注文住宅

ARROW

面積:

84㎡

エリア:

東京都品川区

実施時期:

竣工:2013年3月

内容:

実家の敷地の一部を利用した住宅「ARROW」は下階の一部を写真スタジオとして使用し、玄関を設けた2階部分に夫婦と娘が生活する空間を設えた「SOHO」。分筆された敷地は間口が狭く奥行きが深い「鰻の寝床」であることから、母屋との距離感やコントラストを考慮しながらアプローチの奥行きを生かした外観デザインが求められた。
1階の写真スタジオ正面はガラス張りとし、オープンスタイルにすることで小空間でありながら外部と一体化した中間領域が心地良さを生み出している。2階玄関への緩やかな勾配のアプローチ階段はシャープな斜壁と程良く調和しながら特徴あるファサードを構成し、訪れる人々が自然に上階へと誘われる仕掛けとした。また北側斜線による勾配屋根が独特の内外観を生み出し、屋根の頂部に設けたスリット状の天窓からの光が白一色の室内にドラマティックな陰影をつくりあげている。遮るもののない天窓からの空の景色は、そこが住宅密集地であることを感じさせない効果もある。
家族のプライベート空間を配した下階に対し、上階はおおらかな一室空間。梯子でアクセスするロフト空間も多目的に利用が可能。空間の随所に垣間見える「斜め」の要素がリズミカルに連続することで室内に心地よい緊張感が生まれている。様々な自然光と戯れられる住居空間は写真の撮影場所としても機能しておりオンオフの境界が存在しないのもこの住宅の特徴の一つと言えよう。

■DATA
敷地面積 :118.36㎡(35.80坪)
建築面積 :46.43㎡(14.04坪)
1F床面積 :42.11㎡(12.73坪)
2F床面積 :42.11㎡(12.73坪)
延床面積 :84.22㎡(25.47坪)
構造 :鉄骨造
規模 :地上2階建
用途 :専用住宅

階玄関への緩やかな勾配のアプローチ階段はシャープな斜壁と程良く調和しながら特徴あるファサードを構成し、訪れる人々が自然に上階へと誘われる仕掛けとした。

この住宅事例を手掛けた建築家

黒崎敏

建築家 / @東京都

建築には安全性や機能性、意匠性などが求められますが、それだけで十分とは言えません。我々建築家が創り上げる空間には、何よりクライアントや社会が求める豊かな精神性を表現しなければならないと考えています。  人間や自然、あらゆる人工物との関わりの中から導き出される空間は、社会や環境と結び付きながら時代と共に緩やかに進化し、それに呼応するように人々も変化を遂げます。このようなゆらぎのある生命体との共存こそが建築の本質的な役割であり、設計における導線のあり方や光の扱い方、風の導き方や素材の選択手法などのデザインを決定付ける大きな要因となることでしょう。  大胆さと繊細さの両極を意識し、人間としての視野を広げ、洞察を深めながら、時に流されることのない品格のある建築を目指して、一つひとつの建築に丁寧に向かい合いたいと思います。

黒崎敏

建築家 / @東京都

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