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子供が独立したことで、戸建てからマンションへ住み替え。外まわりは全面断熱改修。3方からの光で、玄関や廊下も明るい。
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設計、施工、監理を担当
家族の変化に合わせて住まいを小さくするため、戸建てからマンションへの住み替えをされたご家族のためのリノベーションです。
壁式RC造のため大きな間取り変更はできませんが、暮らしに合わせて回遊性をもたせています。
マンションながら3面採光という条件を活かし、居室だけでなく玄関や廊下などでも自然光を感じられるようになっています。
その反面、外部に接する範囲が大きいため、全体的に付加断熱を施し、窓は全て内窓をつけています。
躯体から制限される天井高さや開口部が低いことを逆手に取って、重心の低い落ち着いた空間に仕上げました。
お子様も独立し、戸建ての広さを持て余すようになったために一回り小さいマンションに住み替えました。
ユニットバス以外がかなり古い状態だったのと、断熱がない状態だったために暮らしやすくなるようにリノベーションしました。
以前の住まいを踏襲しながらも今後の生活がよりよくなるようにとのご要望でした。
元のお住まいの建具がしっかりしたつくりだったので、再利用できるものは利用しました。
壁式による開口高さや壁位置の制限を、落ち着きへと転化するように考えました。
木、畳、石、紙といった素材感を感じられる仕上げを基調にあたたかみのある空間づくりを目指しました。
外周廻りは全面断熱改修を施し、老後も快適な暮らしが送れるようになっています。
玄関の棚を窓に合わせて設計することで、窓自体がこの玄関のために設えられたように見えるようにしています。
和室はふすまを可動間仕切りのように使い、生活のシーンに合わせた多様な使い方ができるようになっています。 南側は障子だけだと暗くできないということで、内窓と障子の間にプリーツブラインドが仕込んであります。
廊下から見えるリビング。 大谷石、スプルスとヒノキの引き戸の素材感に対比するシンプルな不織布クロスが温かみとスッキリとした印象を与えます。
リビング夕景。 ダウンライト、ダクトレール、間接照明は個別に操作でき、明るさや雰囲気を調整できる。
玄関ドアを開けると大谷石の壁に迎えられます。 この壁の裏は洗面スペースですが、壁を天井まで立ち上げないことで壁が立ちはだかる印象を和らげ、光を置くまで届けています。
玄関ホールは土間を少し広げて納戸側からも上がれるようになっています。 コートなどを掛けておくパイプは外部でよく使う亜鉛メッキ素地仕上げですが、単色の塗装よりは石や木の素材感に馴染みます。 奥に見える納戸の入り口は以前のお住いから持ってきた建具を再利用しています。
廊下からリビングへの入り口もガラスとすることで廊下全体が明るくなっています。
洗面スペースも欄間上が解放されていることでそれなりの明るさを確保できています。 洗面の幅は1200mm幅の陶器の壁掛け型の洗面器に合わせ、カウンターレスで仕上げています。
リビング入口は構造壁内の開口のため、高さを変えることができませんでした。 引き戸をスッキリと見せるために天井高さまでの建具としてますが、開口までの距離が大きいために一般的な框だけだと閉めた時に壁が見えてしまいます。 框を大きくするのも不格好なので、片面にのみヒノキのリブパネルを貼って全体を馴染ませています。
リビングに入ると正面に緑が見え、実際の広さ以上の広がりが感じられます。 壁沿いのカウンターはお手持ちの家具を入れる高さとテレビ台の高さの二段仕様。
大谷石の壁が廊下に出る時の気分を上げてくれます。
リビングの収納は、以前から利用している収納が入る高さとテレビ台としての高さを馴染ませるように違い棚風の設えにしています。 高い方はワークスペースとしても利用できます。
リビングダイニングの照明計画は将来的な身体の変化にも対応できるようにダクトレールを十字に組んでいます。
キッチンは半独立型で、視界が確保できる程度の対面レイアウトとなっています。 キッチン入り口脇にはコルクを貼って、下はマガジンラックとなっています。
キッチンは背面収納をお持ちの家具と一部造作で設えています。
キッチンに立ったときも窓の外の緑がよく見えます。
シンク側は既製品のシステムキッチンを使っていますが、コンロ部分を下げたいというご要望があったのでここだけ造作となっています。 システムキッチン側の扉面材を取り寄せることができたので、意匠的には違和感なく納まっています。
全体的に閉じた様子。
和室から続きの4畳間と押入。 押入は廊下側からも使えるようになっている。
続き間と押入を閉じた様子。 欄間を開放しておくことで閉塞感が消える。
和室からダイニング方向を見る。
地窓の障子はテレビ台代わりの棚を鴨居として1枚の片引きになっています。
読書などを楽しむための4畳間。
廊下には和室からの光も入ります。 廊下に面した建具は以前の住まいで使っていたものを再利用しています。
押し入れは廊下、和室の両側から使えるようになっています。
洋室には前の住まいの机の上に付いていた棚から建具だけを取り外してきて再利用しています。
トイレは一部脱衣室側のスペースを利用して手洗い器を設置しています。