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場所は都心近郊の住宅密集地で約30坪の敷地でした。第1種低層住居専用地域で建坪率が40%、容積率が80%と厳しく、夫婦+子供2人の住まいとして面積確保のために、地下1階地上2階建て延床面積約37坪で計画しました。
1階は寝室、子供部屋、水回りを配置し、2階がLDKとなっています。
地下は映画を見たり、ちょっと運動したり出来る多目的室と納戸となっています。この地下のスペースを確保することによって、機能に幅が広がり、住まいにゆとりをもたらしています。
全体形状は北側高度地区制限をクリアーした変形切妻となっていて、妻側が道路の正面になります。地下は半地下として、一部地上に開口部を設けて採光と通風を確保しました。その関係から、玄関と地下、1階はスキップフロアーの関係となって、玄関から半階降りると地下、半階上がると1階になっています。地下の多目的室は、上部で玄関と繋がっていて、引戸をあけると風が抜けるようになっています。
外観の木の部分は2階のリビングに面したバルコニーの目隠しとして施したウッドデッキ材です。道路からの視線をカットすると共にリビングに面した半屋外空間をつくっています。
キッチンの上には屋上があって、そこから2階リビングに窓が設けられています。三角形の小さな窓ですが、窓先に隣家は見えず常にオープンに出来ます。小さなスペースで開放感を持たせるにはカーテンを設けなくても気にならない位置に窓を設けると効果的です。カーテンが無いことは広がり感にとってとても重要です。
この物件はクライアント自身も設計者であり共同設計でした。森吉直剛アトリエは同業者からの依頼物件が少なくありません。構造設計者や今回のように意匠設計者からもご紹介頂いたり、今回のように共同で設計をすることがあります。
コラボレーションすると普段やらない手法にトライしたり、出来上がる空間で普段の自分の設計ではなかったスペースが現れます。今回クライアントの奥様が照明メーカー勤務ということもあって、照明計画はクライアントにお任せしました。結果、空間の主要なところに間接照明を施しましたが、空間の雰囲気作りにとても有効でした。またそれほど広くない空間では端部に間接照明を施すことで終わりを曖昧にして広がりを演出する事も発見でした。
このように、都心の狭小地での住まいとして、半地下を設けることと2階をLDKとしてそことつながった屋上を設けること、そして終わりを照明で曖昧にする事は、実際の面積以上に広がりと開放感をもたらす大変有効な手法だと思われます。
「桜上水の住宅」は私の自邸で森吉さんと一緒に設計した住宅です。私は今までRC造や鉄骨造の建物しか設計したことがなく、森吉さんの木造住宅のご経験と豊富な知識とアイディアで、楽しく打合せを重ねて設計し、第1種低層の制限のあるコンパクトな土地を、最大限有効利用した、とても住み心地が良く、木のぬくもりを感じられる住宅が実現できました。ありがとうございました。
Photo Copyright Satoshi Shigeta
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