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「真鶴に土地購入を検討しているが
真鶴は施工範囲でしょうか」
そんな出会いだったと思います。
クライアントは50代の夫婦で、お子さん3人を育て上げ、東京にある住まいを売却し、真鶴に終の棲家を求めた。
真鶴は個人的に好きで通い慣れていて東京の混み込みした
場所に行くより、よっぽど弊社の家づくりと
親和性があるなと思える場所であったのと、
クライアントも弊社のスケジュールを考慮してくれる
とのことで請け負わせていただくことになった。
敷地は高台に位置し、
道路接地面以外3方位すべてに海が望める環境で
クライアントと同じ海の見え方でも、
この海の見え方が好き、これがあまり好きではない、
というようななか価値観のすり合わせもして、
敷地に対してどのように建物を配置するかを
決めていったのを憶えている。
自ずとその時には窓の位置や建物の形状は
イメージができていたように思います。
基本、夫婦お二人+わんこの家ではあるが、
お子さんが帰ってくる場所でもあり、それを考慮しすぎると家自体が大きくなりすぎる部分や自分たちの過去の歴史と
紐づく色々な大切なものをどう断捨離していけるかが
難しかったと思う。
もちろん予算感も制限があり、ちょうどコロナで木材単価が大きく値上がりをしてくるタイミングでの打ち合わせで
その部分も加味しながらでやりたいことや外構の部分など
減らしていって決めた部分もあった。
自分なりに家の中に居場所を複数作り、気品はありながら「住み熟せる」家を標榜し、窓の位置、素材使い、色味など
自分の経験則をフル活用しながら設計、
現場監督をしていった。
コンパクトながら適度な距離感が保てる生活空間となった。
クライアントもゆっくりと時間を掛けて
住み熟していく事だろう。
見越してやれることはやったと思うが台風や
爆弾低気圧がくると高台に噴き上げてくる風雨が
どのように影響を及ぼしてくるかもしっかり経過観察をしていきながら引き続き見守っていきたい。
床:三重県熊野産 杉無垢フローリング貼り
壁:オリジナル珪藻土・クロス
天井:オリジナル珪藻土・クロス・米松羽目板貼り
外壁:白洲そとん壁
屋根:ガルバリウム鋼板
断熱:床断熱仕様 樹脂サッシ
その他:造作キッチン、造作家具
耐震等級3
UA値 0.5W/㎡K
米松の天井板・天井高さ・色味一部落とすことで空間に落ち着きを与え、景色を切り取るようにオークの窓枠を設置して、気取らない気品さのあるリビングとなった。
高台から突き出すかのように建物の二階を配置して、展望を得ている。 土色の外壁が周辺に馴染む。
土色の火山灰の外壁材に、出窓に腐食菌を発生させない塗膜を持つ赤身の杉板をアクセントで貼っている。 素直な屋根形状を持ち、どっしり根を張るような日本の建物の景色。
端正な顔つきの玄関を望む。 米松の造作玄関ドアの色味は、土色の外壁材と良く似合う
目線が横(景色)縦(天井高さの変化)にも通るため、コンパクトさを感じさせない空間になっている。
ダイニングは一部勾配天井として高く取り、低く抑えめな他部分との差をつけ、窮屈さを与えない工夫をしている。キッチンからの望む景色も美しい。
引き出し部分を10㎜引っ込める事で、キッチンをのっぺりさせず、クラシック感を出す工夫をしている。
マンガシロ材を基盤に、レッドオークの天板で構成された回遊できるセンターキッチン仕様。 ダイニング側の収納をホワイトの突板にすることで重厚さを軽減している。
夏の冷房時には冷気が下階へ逃げるのを防ぐ。 小さいお子さんやわんこが居る家でも活躍する。
窓から季節、時間帯ごとに違う形の日射が入ってくる。 決して飽きることのない風景。
手前の木があるおかけで、景色が抜けすぎず、良い遠近感があるためより奥行き感を感じる展望となっている。