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外観夜景
クライアントが望まれた「地域に開かれた住み方」を考える中で、元幼稚園教員の夫人が集めた絵本を開放する子供文庫、器楽奏者の夫がアンサンブルなどの演奏を楽しめる簡易ホールを持った住まいになりました。夜景では、そんな住み方が窓を通して浮かび上がっています。
外観
地域の人に気軽に立ち寄ってもらえる柵がない公園のような庭、というご希望からオープンな庭をつくりました。 角のスリットからはおすすめの本が顔を出しています。 シンボルツリーのジューンベリーは実をたくさんつけるそうで、ジャムなどにして楽しまれています。
外観
地域に開いた公園のような緑を抜けたアプローチの奥に玄関の木の扉が現れます。 外構は、この地域ならではの土の色に近い石を敷き詰め、カバープランツで緑目地の仕上げを育てていきます。 左手には絵本が読める子供文庫があり、そのアクセスも兼ねた縁側が訪れる人を迎えます。
屋根
大屋根の下で矩のついたて＝L字の壁、が隙間を空けて緩やかにつらなっています。屋根の棟に沿って斜めの軸の奥にプライバシー、手前に開放性が高まるように部屋を配置しています。公園のように開かれた庭です。
玄関よりリビングを眺める
玄関を開けると、障子の向こうに簡易ホールにもなるリビングとその天井が広がります。 玄関の土間は将来、バリアフリーの為に昇降台を設置することを想定した広さになっています。
リビング-簡易ホール
リビングダイニングは、管楽器を扱うクライアントが演奏をしたりアンサンブルを楽しめる簡易ホールにもなります。音響を考えて左右非対称、勾配天井というリクエストから導かれたデザインになっており、木管と木の天井の相性がとても良い響きを生んでいます。
リビング
天井が高く開放性のある空間を効率的に空調する為に、特殊な床下全館空調を採用しています。日射の影響の高い大きな窓の下にはスリットの吹き出し口を設け、影響を和らげ、コールドドラフトを防止しています。 猫は一番気持ちの良い場所を知っていますね。
窓
子供文庫よりリビングの眺め 子供文庫は数段下がって子供が座ると隠れられる高さで、周囲を囲われた安心できるスペースになっています。 階段に座ってお話会や紙芝居も出来そうです。
子供文庫の部屋
子供文庫は、幼稚園の元教員だったクライアント夫人の絵本のコレクションが棚一面に並びます。少し掘り下げられた畳敷の空間は子供が座ると囲われて安心できる居場所になります。時にはカーテンで区切られて来客のゲストルームとしても使われます。
子供文庫
子供文庫よりリビングとアプローチを眺める 窓際の子供文庫の棚は外のデッキと同じ高さで、外からの出入りや、座ったり寝転んだりして庭を感じながら本に親しめる場所になっています。
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リタイア世代のすまい方のポジティブな可能性を探すプロジェクト。
新天地への移住に際して、後から移る者として地域に貢献し開いていたい、という夫婦の考えのもと、元幼稚園教員の夫人の子供文庫、器楽奏者の夫の簡易ホールを中心に解放性のある住まいが求められた。
しかし、新しい場所で解放と両立するプライバシーも必要ではないか。また、長い時を過ごす空間が豊かであるよう、多様性と展開性のある場をつくり、それが同時に、広く／奥に竹林や小川を抱く奥深い地形を活かすよう考えた。
動物が安心する場所は、見晴らしが良くかつ身を隠せる場所だと聞く。
大屋根の下で矩のついたてが隙間を空けて緩やかにつらなる空間、これを貫く斜めの軸の奥にプライバシー、手前に開放性が高まるよう機能を配置し、軸の左右に交互に重なる矩のついたてが自然な隠れ処にもなる。矩の隙間から、光や緑と地域の顔・風景とが行き来し、豊かな共存が立ち現れるだろう。
お子様の美容院設立のリサーチ中にイベントで出会い、意気投合して盛り上がり、その後以前から考えていらっしゃったリタイア後の移住をご相談頂きました。
・緑のアプローチを抜けて、玄関に向かいます。 左手には子供文庫の出入りにもなる縁側が来る人を迎えます。
・地域に公園のように庭を開きたいというご希望に沿って、道路から開放的なアプローチとなっています。 スリットからは子供文庫の本の紹介コーナーがのぞきます。
・子供文庫は少し床が下がり、座ると体が隠れる高さで子供に安心感と居場所を与えます。
・奥まで20m近い長手方向の抜けが、コンパクトな床面積でありながらも開放感と広がりを感じさせます。
・天井が高いため、人の高さの生活圏を効率的に空調する、特殊な床下全館空調を採用しています。 窓の下のスリットから吹き出しコールドドラフトを抑えるため、冬暖かくとても快適な環境です。
・「矩」という直角の壁がオープンな空間に対して身を隠す守られた場所となります。 プライバシーを守る空間が、豊かに開く暮らしを可能にします。
器楽奏者のクライアントが小さなコンサートを行える簡易ホール兼リビングは、音響のために、勾配+非対称な天井としていて、 木の仕上げが音響的にも木管との相性がとても良いと喜んで頂きました。 地域の方とアンサンブルをするなど楽しまれています。
首都圏にお住まいだったため、移住先の山口の工務店を決め、土地探しをお願いしました。移住の制度を活用して何度か行き来し気になった土地に出会い、持ち主を探してもらって交渉し、土地が決まりました。私たちも敷地をしっかり観察し、地場の工務店のアドバイスも伺いながら設計を進めました。
ご自宅に伺って暮らしぶりを見せていただいた後、
・新天地への移住に際して、後から移る者として地域に貢献し開いていたい
・子供文庫と簡易ホールのある家、ホールは音響を良くするために勾配+非対称の屋根にして欲しい
・抜けのある空間にしたい
・庭も地域の公園のように柵を設けず開きたい
という条件をお話しされた後、
これ以外は一切お任せします。とおっしゃられて全般の信頼を下さった事です。
ご期待に応えたいと、気が引き締まりました。
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クライアントが望まれた「地域に開かれた住み方」を考える中で、元幼稚園教員の夫人が集めた絵本を開放する子供文庫、器楽奏者の夫がアンサンブルなどの演奏を楽しめる簡易ホールを持った住まいになりました。夜景では、そんな住み方が窓を通して浮かび上がっています。
地域の人に気軽に立ち寄ってもらえる柵がない公園のような庭、というご希望からオープンな庭をつくりました。 角のスリットからはおすすめの本が顔を出しています。 シンボルツリーのジューンベリーは実をたくさんつけるそうで、ジャムなどにして楽しまれています。
地域に開いた公園のような緑を抜けたアプローチの奥に玄関の木の扉が現れます。 外構は、この地域ならではの土の色に近い石を敷き詰め、カバープランツで緑目地の仕上げを育てていきます。 左手には絵本が読める子供文庫があり、そのアクセスも兼ねた縁側が訪れる人を迎えます。
一面の本棚に置かれた絵本のコレクションは子供文庫として地域に開放していて、デッキからもアプローチできます。デッキはちょっとしたご近所の交流スペースになっています。
大屋根の下で矩のついたて＝L字の壁、が隙間を空けて緩やかにつらなっています。屋根の棟に沿って斜めの軸の奥にプライバシー、手前に開放性が高まるように部屋を配置しています。公園のように開かれた庭です。
玄関を開けると、障子の向こうに簡易ホールにもなるリビングとその天井が広がります。 玄関の土間は将来、バリアフリーの為に昇降台を設置することを想定した広さになっています。
リビングダイニングは、管楽器を扱うクライアントが演奏をしたりアンサンブルを楽しめる簡易ホールにもなります。音響を考えて左右非対称、勾配天井というリクエストから導かれたデザインになっており、木管と木の天井の相性がとても良い響きを生んでいます。
天井が高く開放性のある空間を効率的に空調する為に、特殊な床下全館空調を採用しています。日射の影響の高い大きな窓の下にはスリットの吹き出し口を設け、影響を和らげ、コールドドラフトを防止しています。 猫は一番気持ちの良い場所を知っていますね。
リビングより奥を眺める
リビングより庭の眺め 深い庇が夏の日差しを和らげ、冬の日差しを室内に導きます。
ダイニングから玄関・子供文庫の眺め
子供文庫よりリビングの眺め 子供文庫は数段下がって子供が座ると隠れられる高さで、周囲を囲われた安心できるスペースになっています。 階段に座ってお話会や紙芝居も出来そうです。
オープンな室内の中で、書斎は壁の後ろに身を隠し、座る位置でプライバシーの調整ができるスペースです。
子供文庫は、幼稚園の元教員だったクライアント夫人の絵本のコレクションが棚一面に並びます。少し掘り下げられた畳敷の空間は子供が座ると囲われて安心できる居場所になります。時にはカーテンで区切られて来客のゲストルームとしても使われます。
子供文庫よりリビングとアプローチを眺める 窓際の子供文庫の棚は外のデッキと同じ高さで、外からの出入りや、座ったり寝転んだりして庭を感じながら本に親しめる場所になっています。
最も奥まった場所は寝室で、スリットから北の柔らかな光が壁を照らし静けさと奥行きを与えています。
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