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東京都府中市に建つ小さな平屋です。庭と暮らしていくための終の住処ですが、あえて高齢者に特化した仕様とせずに、普遍的で心地よい空間づくりを行いました。時間とともに住まい方が変わったとしても、住み続け、住み継げる家になればという想いを込めています。
はじめて会ったときに「庭と暮らしたい」と言われた建て主さん。傘寿(80歳)を間近に控え、これまで大切にしてきた庭木を眺め、手入れしながら豊かに暮らしたい、という強い想いがあったようです。夏みかんや柚子の樹を残しながら、小ぶりな住まいへの建て替えを行いました。
大切に育ててきた庭木に寄り添うように、コンパクトな住宅を計画しました。一室空間と水回りから成るL型プランで、南東の庭に向けて開放的な作りです。隣に暮らす子世帯との往来もしやすくしました。主に杉の架構(埼玉県の西川材)、床の桐板、壁の砂しっくいなどの地域材/自然素材で構成しています。
内と外が繋がる家で、明るく開放感があり、快適な暮らしです。とにかく気持ちがいいです。プライバシーが保たれ、日の光を感じながら、庭を眺めながらの、晴れやかな暮らしは最高です。ワンフロアでの生活で家時間が数倍楽しくなりました。建物の美しい佇まい、桐床や砂漆喰壁など自然素材に包まれる暮らしは落ち着きます。空気がやわらかく感じます。毎日まったりとした空間で、友人・知人との会話も増えました。家が変わると、こんなにも平穏な心で暮らせるのだと思いました。大らかな気持ちの毎日です。
庭を考えることから家づくりを始めました。大切に育ててきた樹々を一部残して、建物を計画。並行して作庭を風(ふわり)の楠耕慈さんに依頼し、アプローチや窓からの樹木の見え方などを検討。建て主さん、娘さんと打合せを繰り返し、細部まで検討を行いました。
打合せの時、「幸せ」「本当に楽しみ」とよく言われてた建て主さんの姿が印象的でした。工事期間中も積極的に家づくりに関わられ、ご自身で塗装をされたり、レンガを並べたりもされていました。これから庭木を愛でながら、住みこなしながら住む楽しさも味わってもらえると思います。
居間からの風景。杉の架構(西川材)越しに庭が眺められます。
西側の外観。庭に面して、主な開口を計画。庭は既存の樹木(夏みかん、柚子)のほかに山野草などの樹木で再構成しています。外壁、軒下は杉材です。
玄関へはスロープからアプローチします。深い軒下が雨避けを兼ねています。左側には子世帯の住宅があり、往来しやすくなるように配慮しました。
既存の樹木(夏みかん、柚子)に寄り添うようにL型で計画したコンパクトな平屋。建物東側(写真上部)には水回りと収納を一直線でコンパクトにまとめています。
台所からの眺め。写真左は寝室-食堂-玄関、写真右は居間と繋がります。木製建具は隠し框として、温熱環境を整えながら意匠性にも配慮しています。
庭-テラス-リビングと連なる空間構成です。深い軒下が室内への日射を遮り、雨天時にも利用できます。
テラス/スロープが玄関-ダイニング-リビングと連なります。庭との一体感を感じられる一室空間です。
現しの隅木と登り梁。455mmピッチでかかり、深い軒をテラスの上に作りました。
寝室からの眺め。左の小窓からはアプローチの飛び石が、右の窓からは主庭が眺められます。壁は現場調合の砂しっくい塗り。窓からの光でコテ跡が照らされています。
ダイニングからの眺め。セキュリティに気を配りながら、夜間、南北に風が流れるようにしました。
計していただき(プライバシーを守る、庭と共に住む、木の家)、美しい窓周りや適材適所の窓に、設計の美しさを感じています。提案
力をすごく感じました。予算面でも非常に親身になってくださいました。とても相談しやすかったです。私の満ち足りた毎日の暮らし
は、後藤さんとの出会いから始まりました。
専門家との関係:顧客
BMさんが2023年12月06日に投稿