注文住宅

徹底的に生成りのビルトインガレージハウス/Imさんの家

費用:

2000万円

実施エリア:

埼玉県坂戸

築年数:

2004年

内容:

現しの杉構造材とむく杉板の床、外断熱の下地用構造合板の内壁で構成された、『徹底的に生成りの住宅』です。室内全てに木質系素材を多用し、大多数の部分を無塗装で仕上げました。

さらに、将来の未確定な使用形態にフレキシブルに対応できるようになっています。玄関ホールの正面にガレージを配置し、車という共通の趣味を持った仲間や同僚が多数集い、語らえるようにガレージ横に作業カウンター、ホビースペースのつくり付けテーブルやプラモデル展示棚などを備えています。1階のガレージ奥には奥様の趣味の菓子工房を設け、ここからも車が見えるようになっています。2階LDKスペースは、吹抜けと
大開口、屋根中央を横切る大きなトップライトなどによって、木質系仕上げの各面に自然光を程よく配されています。

南東に配置された華奢な鉄骨の螺旋階段は、将来のロフト床の増築に備え、吹抜け上下の一体感を持たせながら、将来の夢と可能性を与えています。

ビルトインガレージ

ご主人が出張の時に購入した船舶用の照明器具。露出している配管を塗装して色を合わせたのもご主人。これからも少しずつ手をいれながら、気兼ねなく加工ができる自由さが、何よりもこの家の良さ・・・だと嬉しいところです。

ビルトインガレージ

愛車と一緒に暮らしたい・・・そんな気持ちがガレージとエントランスホールを一室にさせました。右側の直階段はリビングへと続きます。最初の提案は全面がガラス張りだったところ、「そこまではちょっと照れます・・・」ということで、玄関横の壁の一面だけガラス窓にして、車の一部が見えるような案へと。外を通る人に充分この家のことが伝わる。建て主さんとの打ち合わせでデザインが決まっていきました。

ビルトインガレージ・ホビー室

壁面には工具類が整然と架けられ、奥には模型づくりの作業台があります。コストを抑えるために、他のプロジェクト同様にここでも構造用の材料をそのまま仕上げに使用して、ガレージらしさを引き出している・・・。それは、ご主人の愛車に通じています。スピードもそれほど出ない。エンジン音が大きい。乗り心地もけっして快適とは言えない……それでも、持てる性能をフルに引き出す楽しみを与えてくれる英国の小さな名車。自分の手で動かしてるんだという気にさせてくれる車の楽しさ。愛車と住まいとご主人をはじめご家族の哲学がこの家を生んだのだと思います。建築家はその考えを聞きながら、答えを何か月も依頼主の方々と共に探してゆく・・・。そのように建築家を利用して頂く方が非常に少なくなった今では、非常に幸せなご家族との出会いでした。

ビルトインガレージ

道具はしまわずに見せる主義。家族全員のキャンプ用具もガレージの工具たちと一緒に。

ビルトインガレージ

愛車と暮らす家なら、愛車の為に使う道具たちも、最高のインテリア。しまわずに見せてゆきます。

徹底的に生成りのリビング

床も柱もほとんどが無塗装の杉の無垢材を使用しています。経年変化で表面もなめらかに落ち着き、素足で床を歩きたくなる心地よさです。こまめに雑巾がけを続けている賜物でもあります。
アイランドキッチンは杉で統一。ご同僚の家族が集まるパーティや、ママ友達との女子会などで大活躍するオープンキッチンです。一階に設けている将来の店舗スペース。その向かい側は公園が広がって、お茶やケーキの楽しいお店になりそうです。隣接するガレージの車も店内からも見えるようにしたいね、とお考えのようです。

徹底的に生成りのダイニングとキッチン

シンクはアイランドキッチン。ガレージと同様に、キッチンも個性豊かな色やカタチの品々が住まいを生き生きとさせています。

外観

リズムよく配置された窓たち。1階右側は、将来公園が眺められる店舗を予定したスペースです。

森 大樹/小埜勝久

●住んで戴きたい家の為に・・・  環境に優しい家、住まい手に優しい家とはどの様なものでしょう?人類の家づくりの歴史は、現代のような設備機械の無い時代が長く、基本的な性能を高めることの工夫の歴史でした。我が国では屋根の深さ、断熱材と耐火の役割を持った左官壁、季節に応じて使い分ける建具の多様性に至る歴史に他なりません。左官壁は今や断熱材に置き換えられる様になりましたが、建築は最も信頼のおける基本性能の寿命の分だけ、環境に適応してきました。そうとは言え、設備に頼らないわけにも行きません。それなら私達は先ず、古来の建築の建て方に学び、まず基本性能を充実させる事を考えましょう。半端な建築では設備機器に負担をかけ、設置費用の分を取り戻すかそれ以前に、それらの省エネ設備の寿命は尽き、次の世代に資産価値として残すにも残念な結果を招いてしまいます。それにも関わらず、環境に優しいという建築は、設備機器だけが関心事となっているようでは本末転倒です。設備機器の設置は後でも可能ですし、これからも値は下がりますが、建築工事は後になるほど高くつきます。敷地の余裕が許す限り、屋根をしっかりかけ、断熱性能をしっかりあげ、機械に頼らない、エネルギー消費に頼らない住宅を作りましょう。 【 これからの建築は、燃費も考えて住んで欲しいと思います。そして、いつまでも価値のある住まいで健康に生活してもらえる家をこれからも提案したいと思います。】

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