注文住宅

VISTA

実施エリア:

東京都板橋区西台

実施時期:

竣工:2011年10月

内容:

建主は広告代理店のディレクターであるご主人と料理関連のお仕事をされている奥様。崖に面する小高い台地の敷地を新たに購入し、小さなお子さんと一緒に暮らす木造3階建て住宅の計画です。
 北側の見下ろしはまさに絶景で、敷地の潜在能力を生かしながら、景観を存分に楽しめるよう室内にはノラマウィンドウを配置しています。1階には畳敷きの小さな寝室とテラス付きのボディルームをコンパクトに併設。もちろん、それぞれの空間からは景色を存分に眺めることができます。

 ルーフバルコニー付きのオープンルームとした2階は構造壁面に本棚が造作され、ダイニング脇にあるテーブルでは読書を堪能。さながら図書館のような印象です。また、ダイニングキッチンからリビングへと下る段差が崖に向かってダイブする空間の印象を強調しています。3階には子供室の他に大きなアウトドアリビングを配置し、心ゆくまで景観を楽しめます。各階に配置したテラスから見える景色は同じですが、それぞれ印象が異なるのは空間性の違いに他なりません。

 エントランスにはピロティガレージの他に愛車ドゥカティのためのビルトインガレージを設け、メンテナンスなどを行うことも可能。白い端正なマッスが丘の上に浮かび上がる外観を坂下から見上げると極めてシンボリックでモニュメンタルな印象。正面からの閉鎖的な印象とは対照的です。日常と非日常の両方を内包した空間性が都市住宅の大きな可能性を示しています


■DATA
敷地面積:85.06㎡(25.73坪)
建築面積:54.86㎡(16.59坪)
1F床面積:42.02㎡(12.71坪)
2F床面積:47.41㎡(12.40坪)
3F床面積:22.35㎡(6.76坪)
延床面積:111.78㎡(33.81坪)
構造:木造
規模:地上3階建
用途:専用住宅

黒崎敏

建築には安全性や機能性、意匠性などが求められますが、それだけで十分とは言えません。我々建築家が創り上げる空間には、何よりクライアントや社会が求める豊かな精神性を表現しなければならないと考えています。  人間や自然、あらゆる人工物との関わりの中から導き出される空間は、社会や環境と結び付きながら時代と共に緩やかに進化し、それに呼応するように人々も変化を遂げます。このようなゆらぎのある生命体との共存こそが建築の本質的な役割であり、設計における導線のあり方や光の扱い方、風の導き方や素材の選択手法などのデザインを決定付ける大きな要因となることでしょう。  大胆さと繊細さの両極を意識し、人間としての視野を広げ、洞察を深めながら、時に流されることのない品格のある建築を目指して、一つひとつの建築に丁寧に向かい合いたいと思います。