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子供が生まれたことをきっかけに、都会のマンションから田舎の庭のある平屋へ移住を決めた家族のための住宅です。
大型犬2匹と家族とともに庭遊びや庭仕事の時間を楽しむ暮らしを叶えるために、家と庭がボーダレスにつながる関係をつくりました。
敷地は都心から1時間ほどしか離れていないのに田舎の景色が色濃くのこる場所。農家づくりの家々がほのぼのとした町並みを形成する地域です。施主は都内勤務で、比較的勤務時間を自分でコントロールできる反面「ONとOFF」の切り替えが難しく、休まる時間が少ないことを悩みとしていました。一昨年、子供が生まれたことをきっかけに、都会のマンションから田舎へ移住を決断。都心から程よい距離にありながら、田舎の雰囲気を残すこの土地をみつけ計画がスタートしました。
施主の希望は、大型犬2匹と家族とともに庭遊びや庭仕事の時間を楽しむ田舎暮らし。屋敷林に囲まれた雰囲気で、家族や犬が庭へアクセスしやすいリビング、薪ストーブがある生活などを希望していました。
田舎暮らしを楽しむために、内と外の行き来をストレスなく繋げられないかと考え、庭との境界にはリビングと同じ広さの「差掛け屋根」のテラスを設けています。庭に出るのが楽しくなるようなテラスとしたく、光を透かすポリカーボネイト板と影をつくる木製ルーバーで構成し、どの季節でも使える明るい半屋外空間としました。引込のヘーベーシーべ窓を採用し網戸や枠などの窓廻りのディティールレスとし、床は室内とつながるモルタルの土間。内外をつなぐ拠点として、犬も人もボーダレスに出入りできるような環境を作っています。
建物全体は四季のある気候に合わせてつくられた日本の家の作り方と同じ様に、東西に長く低く計画しました。どの部屋も日当り良く・風通し良く・庭を眺められるパッシブデザインとしています。
家の空間をとても気に入ってくれています。広い敷地は、時間をかけて施主が自ら開拓をしながら作っていく事になっりました。現段階では、施主がセルフビルドした道具小屋(BESS)と、芝の庭が出来上がっています。井戸水を汲上げている水場や、薪や竹を加工する木工場、廃材を燃やす焚木場など、いくつかの拠点をもって、今後は犬のためのドックランやバーベキューテラス、畑などを楽しみながらつくって行く予定です。休日のたびに庭仕事を進め、道具も増えて今ではプロ並の腕前です。家を拠点に今後どのように変化していくか楽しみな住まいです。
ご相談あってから2案ほどを検討+プレゼンして今回の案を選んでもらいました。設計でには生活の変化を受け入れていけるシンプルさと強さと美しさを追求し、図面、模型、3Dソフトにて空間を共有しながら進めました。わたしの手掛けた物件を巡り素材の確認をしたり時間をかけ設計しました。工務店選びでは何十件の候補から3社ほどに協力いただき相見積もりで進めました。かしの木建設さんは大工工事に長けており、細部まで気にかけながら施工いただきました。
家の建設と同時に、施主セルフビルドの小屋も施工が始まりました。家の施工工程とほぼ同じペースで小屋作りも進んだこともあり、施主とは毎週現場で打合せさせていただきました。施主が家造りに積極的に関わってくれて、とても楽しく有意義な時間を共有できました。
広い庭での生活を楽しむための拠点として、四季を通じて使える土間のある日本の農家づくりの家からヒントをもらい「差掛け屋根」と「土間」で内外をつなげています。田舎暮らしを楽しむ拠点として、外にでるのが楽しくなるようなテラスのある住宅です。
差掛屋根のある大きなテラスと引込戸の大開口。建物は東西に長く配置してどの部屋も明るく庭の景色が楽しめるよう計画しました。
内外をボーダレスにつなげる差し掛け屋根のテラス。庭に出るのが楽しくなるような場所です。
リビングと同じ大きさのテラスにかかる差し掛け屋根は、光を透かすポリカーボネイト板と影をつくる木製ルーバーで構成し、どの季節でも使える明るい半屋外空間としました。木製ヘーベーシーべの引込戸を開け放つと室内とテラスが一体化します。床は室内とつながるモルタルの土間とし内外をボーダレスにつなげました。
庭には施主がセルフビルドした道具小屋(BESS)と、芝の庭が出来上がっています。井戸水を汲上げている水場や、薪や竹を加工する木工場、廃材を燃やす焚木場など、いくつかの拠点をもって、今後は犬のためのドックランやバーベキューテラス、畑などを楽しみながらつくって行く予定。
差掛け屋根のテラスはLDKと同じ大きさ。明るいテラスは一年を通して庭仕事の拠点となります。東西に長く、南北に浅い建物形状にすることで、どの部屋も明るく風通しの良い空間としています。
軒下のテラスは家事スペースとして。雨の日でも洗濯物を干しておけるよう、奥行き1200mmとして設計。
北側となるアプローチ側は、開口を抑え断熱性能を高くするとともにプライバシーに配慮。
テラスに連続するリビングダイニング。差掛け屋根と天井を同じ勾配にして内外の連続感を高めています。隣接するラウンジはハイサインドライトから採光し、北向きではあるが一日中明るい場所。LDKと柔らかく分けられたご主人のスペースとして、暖炉・ワークデスクを配置しています。
キッチンからはアプローチ、リビングダイニング、ラウンジ、テラス、庭、プレイルームと家の大部分を見渡せます。アイランドキッチンはセラミックストーンの天板とタモ突板の造作家具。コンロはセパレートにして壁付にすることで勾配天井をきれいに見せています。タモ板貼りの勾配天井のにつく照明も大工造作のニッチのなかに収めています。
ラウンジは家での仕事時間も多いご主人のためのワークスペース。リビングダイニング越しにテラスと連続しています。
LDKから連続するプレイルーム。家の中はできるだけ仕切らず空気がつながるような計画です。G1相当の断熱性能を確保し、最小限の熱源で家中を暖かくする設計です。リビングに隣接するプレイルームは、子供が巣立った後にはリビングの延長としてご夫妻の趣味のスペースになる予定です。
全開口できる引戸はNANIKの可動ルーバー建具。空気を循環させつつ、プライバシーも守れる優れものです。2部屋に仕切ることも、リビングから玄関ホールまで連続させることもでき、生活の変化に合わせ可変可能な部屋となっています。
庭へと続く明るい玄関ホール。右手の可動ルーバー建具をあけるとプレイルームに続きます。
パブリックスペースとプライベートスペースをつなぐ生活動線となる中廊下。奥はハイサイドライトが設定されているので照明がなくとも明るい廊下となっています。手前は家の中で唯一暗い廊下。明るい玄関ホールから一度この暗い廊下を通り、また開放的なリビングダイニングへと続く動線を演出しました。特殊塗装でテクスチャーをつけた右の壁は、ギャラリーとして使う予定。
家事テラスへと直接アプローチできる洗面スペース。オーク材と人工大理石の造作洗面台と鏡収納に加え、家事に役立つマルチシンクも設置。美しくも実用的なスペースを目指している。
土間続きの中廊下には大型犬2匹のためのペットルームも設けました。中にはペット用品の収納棚と換気扇を世知しています。入り口の高さも犬の高さに合わせています。
一番東に配置された主寝室には、裏の竹林を絵のように切り取る窓をつけました。採光・換気ははハイサイドライトで行っています。
夜になるとハイサイドライトや大開口から光が溢れます。裏庭までの広い敷地での田舎暮らしの拠点となる暖かな住まいです。