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設計、監理を担当
三浦半島の東海岸に面する、海の別荘です。
砂浜が目前で、天気の良い日は水平線の向こうに房総半島を望むことができます。
海に直接面する敷地を探していらしたお施主様が、ようやく見つけた土地でした。
この敷地の魅力を最大限に活かし、2層吹き抜けのリビングダイニングの窓を海に向けて大きく取り、眺望と、外のウッドデッキとの一体感を重視して設計しました。
海と反対側にあたる、リビングダイニング西側のキッチン上部には、外の斜面に茂る豊かな緑が見えるハイサイドライト(高窓)をとりました。
同じスペースに高さの異なる開口部があるため、視線が斜めに動き、勾配天井とあいまって空間がより伸びやかに感じられます。
さらに、この別荘の場合は海と斜面の緑が両サイドに見えるので、リビングダイニングとキッチン全体が、自然に包まれていることを強く実感できる空間になりました。
リビングダイニングの南側は、1階に寝室とバスルーム、2階に寝室とフリースペースを配置しています。
リビングダイニングの吹き抜けを見下ろすフリースペースは、必要な時には建具を閉じてゲストルームとして使用することが可能です。
1階の寝室はリビングダイニングと同じウッドデッキに出られるようになっており、2階の寝室とフリースペースも、海に面したバルコニーと繋がっています。
十和田石とヒノキで仕上げたバスルームにも海に開かれた窓を設け、どこにいても海の眺望を楽しむことができます。
建物全体に南から北へ下がる片流れ屋根を架け、その屋根材をそのまま北側壁面に連続させ、海に浮かぶヨットの白い帆を思わせるシンプルな外観にまとめました。
お施主様は眺望をとても大切にされていて、海と岬が美しく見えるように、というのがまず第一のご要望でした。
マリンスポーツがお好きなので、海に直接降りられる階段と屋外シャワーを設けました。屋外シャワー脇の倉庫に道具などを置いた後、そのまま屋内の浴室に直接アクセスできる動線を工夫しています。
料理もお上手で、お酒にも造詣が深いことから、キッチンは造作家具の業者に特注し、ドイツ製シャンブレアのワインセラーも設置しました。キッチン脇には玄関から直接入れる家事室兼パントリーを設け、リビングを経由せずに持ち込んだ食材を収納できるようになっています。
リビングダイニングや寝室など、主な居室の床には、温かみのある無垢のフローリング材またはカーペットを使用しています。ウッドデッキやバルコニーと繋がるFIX窓(はめ殺し窓)の枠やガラス入り建具も木製とし、シンプルながらも海辺の別荘にふさわしいナチュラル感を、細部に至るまで大切にしました。
主要な壁面は珪藻土を主材とする左官材で仕上げました。珪藻土は吸放湿性のある自然素材で、職人の手仕事のぬくもりが感じられます。
また、間仕切り壁と、1階寝室の天井、トイレの天井にはグラスウールを充填し、遮音性に配慮しています。
さらに、夏の暑さ対策として外壁と屋根の断熱性能も十分確保し、1階居室には床暖房を入れ、冬も快適に過ごせるようにしました。
絶好の立地を活かした眺望と、1階から2階へのびやかに連なる立体的な空間に大変満足していただけました。お施主様ご自身、店舗プロデュースと運営で培われたアイディアやノウハウを豊富にお持ちで、そこに弊社の提案を合わせて実現した使い勝手にもご満足いただいています。
お施主様のこだわりやご要望のひとつひとつにじっくり向き合い、何度も打合せを重ね、ショールームにも複数回ご一緒しました。初めて敷地を視察した時から竣工後のアフターフォローに至るまで、2年9か月でお施主様や関連業者と900通を超えるメールをやりとりしています。時には突然の変更のご要望などもいただきましたが、より良い空間を目指し、可能な限り対応させていただきました。
自然とつながる開放感が得られるよう、海に面して大きな開口を取り、外部のウッドデッキと屋内の床レベルをフラットに揃えました。
外に広がる海や西側斜面の緑、2階のフリースペースなど、複数方向に視界が開け、伸びやかな空間を形成しています。
シンプルに、シャープな白い帆のような外観にまとめました。北側壁面を外部ウッドデッキの側面まで伸ばすことで北側隣地からのプライバシーを確保し、北風の影響を抑えています。
北側壁面をガルバリウム鋼板の片流れ屋根と連続的に仕上げ、シャープな外観を形成しています。
外でシャワーを浴び、倉庫に道具類を置いた後、表玄関を通らずに屋内の浴室に直接アクセスできるように動線を工夫しています。
壁面は珪藻土を主材とする左官材で仕上げ、床材は無垢のフローリングを使用しています。
キッチン上部のハイサイドライト(高窓)より西側斜面の豊かな緑が見え、空間の開放性を高めています。
キッチンは造作家具の業者に依頼した特注品です。
洗面所にはタオルウォーマーを設置しています。
オーシャンビューのバスルームは、十和田石とヒノキで仕上げています。
リビングダイニングと同じく、壁面は珪藻土を主材とする左官材、床は無垢のフローリング材で仕上げています。
壁面は1階の主要な部屋同様、珪藻土を主材とする左官材で仕上げ、床はカーペット敷としました。 ダイナミックな眺望が得られるよう、海に面する東側の窓は足元から大きく取りました。 左手の扉より、バルコニーに出ることができます。
リビングダイニングの吹き抜けに面するフリールームは、バルコニーにも開かれています。吹き抜け側の建具を閉じればゲスト用の個室としても利用可能で、開いた状態では上下に視線が抜けることで海辺の開放感を強調してくれる、ゆとりの空間です。
(画面左端)ドイツ製シャンブレアのワインセラーを設置しています。 ワインセラー右横の扉は、家事室兼パントリーにつながっています。