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住まい手との出会いは、
ある住宅作家さんの作品写真と弊社のブログ写真が何某かでリンクし、
お声がけいただいたのを覚えています。
お話をお聞きしてみると、ご夫婦お二人とも建築が好きで、いろいろな建物を見に行かれ、求める暮らし方と、現実との乖離の部分にも向き合い、ざっくばらんとお話くださったのもすごく印象に残っています。
こだわり方にも、住まい手らしさが現れていて、肩肘張らず、用の美を求め、いい家が一緒に作れそうだって思ったのとこの人たち年下で、建築もやっていないのに、なんて達観してるんだろうと嫉妬に近い感情すらあったと思います。
検討していた敷地は都筑区すみれが丘の一画。
土地形状が道路面より1.2m程度上がっていたため、通常であれば、無表情のコンクリートブロックを積み、土留め兼用敷地境界線になるところを住まい手との基本設計時から、敷地の道路側1mくらいは道路側の社会に提供し、この家がすっと馴染み、貢献するため自然石でなだらかな段差を創りながらそこを緑の中間領域として街側へ提供しようと話していました。
「住まいが街並みを創る」
敷地周辺にも、ハウスメーカー・建売然、お金持ってる感満載の家、etc...
せめて、私たちが手を入れる事ができるこの場所だけでも。。。
住まい手とこの部分を共有できてほんとに嬉しかった。
少しでも前を通る方々、近隣の方々が優しい気持ちになれるよう、住まい手、建築、外構 一体となって。住まい手の家に関しての達観したこだわりと求められる家の性能、デザイン、そこに古今のこだわりを詰め込みつつ、予算とにらめっこし続けた詳細打ち合わせ期間3か月。
台風、大雨に見舞われ、基礎工事がストップするというスタートから大工さんを4人入れて猛進した施工工事期間5か月。
家からの緑の見え方を大事にしながら家と社会の間の領域の在り方を模索した外構・植栽工事工事期間 1.5か月。
苦しくも楽しい日々でした。
外構工事中に、先にお引越ししていた住まい手からも、感想を伺うことができ、気持ちよく暮らしているようで、住まい手の前では、当たり前です のような顔しながらも、内心では胸を撫でおろしています。
今後、真夏、真冬を過ごされる中でこの家の性能が試されます。
引き続き、この家と付き合っていたいと思っています。
仕様
床:紀州杉無垢フローリング
壁:オリジナル珪藻土・自然素材クロス
天井:オリジナル珪藻土・栂羽目板貼り
外壁:白洲そとん壁・杉板張り
屋根:ガルバリウム鋼板
設備:熱交換型第1種換気システム
基礎断熱 床下エアコン
造作キッチン、造作洗面台、造作家具
性能
UA値 0.46
耐震等級3
【住まいが街並みを創る】道路との境界は、家と社会の中間領域として緑地帯に。 緩やかな石積みと植栽で前を通る人に安らぎを与える。 建物は緑を生かすため、華美な装飾はなく、用の美を意識して整えた。
大谷石と枕木と緑のトンネル。表札もオリジナル。 階段はコンクリート洗い出し仕上げ(大磯砂利)
庇を十分に出して雨の日すら楽しめる内でもない外でもない中間領域。台風対策として、木製サッシに合わせた木製雨戸を造作。 デッキ(イペ材)を能舞台のように。
根府川石、雑木、シダ植物をバランスよく配置し、木々も高低差、落葉、常緑を意識し、奥行き感を出して配する。
古今オリジナル米松ドア。 通風用の小窓・採光用のFIXガラスも合わせて造作。
二階、寝室、子供室、ロフトにも繋がる道。 陽光と自然風の経路としての役割も果たす。
リビングと外が気持ちよく繋がる。 床を一部下げることで縁側のように使え、人の居場所を創る。
引き分け式の障子を壁に仕舞いこめる。 季節や時間、暮らし方に応じて外との関係を緩やかに仕切る。 天井にはできるだけ照明をつけず、目線の重心を下げていくことで落ち着きが生まれる。
無垢杉板の木目を生かした階段が空間に映える。 キッチン・センターテーブルもすべてオリジナルで造作。
木製サッシ越しに緑が映える。ごはん時間は家族を繋ぐ。
浴室・洗面・テラスを一直線につなぎ、家事同線を最短に。水回りはシンプルな素材使いで機能性重視。
障子は1Fと吹き抜けを介して繋がり、ロフトにある天窓から抜けていく。階段はロフトに繋がる。