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現しの杉構造材とむく杉板の床、外断熱の下地用構造合板の内壁で構成された、『徹底的に生成りの住宅』です。室内全てに木質系素材を多用し、大多数の部分を無塗装で仕上げました。
さらに、将来の未確定な使用形態にフレキシブルに対応できるようになっています。玄関ホールの正面にガレージを配置し、車という共通の趣味を持った仲間や同僚が多数集い、語らえるようにガレージ横に作業カウンター、ホビースペースのつくり付けテーブルやプラモデル展示棚などを備えています。1階のガレージ奥には奥様の趣味の菓子工房を設け、ここからも車が見えるようになっています。2階LDKスペースは、吹抜けと
大開口、屋根中央を横切る大きなトップライトなどによって、木質系仕上げの各面に自然光を程よく配されています。
南東に配置された華奢な鉄骨の螺旋階段は、将来のロフト床の増築に備え、吹抜け上下の一体感を持たせながら、将来の夢と可能性を与えています。
ご主人が出張の時に購入した船舶用の照明器具。露出している配管を塗装して色を合わせたのもご主人。これからも少しずつ手をいれながら、気兼ねなく加工ができる自由さが、何よりもこの家の良さ・・・だと嬉しいところです。
愛車と一緒に暮らしたい・・・そんな気持ちがガレージとエントランスホールを一室にさせました。右側の直階段はリビングへと続きます。最初の提案は全面がガラス張りだったところ、「そこまではちょっと照れます・・・」ということで、玄関横の壁の一面だけガラス窓にして、車の一部が見えるような案へと。外を通る人に充分この家のことが伝わる。建て主さんとの打ち合わせでデザインが決まっていきました。
壁面には工具類が整然と架けられ、奥には模型づくりの作業台があります。コストを抑えるために、他のプロジェクト同様にここでも構造用の材料をそのまま仕上げに使用して、ガレージらしさを引き出している・・・。それは、ご主人の愛車に通じています。スピードもそれほど出ない。エンジン音が大きい。乗り心地もけっして快適とは言えない……それでも、持てる性能をフルに引き出す楽しみを与えてくれる英国の小さな名車。自分の手で動かしてるんだという気にさせてくれる車の楽しさ。愛車と住まいとご主人をはじめご家族の哲学がこの家を生んだのだと思います。建築家はその考えを聞きながら、答えを何か月も依頼主の方々と共に探してゆく・・・。そのように建築家を利用して頂く方が非常に少なくなった今では、非常に幸せなご家族との出会いでした。
道具はしまわずに見せる主義。家族全員のキャンプ用具もガレージの工具たちと一緒に。
愛車と暮らす家なら、愛車の為に使う道具たちも、最高のインテリア。しまわずに見せてゆきます。
床も柱もほとんどが無塗装の杉の無垢材を使用しています。経年変化で表面もなめらかに落ち着き、素足で床を歩きたくなる心地よさです。こまめに雑巾がけを続けている賜物でもあります。 アイランドキッチンは杉で統一。ご同僚の家族が集まるパーティや、ママ友達との女子会などで大活躍するオープンキッチンです。一階に設けている将来の店舗スペース。その向かい側は公園が広がって、お茶やケーキの楽しいお店になりそうです。隣接するガレージの車も店内からも見えるようにしたいね、とお考えのようです。
シンクはアイランドキッチン。ガレージと同様に、キッチンも個性豊かな色やカタチの品々が住まいを生き生きとさせています。
リズムよく配置された窓たち。1階右側は、将来公園が眺められる店舗を予定したスペースです。