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設計、監理、インテリアを担当
築11年のタワーマンションの最上階の住戸です。クライアントの要望は、内装を好みの色合いと素材にすること、壁を撤去してオープンキッチンにすること、書斎やクローゼットに造作家具を設置すること、そして、ソファ、ダイニングセットなどの家具は好みのものを選定して空間に合わせて入れる事でした。限られた予算の中で、キッチンと家具はこだわりたいということで、内装はできるだけコストを抑えることが命題となりました。
リノベーションでコストを下げる手法として、解体を減らして職人の手間を少なくすることの効果が大きいです。従って今回は、仕上げ材の解体撤去を殆どせず、基本的に既存の上に増し貼りをして全ての仕上げを変えることにしました。壁と天井はプラスターボードを増し貼りし、床は既存フローリングの上に、さらに挽板フローリングやカーペット等を増し貼りしています。天井が9.5mm低くなり、床が12mm程上がりますが、天井高が既存で2.8Mあったことから、天井高さの体感としては殆ど変わらないだろうと判断しました。荷重も若干上がりますが、既存図面が施工図も含めて残っていたこともあり、下地や躯体の状況を検証し、問題ないことを確認した上でこの手法を選定しました。既存の収納は、そのままの形状で生かし、仕上げをシートで覆い直し色と質感を変えています。これらの手法は、それぞれの端部の処理や既存設備との取り合いに破綻を起こさないことが前提となります。既存内覧時に、この視点で端部や取り合いを注意深く調査して、実現可能な事を確認した上で提案しました。その効果から、他社提案より大きく減額ができたようです。
仕上げ材と家具選定は、クライアントと共に多くのショールームを廻り、サンプルを受理して部位別でアンバランスにならないように確認しながら選定していきました。この課程は、全体の出来上がり空間を想像しながら、個別でなく総合的に判断していくことが重要です。今回個々の選定をクライアントが、全体のコーディネートと調整を当方が行い、全体の色合いや質感の統一感を確保しています。
今回は、クライアントが建築家、メーカー、そして施工会社に対して常に専門家として信頼していることをプロジェクトの期間通して感じました。その有り難い思いをクライアントに還元することは、プロジェクト関係者全員の自然な流れとなっていました。キッチンメーカー、家具メーカー、施工会社の方々の素晴らしい仕事ぶりは、全てがクライアントの誠意からつくりだされたと感じられたプロジェクトでした。
タワーマンションの売り情報がたまたま入りご購入されました。既存のプランは気に入っていましたが、内装の色合いや、キッチンなどを変えたい事から建築家にご依頼を決められたようです。内装を好みの色合いと素材にすること、オープンキッチンにすること、書斎やクローゼットに造作家具を設置すること、そして、ソファ、ダイニングセットなどの家具は好みのものを選定して空間に合わせて入れることがご希望でした。
限られた予算の中で、キッチンと家具はこだわりたいということで、解体を減らし、内装工事のコストダウンを実現しました。基本的に既存の上に増し貼りをして全ての仕上げを変えることにしましたが、端部の取り合いなどを破綻無く納めるため細かいディテールの設計が重要でした。
内装材や家具は、全体の出来上がり空間を想像しながら、クライアントの要望を採用しながら微調整をしてコーディネートしています。
Photo Copyright Satoshi Shigeta
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