注文住宅

NEUT

面積:

153㎡

エリア:

東京都杉並区

実施時期:

竣工:2012年12月

内容:

眼科医のご夫婦は心おきなく趣味の音楽鑑賞を楽しめる家を建てるために、閑静な住宅街に間口が小さく奥行きの深い土地を購入。RC造外断熱工法で設えた地下のスタジオには中庭を設け、遮音性を配慮した二重ガラスを使用することで騒音問題を解決している。ドライエリアを介して注ぎ込まれる光のおかげで、地下とは思えないほど居住性が高い空間が実現している。
ピロティガレージとエントランスを確保するために上部がせり出したバルコニーの手摺にはランダムな見付の木製横ルーバーを採用した。閉鎖的なデザインでありながらも十分な通風を確保。道路からの見上げの視線を遮断しながらファサードのアクセントを創りあげている。  主寝室や子供室などプライベート空間が中心の1階フロアとは対照的に、2階にはファミリールームを配置。切妻屋根のおおらかな平面形状は2つの中庭で切り取られた「くびれ」が特徴だ。ハイサイドガラスを介して景色や光を内部に取り込むことができるため大変開放的である。
リビング横にはタイル貼壁面を境に水廻りの一室空間を配置。透明ガラスの高窓を介して木張りの天井が連続する構成にすることで、2室が分断されることなく大らかな空間が広がっている。内部から覗く木製横ルーバーが空間の程良いアクセントとなり、プライバシーも十分に確保。室内の素材をシンプルにすることで空間にはストイックな統一感に加え、コンクリートと木材の組み合わせや切妻屋根のモチーフが独特の温かみを生みだしていると言えよう。住宅密集地であることを忘れさせるこれらのデザイン手法は都市的ソリューションの代表格と言えるだろう。

■DATA
敷地面積 :122.26㎡(36.98坪)
建築面積 :61.12㎡(18.48坪)
B1F床面積 :36.94㎡(11.17坪)
1F床面積 :55.87㎡(16.90坪)
2F床面積 :61.12㎡(18.48坪)
延床面積 :153.93㎡(46.56坪)
構造 :鉄筋コンクリート造
規模 :地下1階地上2階建
用途 :専用住宅

この住宅事例を手掛けた建築家

黒崎敏

建築家 / @東京都

建築には安全性や機能性、意匠性などが求められますが、それだけで十分とは言えません。我々建築家が創り上げる空間には、何よりクライアントや社会が求める豊かな精神性を表現しなければならないと考えています。  人間や自然、あらゆる人工物との関わりの中から導き出される空間は、社会や環境と結び付きながら時代と共に緩やかに進化し、それに呼応するように人々も変化を遂げます。このようなゆらぎのある生命体との共存こそが建築の本質的な役割であり、設計における導線のあり方や光の扱い方、風の導き方や素材の選択手法などのデザインを決定付ける大きな要因となることでしょう。  大胆さと繊細さの両極を意識し、人間としての視野を広げ、洞察を深めながら、時に流されることのない品格のある建築を目指して、一つひとつの建築に丁寧に向かい合いたいと思います。

黒崎敏

建築家 / @東京都

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