注文住宅

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エリア:

東京都世田谷区

実施時期:

竣工:2013年5月

内容:

システムエンジニアのご主人と看護師の奥様は共に30代。小さなお子さんと3人で暮らすために購入したのは、東京でも人気のあるエリア。間口が小さく奥行きの深いのコンパクトな敷地である。
間口が小さい木造3階建ての住宅の場合、構造的な問題から一般的に駐車動線やエントランス動線を確保するのが難しい場合が多い。
そこで今回は道路に面したエリアに2階バルコニーの手摺腰壁を兼用したエントランスゲートと耐力壁を兼用すことで構造的な問題を解決することができた。また、このゲートにより完全に閉じるのではなく、セミクローズドにすることによって道路面からエントランスまでのリズムや適切な距離(奥行き)を生み出すことができた。
主寝室と一室空間のボディラウンジを併設してコンパクトにまとめた1階に対し、2階のファミリールームは大らかな吹き抜けを設けたワンルームとすることで上下階に適度なギャップを設けている。
モノトーンの建築フレームに対し、床材や 造作家具の素材をウォルナットで統一し、椅子などの置家具と調和を図ることでコンパクトな空間に緊張感や繊細な美意識を生み出しているのが特徴である。スチールの溶接によりシンプルに仕上げた跳ね出し階段の洗練された意匠や建築化照明によるドラマティックな雰囲気は、フルオーダーメイドならではの空気感と住み手の意図をつくりあげている。手前と奥に設けた外部空間は、コンパクトでありながらも、フルオープンが可能な建具にすることで内外がダイナミックに繋がる仕掛けとした。 3階の子供室空間には当面建具を設けず、フリールームにるすことで、2階はゆるやかに上階とつながる大空間に仕上がっている。
大胆さと繊細さを両立させること。それは、必然的に家族の距離が密接になる限られた小さな土地だからこそ、十分な意味を見いだせる設計手法であると言えるだろう。

■DATA
敷地面積 :70.12㎡(21.21坪)
建築面積 :41.62㎡(12.59坪)
1F床面積 :29.96㎡(9.06坪)
2F床面積 :32.04㎡(9.69坪)
3F床面積 :19.18㎡(5.80坪)
延床面積 :92.82㎡(28.07坪)
構造 :木造
規模 :地上3階建
用途 :専用住宅

この住宅事例を手掛けた建築家

黒崎敏

建築家 / @東京都

建築には安全性や機能性、意匠性などが求められますが、それだけで十分とは言えません。我々建築家が創り上げる空間には、何よりクライアントや社会が求める豊かな精神性を表現しなければならないと考えています。  人間や自然、あらゆる人工物との関わりの中から導き出される空間は、社会や環境と結び付きながら時代と共に緩やかに進化し、それに呼応するように人々も変化を遂げます。このようなゆらぎのある生命体との共存こそが建築の本質的な役割であり、設計における導線のあり方や光の扱い方、風の導き方や素材の選択手法などのデザインを決定付ける大きな要因となることでしょう。  大胆さと繊細さの両極を意識し、人間としての視野を広げ、洞察を深めながら、時に流されることのない品格のある建築を目指して、一つひとつの建築に丁寧に向かい合いたいと思います。

黒崎敏

建築家 / @東京都

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