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設計、施工、監理、プロデュース・コーディネートを担当
生まれ育った家が空き家になると決まり、「売却か、残して使うか」の二択に直面したとき、「地域貢献できる場所に生まれ変わらせたい」と決意したのが、このお家のオーナー・Tさん。
ランニングが趣味で、定期的にフルマラソンに参加するTさんは、別のエリアに既に家があり、実家に住み続けることはできないため、「ランナーのためのシェアハウス」としてリノベーションすることに決めました。
その理由は?と伺うと、Tさん自身がさまざまなランニングクラブに入っている経験から、「趣味でつながるコミュニティや仲間は楽しいと実感していますし、年齢や性別に関係なく、マラソン好きが集まる空間になれば自分も、この家もうれしいですから」と、場をひらいた想いを語ってくれました。
ご実家は築88年。
Tさんが住んでいた頃から、ステンドグラスや柱、玄関、庭、縁側などに建物としての魅力を感じていたそうで、「傷んでいる部分はあるけれど、味わいがあって好きなところはそのまま残したい」というTさんの想いに寄り添いながらリノベーションを進めていきました。
「また実家に帰ってこれた、という、うれしさや懐かしさもあるけれど、それ以上に、ワクワクがいっぱいの新鮮な気持ちで空間に向き合えています」とTさん。さらに、パトロールランニングの拠点にして、地域に開いた場所にすればもっと地元に貢献できると考え、コミュニティスペースとしての運用もスタート。
マラソン関連だけでなく、リノベーションにまつわる勉強会も開催するなど、実家の“第二の人生”に全力で伴走中です。
くつろいで集えるリビングは庭に面していて、日当たりもバッチリ。トレーニングスペースも完備して、性別や年齢を問わず訪れやすく、ランナーたちが満足する空間づくりを心がけました。
“思い入れある空間はそのまま残す”という選択肢があるのもリノベーションの良さ。Tさんの家では、雰囲気たっぷりの応接室や玄関は極力手を加えずに調整し、応接室は事務所になりました。
シンプルなガラスシェードの照明で、元々あったしつらいを活かし、築88年の建物の良さを引き出します。やわらかく広がる光が天井や壁に反射して、温かくてリラックスできる雰囲気に。
性別を問わず訪れやすいようにと、シェアスペースの洗面所やお手洗いを男女別にしっかりと分けたのもこだわりポイント。女性用スペースは担当女性スタッフに相談しながら設計しました。
2階は、オーナーが管理人となる「ランナーのためのシェアハウス」の入居者用スペース。元の窓枠をいかしたリノベーションで、各部屋はシンプルに清潔感を重視。大きな窓からの眺めも良し。
Tさんのイチオシが、このお庭。「実家に住んでいた頃からこの縁側と庭に魅力を感じていたので、残せたことがうれしくて。夕方のランの後、仲間と縁側でビールをあける瞬間が楽しみ!」。