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設計、監理を担当
50代のご夫婦と小学生のお子さんの3人家族が「持ち家」をリノベーションした事例です。新築で購入し約20年お住まいのマンションをフルリノベされたN様ご家族。お子さんが小学校に入学した頃から自宅リノベを考え始め、小学2年生になる2021年にリノベーションされました。日々の生活で感じていた小さなストレスや不便がほぼすべて解消され、奥様いわく「大満足!」。階段付きのロフトや、ご主人の趣味が詰まった壁面収納など遊び心溢れる要素もたくさんある“大人も子どもも楽しい家”のご紹介です。
お子さんが小学校に入学したことをきっかけにリノベーションで自宅を再編集することを考え始めました。日々暮らす中での小さな不満を解消できるのはリノベーションだと思い、EcoDeco(エコデコ)へお問い合わせくださいました。
「有効活用できていない部分がたくさんあったので、それをなんとかしたくて。といっても、本当に些細なことです。たとえば、天井まで目一杯収納になっていないので無駄な空間があるとか、WICの中に不要な出っ張りがあるとか。20年経って水周りが古くなっていたので、一新したいという思いもありました。特に浴室は、主人が『入浴中に仕事のアイデアが浮かぶことがある』と言っていたので、大事に考えた場所のひとつです。」(奥様)
以前の間取りではリビングダイニングキッチンに物が多く、狭いと感じられていたN様。広く使えるような工夫として、壁付のキッチンを提案しました。キッチンの脇には小ぶりながらもパントリースペースを設け、収納力もばっちりです。
壁付キッチンにするとリビングダイニングスペースを広く取れる反面、どうしても「丸見え」になってしまうことがネックになりがちです。N様のお家には、ダイニングとキッチンの間に木製のパーティションを造作し、ちょっとした目隠しに役立っています。このパーティションにはコンセントがいくつもあり、スマホやPCの充電やホットプレート料理の際に役立っています。床からコードを引く必要がなく、見た目もスッキリ!
デッドスペースはとことんなくし、廊下の動線を整理しました。
「帰宅して玄関で上着を脱いでハンガーにかけて、洗面台で手を洗い、整った状態でリビングへ入るという流れがすごくスムーズになりました。今までは通路でしかなかった廊下に一連の流れで必要な機能が加わったのは大きな変化ですね。」(奥様)
また、フルリノベをしたことでこれからも住み続けるだろうということで、歳を重ねても暮らしやすいようベンチカウンター付きの浴室を選んだり、廊下やトイレに手摺の下地を設置しておくなどの配慮をしました。将来への備えも十分なお家です。
設計の際には商業施設やオフィスなどの設計経験がおありの奥様と弊社の設計スタッフの主導で進めましたが、あまり暮らしてからのご主人からも嬉しいご感想をいただいています。
「すごくいいですね。妻のやりたかったことに住んでから気づくことも多いです。設計中は、巾木をなくすことや、リビングとキッチンの間に何本か木を組み立てることを説明されても、正直よくわからなかったのですが(笑)、暮らし始めて『巾木がないとすっきりしていいな』『リビングとキッチンが区切られつつも広々としているな』と、その良さを実感できました。出張先のデザイナーズホテルで間接照明に照らされた洗面台を見た時は、まるで我が家の洗面台のようで『ああ、こういうのを目指していたのか』」と。出張で外泊することもありますが、家にいるほうが快適だから「早く帰ってきたい」と思うようにもなりました。」(ご主人)
ご相談をいただいてから約5ヶ月ほどかけて設計を行い、工事期間3ヶ月程で竣工しました。工事は複数社に声をかけ相見積もりを取り、費用や工事内容が得意分野かどうかで検討をしていただき、決定しました。
子ども部屋の約半分はロフト。しっかりとした階段があり、昇降しやすい作りです。お子さんも「家が楽しくなりました!今はロフトが私の部屋になったのがうれしいです。」とおっしゃいます。
実は奥様がEcoDecoへお問い合わせくださったきっかけは階段付きのロフトがあるリノベーション事例でした。そのため、奥様がリノベーションでぜひ実現したいことの一つだったそう。念願叶って作ったロフトは娘さんの大のお気に入りの場所になっています。
「以前はいわゆる普通のマンションの間取りでしたが、「子どもの頃におもしろい空間で過ごせたらきっと楽しいだろうな」という思いもあって、自宅のリノベーションを決めました。」(奥様)
ロフトの上はベッド、下は隠れ家のような図書館スペースとしてお使いです。ロフト下はこもることもできるし、通り抜けることもできるのがNさんのアイデアでした。
「趣味で集めている本を並べています。お母さんが選んでくれた潜水艦みたいな照明も気に入っています。」(お子さん)
キッズルームは、今のところ半個室のような作りになっており、完全な個室ではありません。
「戸で閉め切っているわけではないのですが、今はまだ一人で過ごすのはちょっと不安みたいです。私がロフトの階段に座ったり、リビングのソファに座っていると気配を感じられて、安心して勉強できるようです。ロフトの天井にはカーテンレールをL字につけてあるので、もう少し成長したらカーテンを下げて半個室のようにもできます。」(奥様)
お子さんの成長や心境の変化に合わせて独立性を持たせられる、今もこれからも楽しみなお部屋です。
ご主人は「家づくりはほとんど彼女の趣味だから」とあまり口出しせず、「私のギターや機材の収納スペースを取ってくれればあとは任せると」と伝えていたそう。このご希望通りに書斎と趣味部屋を兼ねた防音性のある個室を作りました。
お仕事柄、パソコンやモニター、サーバー類などの機器が複数あったり、ご友人とデータを送り合いながら趣味で作曲することもあるため、音楽機材も多いご主人。ごちゃごちゃとした印象にならないよう、配線にも手間をかけたそうです。
デスクをL型にしたり、スライド式でキーボードを出し入れできるようにしたりと、使い勝手が良くなるよう、奥様からさまざまなアイデアがありました。
レイアウトを変えたことで広くなったリビングダイニングキッチン
リノベーション前はカウンターキッチンだったため、リビングダイニングのスペースが圧迫されて狭く感じていたそう。解決策としてキッチンを壁付にしつつ、心理的にプライベート感が持てるよう、パーティションで間仕切りました。窓周りは優しい光が入るオフホワイトのシェードスクリーンで部屋全体に明るさが広がります。
リビングダイニングキッチンは広々と感じられるように設計。写真左手の収納の奥はキッズルームのロフト部分になっています。収納はあえて天井まで伸ばさなかったことで、空間に広がりを持たせています。
リノベ前はカウンターキッチンだったことで狭く感じていたそうですが、広さをとるために壁付キッチンにリノベーション。ダイニングとキッチンの間には、木製のパーティションを作り、つながりながらもキッチンが見えすぎないようにしています。
ガスコンロ横は、あえてタイルにせずマグネットパネルに。壁に下地を付けるよりも自由に着脱でき需要が広がりつつある仕様です
キッチンの脇につくった小ぶりなパントリー。収納ボックスで隠す収納に。イケアのワゴンの上段に炊飯器を設置。炊飯時は引き出して蒸気を逃すことができます。ナイスアイデア!
リビングにはお子さんの趣味でもある楽器(ピアノ、バイオリン)が置かれています。角部屋を生かした明るい空間です。床は奥様のお好みでオークをセレクト。元々持っていたオーク材のダイニングテーブルに加えて、テレビボードも同素材のものを新調し全体に統一感が生まれました
ダイニング側から見たロフトスペース。中は見えないけれど気配が感じられるほどよさです。
ロフトには梯子ではなく階段を設けました。娘さんのお友達が遊びに来た際は「マンションなのに階段がある!」と驚かれたそう。ロフトスペースの壁面はニュアンスのあるブルー。アクセント塗料はすべてFarrow&Ballのもの。
ロフトの下は娘さんの自作図書館。潜水艦のような照明も良い雰囲気でくつろげそうです。
花粉症対策もあって玄関ですぐにジャケットやコートを脱いでかけられるように。写真正面の扉は、奥様がダイニングテーブルでお仕事される際に丸見えにならないよう上半分だけをガラスにしました。
玄関の収納はキャスター付き。靴を履く時に腰掛けられるように作ったのですが、今はもっぱら娘さんの遊び道具として使われています
洗面器を半分埋め込みタイプにして正解だったという洗面台。水が飛び散りづらく使い勝手が良いそうです。造作で作り、ミラー収納と引き出し収納がある収納力の高さもポイントです。壁のタイルの模様が美しく出るよう、ライティングにもこだわりました。
脱衣室の入口付近にはタオル類の収納棚を造作しました。押すと開くプッシュラッチ式。
ご主人の部屋の壁面には可動式の有孔ボードで引き戸を設置。綺麗に整理整頓されていて一つ一つを大切にされている様子が窺えます。デスクの天板は奥様の提案で天然素材のリノリウムに。
ご主人の部屋の壁面には可動式の有孔ボードで引き戸を設置。綺麗に整理整頓されていて一つ一つを大切にされている様子が窺えます。趣味の楽器演奏ができるよう、完全防音ではないものの防音室仕様になっています。仕事も遊びもここで完結できるようなお部屋です。
仮住まい中に押し入れの中段を利用してアイロン掛けをしていたことに着想を得て、廊下の手前に家事スペースをプラス。毎日のように活用しているそうです。
奥行きも細かく設定したオーダーメイドのウォークスルークローゼット
廊下の途中に設けたウォークスルークローゼット。廊下から寝室&キッズルーム側へ抜けられるようになっています。正面のブルーのカーテンの先もクローゼット。設計時に収納する物を想定し、奥行きなどのサイズを決めていったため、収納物にフィットしています。