えています。

森吉直剛

建築家 / @東京都

森吉直剛さんの住宅事例