注文住宅

小松島の家 / 「間」に住まう

実施エリア:

徳島県

延床面積:

163平米

内容:

敷地内それぞれの場所で自然との関係を読みとり、その場所に相応しい諸室を自然との繋がりを持たせる開口、テラスを設けて配置した。そして、これら諸室を緩やかに繋げていくこと、すなわち個々の室からは、また別の室が窓、テラス、庭、屋根架構等を通して感じられるように構成している。このように自然との「間」、空間と空間との「間」に住まうことがこの場所に相応しいと考えた。これら2つの「間」と共に、記憶との「間」という要素も加えた。敷地は住み手の生家があった場所でもあり、老朽化し解体することとなった母屋の材料(瓦、柱、梁、建具、基礎御影石)を一部保存し、また思い出のある木々を残し各空間に再利用している。自然、空間、記憶の「間」に住まう住宅である。    2003年木の国日本の家デザインコンペ優秀賞受賞

森吉直剛

クライアントからのご要望として、必要諸室、部屋の大きさ、収納の容量などをお聞きします。これらは重要な「必要条件」です。それに対し私からは理想の住まいについてもお聞きしています。それはクライアントが思い描く生活シーンの中に潜んでいます。たとえば「自然と一体となった」や「家族の気配が感じられる」とか「友人と楽しくすごす週末」などです。私からも新たにイメージを提案して議論していくうちに、クライアント「オリジナルの生活シーン」がみえてきます。それを実現することを「十分条件」として設計をはじめます。まず必要条件を満たしてから十分条件も確保していこうとするのが通常かもしれませんが、逆に十分から必要に戻っていくほうが、クライアントにとってより良い住まいができあがる場合もあります。必要諸室は、子供の成長など時間の経過で変わっていきますが、オリジナルの生活シーンはなかなか色褪せるものではありません。設計中は、必要と十分の兼ね合いを、模型や図面を元に、クライアントと何度も対話し、確認しながら決めていきます。最終的にクライアントとの共作として、必要機能を満たしながら、クライアントオリジナルの生活シーンのための「環境」を、現場監理も通してつくりあげていくことが私の役割であると考えています。