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道路側の外観は努めてストイックな表情として、内部の生活感が極力出ない設計としました。間口一杯に平屋部分が道路側に有って、縦長のスリット窓が並ぶ、印象的な切妻のヴォリュームが平屋部分からセットバックして屹立しています。
外壁の仕上も総タイル貼り、光触媒機能のある商品を採用していて、長期的にメンテナンスの掛かりにくい配慮をしました。
閉鎖的な外観の印象とは対照的に、一転内部には燦々と光が奥まで差し込み、風の通り道に配慮して注意深く開口部を配置した結果、非常に風の通りの良い内部空間となっています。
室内の仕上は自然素材にこだわり、床は無垢フローリング、壁と天井は漆喰壁として室内環境の質の向上に配慮しました。
設備的には太陽光発電とエネファームのいわゆる〈ダブル発電〉方式を導入し、高性能断熱材の採用により、省エネルギーにも配慮した設計としています。
ストイックな印象の外観。 生活感が極力出ないような外観としました。
玄関ポーチの広大な理由は家族分の自転車を置くためです。 これまで雨ざらしだった不便さを建替えによって一挙に解決したいという思いからこの空間が生まれました。
外観が閉鎖的なので屋根付きポーチは真っ暗? いえ、そうではありません。天窓を確保すれば朝から夕方まで明るい部屋になります。壁も外壁のタイルと同じもの、土間は素材感の有る窯変敷瓦、天井は杉板を加工した羽目板貼りです。インナーガレージの出入口やウッドデッキテラスやキッチン勝手口とも全て繋がっているので、一旦この空間に入れば雨に濡れることもなく、どの場所にもアクセスできます。またウッドデッキテラスから流入した通風は写真中央の木製ルーバーから流出入できるようになっています。
玄関は家の〈顔〉に相当します。 決して大きくはないけれど、素材にはトコトンこだわりました。 土間は備前焼のような発色の有る窯変敷瓦。2㎝も厚みが有って重厚な存在感が有ります。壁は漆喰壁、室内の調湿や消臭効果が有ります。天井は事務所オリジナルデザインの〈細密ルーバー天井〉。国産タモ材を加工して〈細密〉に製作しています。間接光などの照明効果でより素材感の感じられる空間としました。建具の格子戸も、国産無垢タモ材を加工してオリジナルに製作しました。
玄関の奥にある玄関収納。 4畳の広さが有って、片面の壁一面に靴・傘・小物類が大量に収納できるようになっています。一部コートも掛けられ、お出掛けの際に携行する、鞄などのアイテムも置けるようになっています。上がり框の長さも2m以上有るので家族の普段靴を脱ぎ放しにしていても大丈夫です。臭気が籠らないようにと横長の換気窓も2か所設置しています。
LDKには玄関ホールの間に廊下のような空間が有って、正面奥の格子戸で仕切られているだけです。開口率が20%程度しかないので玄関先で来客者と対応していても家族側のプライバシーは保護できます。 また天井高は敢えて低めに抑えた〈木製細密ルーバー天井〉となっていて、LDKに入ると相対的に高く感じるような空間的配慮をしました。
道路側外観は閉鎖的な印象ながらも、内部に入ると一転、部屋の奥まで光が差し込んできます。屋根付きのウッドデッキテラスからの柔らかい光と、比較的小規模な吹抜から入るダイレクトな光とで朝から夕方までは自然光だけで十分明るさが確保できます。また敷地の特性に配慮した開口部の確保により、部屋の隅々にまで風が通り抜けてゆきます。
リビングルームには〈畳コーナー」があり〈六面ヒーター〉付きの掘りごたつをビルトインしました。〈六面〉からの輻射熱で温める方式なので、コタツ布団無しでも暖かく過ごせます。またコタツは床下に格納してお布団も敷けます。 また窓際には足の入れられる〈着脱式文机〉が二台あります。これは以前、別のお施主さんからの要請に基づいて試作したのが始まりですが、今や事務所オリジナルの〈売れ筋商品〉として好評を得ています。 基本的には小さい間はリビングルームの一隅でお子さんを勉強させるためのツールと設定していて、不要になれば天板がそのまま〈地板〉として蓋が出来るよう〈和室〉として隅までフルに活用できるようにしました。可変性を持たせた点がミソで、少し奥行を広げれば足元には床暖房も入れられます。
LDKとウッドデッキテラスとは床面がバリアフリーで繋がっていて、上履きのまま(あるいは靴下のまま)出入りできます。雨の日もデッキ床面は、ほぼ濡れることも有りません。室内と室外との一体的な使用が可能な様にと、様々な点で配慮した設計としております。雨の日、特に湿度の高い夏場には掃き出し窓をフルに開け放っていても差し支えありません。
屋根付きのウッドデッキテラスです。 屋根が付いていればメンテナンスも楽になるし、室内側の延長空間として用途も広がります。この写真の奥には物干しスペースが有って、木製ルーバーで囲っているので外部や隣地側からは勿論、室内側からも見えにくくなっています。 朝から夕方まで自然光が差し込み、風も良く通り抜けるので乾くスピードも速く、且つ花粉等の飛来物に悩まされることも有りません。
ウッドデッキテラスは自然光が朝から夕方まで燦々と降り注ぎますが一方、風の通り道も考えられていて、余分な熱が内部に滞留しないようになっています。防犯的に施錠する必要のある木製建具も通風に配慮した形状で製作しました。
屋根の形状が切妻で、棟の長さを生かして16畳もある広大な小屋裏収納を造りました。構造用合板を加工して一部固定棚も設置しました。換気扇も温度センサー付きを採用することで収納物への影響を軽減しました。また壁と天井に全面使用した材料は〈調湿ボード〉といわれる特殊な石膏ボードを採用して、結露による収納物への悪影響も除去しました。
吹抜に面するところには腰壁でなく、見通しの利く木製の手摺を設置しました。いつもの事務所オリジナルのディテールで、無垢の木材を使いながらもシンプルでスッキリとした工芸品脳ようなディテール。天井も同じく事務所オリジナルのディテール、定番の〈細密ルーバー天井〉です。
リビングダイニング側の照度を落とすと、和室の障子が恰も大きな〈照明器具〉のような存在に見えます。ウッドデッキ側の照明を点けると、更に面白い空間が際立ち、夜のシーンでの光を愉しむことが出来ます。
リビングダイニングの一隅には〈掘りごたつ〉』のある和室コーナーがあって、ウッドデッキテラスの横ルーバーの割り付けに合わせた障子の組子と相まって、ライティングの効果も有って独特の雰囲気を醸し出しています。 全てLEDの電球色の照明、昼間とは一味違った雰囲気有る空間を、夜なが愉しんでいただけるようデザインしました。
ウッドデッキテラスは室内側の延長空間として使える可能性が有るので、照明なども「居室並み」に配慮しました。暑い夏は蚊取り線香を焚いて、夜長涼んで過ごすのも良いかもしれません。