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設計、施工、監理を担当
Kさん一家はご夫婦と、元気いっぱいの息子さん(当時4歳)の3人家族。
K邸のリノベーションでまず越えなくてはならなかったハードルは、お二人の好きなテイストが真逆だったということ。
無機質な空間が好きな奥様と、温かみがあってちょっと懐かしいような空間が好きなご主人。
そんなお二人は、どちらかの好みに寄せるのではなく、それぞれで集めた空間イメージの中から共通している要素を少しずつ抽出。デザインの落とし所を見つけ、素材や色使いを決めていったと言います。
そうして出来上がったのは躯体現しの天井に真っ白なキッチン、床にはご主人こだわりの無垢チーク材のパーケットフローリングを敷き詰めた、洗練されていてほっと落ち着く空間。
そこに北欧家具を合わせることで、ご夫婦の好きなテイストをバランスよく取り入れた空間をつくり出しました。
以前は同市内の賃貸アパートに住んでいましたが、お子様の成長とともに周囲への音を気にする場面が増えていったといいます。
保育園を変えずに済む範囲で、家族がもっと自由に過ごせる家を探そうと考えたのがきっかけで物件探しをスタート。
当初は戸建てや新築マンションも見ていたと言いますが、駅からの距離、そして以前から自分たち好みにデザインされた空間で暮らしたいと考えていた思いも後押しとなり、中古マンション+リノベーションにたどり着きました。
最終的に購入したのは南向きの窓からたっぷりと陽が差し込む56㎡の物件で、上層階であることから遠くまで視界が抜けていて眺望も抜群。
バス通りが見渡せるダイニング横の窓辺は息子さんのお気に入りスポットだそうで、「引っ越してきた当初はずっと窓に齧り付いて車やバスを眺めていました。この家に来て、車好きも加速したような気がします(笑)」と可愛らしいエピソードも教えてくださいました。
Kさんの思いを受け取った設計デザイナーが提案した家づくりのコンセプトは『ナカソト』。
ご家族のライフスタイルや好みに合わせてデザインされた「ナカ」と、とっておきの「ソト」の景色がつながり、家族の心もつながる…。そんな、この家でしかできない特別な空間をつくりたいという思いが込められています。
床に採用した無垢チークのパーケットフローリングは、様々なサンプルを見た上でご主人が絶対使いたい!と考えていたという素材で、リビングや廊下、個室も全て同じ床材で統一されています。「比較的コンパクトな物件なので、気に入った素材を全面に敷いても予算を大きく圧迫しなかったのはメリットでした」と、ご主人。
また、K邸の見どころの一つでもあるのが、綿密に計画された収納計画。パントリーの取り方や廊下の天井付近に設けた吊り棚収納など、空間を有効活用し、かつ使い勝手の良い収納にこだわって計画を進めていきました。
「朝起きて、外を眺めながら家族で朝食をとる。とても普通なことですが、この家に来てからはその時間がとっても幸せなんです。入居した当初はダイニングやキッチンの床も全部フローリングにすればよかったかな?と思ったこともありましたが、ここにダイニングを置いてみると息子の食べこぼしも気にならなくて、大正解だった!と確信しました(笑)」と、朗らかに話すKさん。
「この子がもっと大きくなったら、家の中の様子もまた変化していくと思います。色々試行錯誤しながら、この家での暮らしを楽しんでいきたいですね」とやさしく微笑みます。
ご夫婦の好きなものが溶け合ったK邸。見晴らしのいい「ソト」の景色に見守られながら、家族の幸せな時間がじっくりと色を深めていきます。